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2009/10/16

フライデー・ビデオマガジン(No.416)

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「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン)  

         【 2009年10月16日号 No.416 】

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!!!今週ご紹介するのは『二重誘拐』
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<D-Column>
まさかのCDを2枚買いました。いずれも”こんなアルバムが出るとは思わ
なかったっ”という意味での”まさか”。もちろん良い意味で。

1枚は、正真正銘ジャンル分け不能のミュージシャン、ジム・オルークのソ
ロアルバム『ザ・ヴィジター』。ジム・オルークは親日家でも有名で、くる
り、坂田明、カヒミ・カリィなどと一緒に仕事をしています。2001年に
ソロアルバムを出して以降、日本人に限らず、とにかくいろんな人と共演し
たり、プロデュースしたりという仕事がメインでしたが、ここに来て突然の
純粋なソロアルバムを発表。まさかこんなプレゼントがあるとは。
内容は、全一曲のインスト・アルバム...。彼らしいですねえ。本人曰く、
現代版『チューブラー・ベルズ』(マイク・オールドフィールドの名盤っ)
だそうですが、まさにまさに。
アコースティック・ギターの静かな幕開けから、さまざまな楽器を駆使しな
がら、コラージュのように音で空間を紡いでいく様子は圧巻。叙情性を抱え
つつ、決して熱くなりすぎないところが時代のちょうど1歩先を進んでいる
感じ。
ミラーボールが椅子の上で砕けているジャケットも静かな狂気を感じさせま
す。きっと、本当に狂気を内包している人だと思います。養老孟司さんは、
「本当に狂った人だけが普通の人を演じられる」とおっしゃいました。
静寂と狂気が交錯する傑作です。

もう一枚は、バッド・ルーテナントのファースト・アルバム『ネヴァー・ク
ライ・アナザー・ティアー』。バッド・ルーテナントは2年前に活動を休止
したニュー・オーダーのリーダー、バーナード・サムナーによる新プロジェ
クト。ほとんど情報をチェックしていなかっただけに、店頭で見たときは衝
撃を受けました。あまりの衝撃に、購入してからCDプレーヤーにかけるま
での記憶がありません...というのは嘘ですが。
内容は、まんまニュー・オーダー。ニュー・ウェイブ+パンク路線。アルバ
ムや曲のタイトルには、いまだにイアン・カーティスの死を抱えているのか、
と思わせるものもありますが、全体的には、新たな決意、前向きな躍動感に
あふれています。やりたいことをやっている感じが清清しいです。
バーナード・サムナーって、歌っていも、ギターを弾いていも、インタビュ
ーに答えていても、どこか頼りないところがあるんですが、希代のメロディ
・メイカーであることを再認識しました。やっぱり生き残っている人は、何
だかんだ才能があるんですね。永続的なプロジェクトにはなりえない気がし
ますが、もう一枚ぐらいはアルバムを出して欲しいです。多分、彼の場合、
何をやってもそんなに変わらないのでしょうが。

それでは今週の1本です。


<作品プロファイル>
・邦題:『二重誘拐』
・原題:『THE CLEARING』
・監督:ピーター・ジャン・ブルージ
・脚本:ジャスティン・ヘイス
・キャスト:ロバート・レッドフォード、ウィレム・デフォー他
・公開/制作:2004年/アメリカ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:92分
・評価:★★(評価内容については下記説明をご覧ください)

<ストーリー>
レンタカービジネスで成功し、妻アイリーン(ヘレン・ミレン)と共に豪邸
に暮らし、幸せな生活を送っていたウェイン(ロバート・レッドフォード)。
ある日、アーノルドと名乗る男(ウィレム・デフォー)に白昼堂々誘拐され
てしまう。早速、FBIが捜査に乗り出すが、事態は好転せず、さらに幸せ
の家族の闇の部分が明らかになっていく...。

<コメント>
『ブルワース』(1998)や『インサイダー』(1999)などの製作に関わっていた
ピーター・ジャン・ブルージが監督まで手がけた作品。
劇場公開では観ていませんでしたので、ロバート・レッドフォード、ウィレ
ム・デフォー、ヘレン・ミレンという大スターの演技がぶつかり合う本格派
サスペンス・ドラマ?と期待したのですが、いわゆるハリウッド風の派手さ
はなく、誘拐した側とされた側の男の対話で進行していく地味な展開でした。

サスペンス・ドラマですが、犯人探しではなく、最初から犯人はわかってい
て、人質とのやりとり、被害者夫婦の人間関係に焦点が当てられています。
ウィレム・デフォーが演じる犯人アーノルドは、生活も満たされず、家族は
いるものの孤独の中に生きる男。一方、誘拐されたロバート・レッドフォー
ド演じるウェインは、仕事も順調で温かい家庭があり、恵まれた人生を歩ん
でいます。ウェインを誘拐したアーノルドは、圧倒的に強い立場にあるはず
ですが、ウェインを山小屋に連れて行く道中、彼と対話を重ねるうちに、己
の孤独さを暴かれます。また、ウェインも心理的に攻撃をしながらも、人間
として、男としての弱みをさらけ出していきます。人生の下り坂に差し掛か
った男同士の間に芽生えるのは、友情に似た感情なのか、それとも...。

思ったほどの派手さはないものの、前半は捜査に乗り出したFBIの怪しさ
もあって、独特の緊張感を保ったまま物語は進行していきます。犯罪の中で
思わず浮き彫りになる被害者ウェインとその妻との人間関係。一風変わった
アプローチはなかなか興味深いのですが、後半以降、かなり展開が冗長にな
ってしまいます。サスペンスとしてもさほど盛り上がらず、さらに最後もイ
ンパクト不足。ウェイン夫婦の関係も余韻を感じさせるほどではありません
し、アーノルドにしても、もっと深くて暗い狂気を抱えていたはずで、そこ
を見せて欲しかった気がします。ウィレム・デフォーゆえに、ちょっと期待
しすぎた感も無きにしも非ず、ですが。

by DISK
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「評価」の★の数について

5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。
4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。
3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。
2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる?
1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。
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