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2009/10/23

フライデー・ビデオマガジン(No.417)

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「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン)  

         【 2009年10月23日号 No.417 】

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!!!今週ご紹介するのは『ウディ・アレンのバナナ』
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<D-Column>
NHKの番組『仕事の流儀』が好きでよく見ます。さまざまな現場の第一線
で活躍する人たちをターゲットに、仕事をする上での流儀を引き出し、プロ
フェッショナルとは何か?を問う番組。

先日の放送で取り上げられていたのは、北海道で一世代前の”古臭い”酪農
のスタイルを貫いている三友盛行氏。牛に自然の草を食べさせる放牧にこだ
わり、飼っている牛の数も地域の平均の半分以下。それがゆえに、生乳の生
産量は3割しかないけれど、徹底した低コストによって驚くべき利益率をあ
げているとのこと。自然に逆らわず規模拡大をめざさないスタイルが、餌や
設備投資の経費を圧倒的に少なくしているそうです。

そんな三友氏の回のタイトルが「立ち止まり、足るを知る」。まさに意志を
もって留まる人、”STAYER”ですね。三友氏にスポットが当たり始め
た理由に、牛の餌の原料となる輸入穀物などの価格の高騰があるそうです。
つまり、とにかく牛の数を増やして生産量をアップすることが酪農家の”成
功”であったものの、餌の高騰でコストが跳ね上がり、みんな立ち行かなく
なったところで、三友氏の存在が浮き上がってきたと。
情報が氾濫する世界では、この”立ち止まる”ということにも勇気がいるし、
ノウハウも必要です。まず、規模の拡大ではなく利益重視の価値転換が求め
られますし、単純なコスト削減は必ず限界がやってきます。三友氏や、農薬
を使わず、アイガモに食べさせることによって田んぼの雑草や害虫を除去す
るアイガモ農法を実践されている古野隆雄氏もそうで、自然や周りの環境と
調和する中で、コスト削減を実践しなければ意味が無く、継続しません。
三友氏が日々繰り返されているのもまさにこれでした。立ち止まること、足
るを知ること、心に響く言葉です。

...毎回、さまざまなことに気づかされることの多いこの番組、すごく好
きがゆえの心配なのですが、とにかく”やらせ”がありませんように...。

それでは今週の1本です。


<作品プロファイル>
・邦題:『ウディ・アレンのバナナ』
・原題:『BANANAS』
・監督:ウディ・アレン
・脚本:ウディ・アレン他
・キャスト:ウディ・アレン、ルイーズ・ラサー他
・公開/制作:1971年/アメリカ
・ジャンル:コメディ
・上映時間:82分
・評価:★★★★(評価内容については下記説明をご覧ください)

<ストーリー>
とあるメーカーの商品検査員を努める冴えない男、フィールディング・メリ
ッシュ(ウディ・アレン)は、ある日、平和運動の活動家ナンシー(ルイー
ズ・サラー)に一目ぼれ。何とか彼女と結ばれるもあっさり振られ、失意の
ままに、紛争の真っ只中にあるサンマルコ共和国の革命軍に身を投じる。相
変わらずヘマばかりの彼だったが、なぜかリーダーに祭りあげられ、果ては
大統領になってしまう...。

<コメント>
監督・俳優業以外にもさまざまな顔を持つ才人・ウディ・アレンの第2作目
の監督作品。
冴えない男が政治運動家の女に振られ、傷心のままに南米に渡り、ゲリラ軍
に参加して革命を起こし、さらには大統領になってしまい...という、と
にかくハチャメチャなストーリー。主人公のダメ男・フィールディングをウ
ディ・アレン自らが演じ、最初から最後までテンション高く暴れまくります。

ウディ・アレンの”笑い”は徹底してシニカルでアイロニカル。一見”ボケ”
はわかりやすくてベタなんですが、その背後にはとんでもない皮肉や軽蔑が
隠されています。この表層の部分だけで(もちろんそうでない場合もありま
すが)判断してしまうと、ただ単におかしなお兄さんがすべっているだけに
しか見えません。しかも”やりすぎる”こともありますし、誰がどう見ても
いじめられっ子ぽい風貌もあり、見るのも痛々しい場面も多いです。
なので、ウディ・アレンの作品は、個人的にもかなり好き嫌いがはっきりす
るのですが、本作では、書店でポルノ雑誌を買うシーン、食料品を調達する
シーン、めちゃくちゃな通訳を行うシーンなどなど、単純に笑えるシーンが
たくさんあります。法廷シーンも、ここまでやるか、という感じ。物語は奇
想天外なんですが、そうやって彼の笑いに誘われているうちに、映画そのも
のにも引き込まれてしまいます。

今の時代に見ても、政治や宗教に対する毒は薄れていないと思いますが、当
時はどのような感情を持って受け入れられたのか(もしくは受け入れられな
かったのか)非常に興味深いですね。結局、ラブストーリーとして映画は収
束するのですが、ここでたち現れる余韻は、後の『アニー・ホール』(1977)
を予感させます。冴えないダメ男の狼藉ぶりの中に、ひたむきさを感じた瞬
間、彼に対する怒りは切なさに変わります。

ちなみに、まったく無名時代のシルベスター・スタローンがチンピラ役で出
演しています。チョイ役なのでお見逃し無く。

by DISK
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「評価」の★の数について

5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。
4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。
3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。
2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる?
1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。
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