2009/11/20
フライデー・ビデオマガジン(No.421)
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン) 【 2009年11月20日号 No.421 】 =================================== !!!今週ご紹介するのは『天国の口、終りの楽園。』 =================================== <D-Column> 渋谷にある東急Bunkamuraで興味深い企画が進行中です。”Bunkamura”開館 20周年を記念して、映画館ル・シネマにて、人気作をリバイバルで特別上映 するという企画なんですが、面白いのは、上映作品が投票によって決定され るところ。最初に特別サイトで行った投票結果を元に、候補作品をセレクト。 さらに投票を行うことによって、最終的な上映作品を決定するとのこと。 で、候補に残った作品を見てみると...『髪結いの亭主』があるではあり ませんかっ。これは投票せねばっ。うむー、クシシュトフ・キェシロフスキ 監督の『愛に関する短いフィルム』や『二人のベロニカ』もいいし、”貴重” という意味では、ニルス・タヴェルニエ監督の『エトワール』も入って欲し い。でもやっぱり、ルコントですね。ルコント作品が日本で始めて公開され たのが『髪結いの亭主』で、おそらく最初に上映したのがル・シネマではな かったかと(違うかな?)。個人的には何度も映画館で観た作品ですが、ル ・シネマでは観たことがありませんので。候補23作品のうち6~9作品が 上映作品として選ばれるとのこと。1/3~1/4の確率ですね。微妙..。 同企画のサイトにて、各候補作品の”作品詳細”の部分をクリックするとル ・シネマのサイトのアーカイブにリンクされているのですが、ついでに過去 作品をいろいろ眺めていたら結構楽しかったです。ルコント作品は結構上映 しているんですね。ジョン・カサヴェテス監督の『オープニング・ナイト』 (1990)、『インド夜想曲』(1991)、『ロゼッタ』(2000)、『ベルリン、僕ら の革命』(2005)など、個人的な好みとリンクしているものも多いです。異色 なところでは『ジョージ・マイケル ~素顔の告白~』(2005)。これはル・ シネマで観ましたが、当時「なぜここで?」と思った記憶があります(笑)。 ちなみに投票受付期間は11月23日まで、選ばれた作品の上映期間は12月19日 (土)~12月25日(金)です。詳細は以下のサイトからどうぞ。 ・東急Bunkamuraル・シネマ(http://www.bunkamura.co.jp/cinema/) それでは今週の1本です。 <作品プロファイル> ・邦題:『天国の口、終りの楽園。』 ・原題:『Y TU MAMA TAMBIEN』 ・監督:アルフォンソ・キュアロン ・脚本:アルフォンソ・キュアロン他 ・キャスト:ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ他 ・公開/制作:2001年/メキシコ ・ジャンル:ドラマ ・上映時間:106分 ・評価:★★★★(評価内容については下記説明をご覧ください) <ストーリー> フリオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)とテノッチ(ディエゴ・ルナ)は、 17歳の悪友同士で頭の中はセックスのことばかり。お互いの恋人がヨーロ ッパ旅行に行ってしまい、寂しい思いをしていたある日、テノッチの親戚の 結婚式で、テノッチの従兄弟の妻ルイサ(マリベル・ヴェルドゥー)と出会 う。早速彼らは”天国の口”と呼ばれる伝説のビーチに行こうとルイサをド ライブに誘う...。 <コメント> メキシコの熱気に満ち溢れた『アモーレ・ペロス』のガエル・ガルシア・ベ ルナル主演。若さを持て余した二人の青年が美しい人妻とともに幻のビーチ “天国の口”へと向かう道程を描いたロード・ムービー。監督は『リトル・ プリンセス』(1995)、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)など を手がけたアルフォンソ・キュアロン。 冒頭のセックスシーンから始まり、主人公の青年二人フリオとテノッチはと にかくセックスのことしか頭にないお調子者。相手も場所も構わず自分たち の欲望のままに行動する二人に自由に生きることの楽しさを感じながらも、 あまりの悪態ぶりに辟易とする場面も。そんな奔放な二人が、少年から大人 へと変化するひと夏の経験を描いた物語と思いきや、マリベル・ベルドゥ演 じるルイサとともに旅に出てからは、灼熱の太陽に焼かれるかのように、徐 々に二人の行動や言動に閉塞感と焦燥感が漂ってきます。 心の傷を抱えつつ、大人として、女性としての強さと成長を見せるルイサ、 一方で自由に生きているように見えて繊細で傷つきやすい青年たち。そんな 異なる人生のステージに立つ3人の旅は、お互いを傷つけあう痛みを伴いま すが、最後はルイサがすべてを包み込み、3人はそれぞれの立場や境遇を理 解するに至ります。そしてラストシーン。若き日の欲望に任せた感情のぶつ かり合いは、まるで一過性の麻疹のように淡い思い出に過ぎず、現実は思い 出を押しつぶすかのように彼らの人生の上に鎮座しています。派手なアクショ ンや残酷な描写などはありませんが、胸を締め付けられる切なさが残ります。 終始映し出されるメキシコの映像には、暑さの中にもどこか冷めた空気が感 じられ、それがこの作品を象徴していると思います。 ちなみに本作は2002年のアカデミー賞・脚本賞にノミネート、ヴェネチア国 際映画祭の外国映画賞およびLA批評家協会賞の外国映画賞を受賞。本国メ キシコでは、2001年の興行成績第1位を記録する大ヒットとなりました。 by DISK =================================== 「評価」の★の数について 5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。 4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。 3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。 2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる? 1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。 =================================== ◆このメールマガジンに関する感想、作品のリクエスト等がありましたら、 発行者宛てメール又は下記ウェブサイト掲示板等からどうぞ。 ・MAIL:d-nakane@dd.iij4u.or.jp ・WEB:http://dmovie.fc2web.com/ ◆全ての文章は個人としての使用以外、転載を禁じます。 ◆このメールマガジンは、以下のサービスを利用して発行しています。 ・『まぐまぐ』http://www.mag2.com/(マガジンID: 0000078785) ・『メルマ!』http://www.melma.com/(マガジンID:00061350) ・『メルマ!』http://www.melma.com/(マガジンID:00152037) 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


