2009/10/30
フライデー・ビデオマガジン(No.418)
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン) 【 2009年10月30日号 No.418 】 =================================== !!!今週ご紹介するのは『アバウト・シュミット』 =================================== <D-Column> 28日、民主党の鳩山首相と自民党の谷垣総裁とが、衆院本会議の代表質問 で初対決。なかなか熱い論戦、というか”やりとり”が繰り広げられました。 まあ、中身はさほど面白いものではありませんでしたが、とりあえず、自民 党が野党として発言している様子はどこか違和感があって興味深かったです。 谷垣氏の論点は、基本的にマニフェストを守れなければどうするのか?とい うことですが、これに対して鳩山首相は「当然、政治家としての責任は取る」 と明言。まあ、当たり前のことですが。ただ、私もそうですが、国民は実は それほどマニフェスト実行にこだわっていないのではないのでしょうか。 特に都民は1995年の都知事選挙のことがありますから。当時、タレントの青 島幸男氏が、開発中の臨海副都心地区で開催予定の『世界都市博覧会』を中 止するとの公約を掲げ、無所属で立候補し当選しました。その後、さまざま な逆風にあおられるも「約束を守れる男かどうか信義の問題」と、都市博中 止を強行。関連の建設業界や販売業界では、自殺者も出るなど、社会問題と なりました。 もちろん、正しい政策・マニフェストは何としても実行して欲しいですが、 より詳細に内容を検討した結果、当初より柔軟な対応になるのはありえる話。 おそらくほとんどの国民がそう考えているのではないでしょうか。大事なの は、何が何でもマニフェストを守ることではなく、民主党のマニフェストに 大きく掲げられた”暮らしのための政治”をちゃんと実行してほしいという こと。これまた当たり前のことです。 結局、代表質問の場では、谷垣氏がどう突っ込もうと、「そんな駄目な状況 にしたのはどこの誰か」と切り返されると自民党としては立場が無く(何か 子供のけんかを見ているようでしたが)、全体的には鳩山さんに分があった 感じでしょうか。いずれにしても、特に外交問題などは、政権交代が解決の 糸口になりうるケースもあると思いますのでがんばって欲しいですね。 それでは今週の1本です。 <作品プロファイル> ・邦題:『アバウト・シュミット』 ・原題:『ABOUT SCHMIDT』 ・監督:アレクサンダー・ペイン ・脚本:アレクサンダー・ペイン他 ・キャスト:ジャック・ニコルソン、キャシー・ベイツ他 ・公開/制作:2002年/アメリカ ・ジャンル:ドラマ ・上映時間:125分 ・評価:★★★(評価内容については下記説明をご覧ください) <ストーリー> ネブラスカ州オマハで妻と暮らすウォーレン・シュミット(ジャック・ニコ ルソン)は、長年にわたって勤め上げた保険会社”ウッドメン”を定年退職。 同僚や友人たちによる盛大な引退記念パーティも終え、第2の人生を歩み出 していた。ところが、待っていたのは退屈な日常。しかも彼が思っているほ ど、周囲の人間から愛されていなかったことが次々と判明し...。 <コメント> ジャックニコルソン演じる”普通”の男シュミット。保険会社を定年まで勤 め上げ、妻と娘に囲まれ、豊かな第二の人生を歩めるかと思いきや、次々と 不幸に見舞われてしまう。彼の心のよりどころは、遠く離れた貧しい国の子 供へのお金の援助。そんな彼に幸せはやってくるのか...という物語。 『恋愛小説家』(1997)、『プレッジ』(2001)と、立て続けに”孤独”なキャ ラクターを演じてきたジャック・ニコルソンですが、本作のキャラクターは その極みと言えるかもしれません。 定年まで一生懸命仕事に励み、会社に尽くし、家庭のためにがんばってきた はずなのに、ふと周りを見回してみると、誰も自分を愛しているものはいな い。単純に家族がいないとか、友人がいないとかではなく、これほど孤独な 状況はありません。その孤独感を表現しているのが、ジャック・ニコルソン の表情の演技。多くの言葉を用いずとも、顔の表情だけですべてを語ります。 ただ、がむしゃらにがんばってきた男を襲う人生の下り坂、という話であれ ば救いがありませんし、かといって、シュミットが己のことしか考えず、周 りの人間とは表面上の付き合いを装っていただけの皮肉屋という演出(おそ らく原作ではそうなのではないかと思います)も弱く、いずれにしても惨め さばかりが浮かび上がってくるところが残念。血のつながった人間はみな薄 情で、近くの他人に救われる、という意味ではアメリカ版『東京物語』でしょ うか。 空虚で世俗的なアメリカの実情を描いているという見方もあるかもしれませ んが、シュミット以外の人々、特に娘の嫁ぐ先は、どうしようもない人たち ではあるものの、シュミットよりよほど人間らしい、そういう意味では、ニ コルソン自身が出演していたアメリカン・ニューシネマの一連の作品の方が、 アメリカに漂う虚無感を描いていたといえるでしょう。”あれから何も変わ っちゃいない”というのであれば、それはそれでひとつの視点ですが。 by DISK =================================== 「評価」の★の数について 5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。 4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。 3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。 2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる? 1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。 =================================== ◆このメールマガジンに関する感想、作品のリクエスト等がありましたら、 発行者宛てメール又は下記ウェブサイト掲示板等からどうぞ。 ・MAIL:d-nakane@dd.iij4u.or.jp ・WEB:http://dmovie.fc2web.com/ ◆全ての文章は個人としての使用以外、転載を禁じます。 ◆このメールマガジンは、以下のサービスを利用して発行しています。 ・『まぐまぐ』http://www.mag2.com/(マガジンID: 0000078785) ・『メルマ!』http://www.melma.com/(マガジンID:00061350) ・『メルマ!』http://www.melma.com/(マガジンID:00152037) 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


