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2009/12/04

フライデー・ビデオマガジン(No.423)

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「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン)  

         【 2009年12月04日号 No.423 】

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!!!今週ご紹介するのは『ゆりかごを揺らす手』
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<D-Column>
渋谷・東急Bunkamuraザ・ミュージアムにて、『ロートレックコネクション』
展を観ました。今回の展示は、ロートレック美術館館長の企画・構成により、
国内外のロートレック作品と、交流のあった画家たちの作品を併せて紹介す
ることで、世紀末のパリで活躍した画家、ロートレックの世界と人生を描き
出しています。

ロートレックの作品はポスターがメインということもあってか、いろんな分
野・文脈で目にしたことがありますが、例えば、少年の頃に両足を骨折した
ことから、脚の発育が停止し、身長が低かったことや、ベルナール、ゴッホ、
ゴーギャン、ドガなど、そうそうたるメンバーと交流があったこと、さらに
は料理に精通しており、ロートレックがまとめたレシピ本が、彼が亡くなっ
た後に友人の手によって出版されていたり、結構知らないことがありました。

作品もポスターという媒体から想像するよりもかなり大きな作品が多く驚き
ました。そしてどれも、構図、色使い&タイポグラフィが今見ても斬新で非
常にインパクトがあります。当時流行っていたムーラン・ルージュなどのダ
ンスホールに頻繁に出入りしていたことから、そこの踊り子などを好んでモ
デルとして描いたなど、華やかなパリの生活にどっぷりと浸りつつ、それで
いて退廃的ではなく、画家たちと交流も多く、友人と食を囲んで楽しむとい
った、ポジティブな人間性が伝わってきました。一方で、嫌いな人間にはと
んでもない食材を使った料理を出すなど、シニカルな一面もあったようです
が...。
当時はもう写真の技術もそれなりに進歩していたと思いますが、舞台裏で踊
り子たちの一瞬の動作や表情を写し取っていたというエピソードを聞くと、
例えば荒木経惟さんとか藤原新也さんのドキュメンタリー写真を思わせるよ
うな、女性としての人間が中心にある感じが伝わってきました。観終わった
後、ちょっと幸せな気分になれる展覧会です。会期は12月23日(水・祝)ま
でです。ぜひ。

・『ロートレックコネクション』展
(http://www.bunkamura.co.jp/museum/)

それでは今週の1本です。


<作品プロファイル>
・邦題:『ゆりかごを揺らす手』
・原題:『THE HAND THAT ROCKS THE CRADLE』
・監督:カーティス・ハンソン
・脚本:アマンダ・シルヴァー
・キャスト:アナベラ・シオラ、レベッカ・デモーネイ他
・公開/制作:1991年/アメリカ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:110分
・評価:★★★(評価内容については下記説明をご覧ください)

<ストーリー>
産婦人科で医師の診察を受けた際に猥褻行為をされたクレア(アナベラ・シ
オラ)は、医師を訴えるが、その医師が自殺してしまう。医師の妻ペイトン
(レベッカ・デ・モーネイ)は精神的にダメージを受け流産。半年後クレア
の元に乳母をさせて欲しいとペイトンが現れる。クレアはペイトンが復讐の
ためにやってきたとは知らず快く受け入れる...。

<コメント>
『L.A.コンフィデンシャル』(1997)、『8 Mile』(2002)などを手がけたカ
ーティス・ハンソンが、すべてを失った女の逆恨みから始まる復讐劇を描い
たサスペンス。派手なアクションはありませんが、真綿で首を絞めるような
ねっとりとした演出で、観ている物を恐怖で縛り上げます。

狙われる女・クレアにアナベラ・シオラ、狙う女・ペイトンにレベッカ・デ
モーネイがキャスティングされていますが、二人ともそれぞれの立場をリア
ルに演じています。特にレベッカ・デモーネイの、復讐をやり遂げようとい
う強い意志がありながら、淡々と計画を進めるクールさが怖いです。いかに
もこういう悪女役が似合いそうな女優を持ってこなかったことも正解(もし
リメイクされたらキャメロン・ディアスあたりがキャスティングされそうで
すね)。物語のアクセントとなっている、精神障害を持つ使用人ソロモンを
アーニー・ハドソンが頼りになるのかならないのか、絶妙なバランスで好演
しています。

ペイトンの夫である産婦人科医がセクハラを行ったのが発端ですが、それに
関して、正義と悪に一刀両断するのではなく、クレアの訴えが勘違いである
線も完全に消していないところが面白いですね。夫を自殺に追いやられた妻
の逆恨みなのか、それとも、冤罪による自殺の仇討ちなのか。どちらかとい
うと”押し”ではなく”引き”の映画といえるかも知れません。復讐劇に関
しても、やたらと人が死んだり、派手なシーンがあったりするわけではあり
ません。それでも、”何かが違っている”という不安の方が恐怖を感じるこ
ともあるわけで、まさに本作はその小さな恐怖の積み重ねによって、観る側
を飽きさせない構造になっていると思います。この監督はそういう演出が上
手いですね。
ただ、せっかくの積み重ねによる恐怖も、終盤からラストにかけての”ハリ
ウッド映画”らしい演出で台無しになってしまった感があります。そのまま
深みのある終わらせ方をして欲しかった。ちょっと残念。

by DISK
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「評価」の★の数について

5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。
4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。
3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。
2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる?
1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。
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