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2009/09/25

フライデー・ビデオマガジン(No.413)

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「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン)  

         【 2009年09月25日号 No.413 】

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!!!今週ご紹介するのは『アニマル・ファクトリー』
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<D-Column>
渋谷・東急Bunkamuraザ・ミュージアムにて、『ベルギー幻想美術館』展を
観ました。
今回の展示は、姫路市立美術館が所蔵する、日本最大級の質と規模のベルギ
ー美術コレクションの中から、19世紀後半から20世紀にかけて活躍した象徴
主義やシュルレアリスムなどの優れた画家たちの作品約150点から構成されて
います。油彩・水彩・素描・版画などさまざまな技法による作品が展示され
ているのも特徴ではないでしょうか。会場内には妖しくも美しい女性がモチ
ーフとなった作品が数多く並び、まさに幻想美術館と呼ぶにふさわしい空間
となっています。
いつもながらBunkamuraさんの展示は個性的で雰囲気がありますね。
個人的には前回の『だまし絵展』に引き続き、マグリットの作品がたっぷり
見られたのが嬉しかったです。

よくビジネスの世界では、”不安な時代にはファンタジーが流行る”と言わ
れます(最近では『ハリー・ポッター』が流行ったときがそうでした)。先
行きの見えない不透明な時代には、人々は現実逃避を求めると言うことなの
でしょうか。ベルギーで幻想美術を生み出した画家たちを突き動かした衝動
の裏には、当時、本国の何十倍もある植民地からの巨大な富によって加速し、
人々の生活に押し寄せてきた産業革命への不安もあると言われています。

工業化のみならず、いつの時代にもさまざまなイデオロギーの台頭や技術革
新などは起こっているわけで、そういう意味では私たちは利便性や快適さを
手に入れると同時に、常に不安と隣り合わせに生きていると言っても過言で
はないのかもしれません。今、現在も、インターネットという新しいメディ
アは進化し、コミュニケーションは変化を続けています。日本では、コミュ
ニケーション以前に政府も刷新されました。
どちらかというと、不安な心とまっすぐ対峙せず、心の隙間に面白おかしい
ものを流し込もうとする風潮がある中で、やはりこのような美術に触れると
いうことには、大きな意味があるのではないかと思います。

・『ベルギー幻想美術館』展
(http://www.bunkamura.co.jp/museum/)

それでは今週の1本です。


<作品プロファイル>
・邦題:『アニマル・ファクトリー』
・原題:『ANIMAL FACTORY』
・監督:スティーヴ・ブシェミ
・脚本:エドワード・バンカー他
・キャスト:エドワード・ファーロング、ウィレム・デフォー他
・公開/制作:2000年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:95分
・評価:★★★(評価内容については下記説明をご覧ください)

<ストーリー>
裕福な家庭に育ったロン・デッカー(エドワード・ファーロング)は、大麻
所持の罪で刑務所に送られる。そこでは差別や暴力が日常的に行われていた。
彼はなぜかリーダー格のアール(ウィレム・デフォー)に気に入られ、彼ら
のグループの仲間となり、さまざまなトラブルに見舞われながらも何とか平
穏な日々を過ごしていたのだが...。

<コメント>
超・個性派俳優スティーヴ・ブシェミ監督第2作。俳優で脚本家のエドワー
ド・バンカーの実体験に基づく物語。日本未公開の作品です。
刑務所内にうずまく、男たちの欲望と暴力。そんな中に放り込まれた若者ロ
ン・デッカーと、刑務所を仕切るリーダー・アールとの友情を描いた物語。

ウィレム・デフォー、エドワード・ファーロング、ミッキー・ローク、シー
モア・カッセル、ダニー・トレホなどなど、渋い俳優を揃え、 さらにブシェ
ミ自身も出演するという通好みのキャスティング。スキンヘッドのウィレム
・デフォーはもちろん、強烈なゲイ役のミッキー・ローク、登場するだけで
画面に”男の哀愁”フィルターがかかるシーモア・カッセルなど、非常に印
象的な登場人物が多いのですが、内容的には刑務所内の日常が淡々と繰り返
されるという静かな展開。ブシェミの真面目な姿勢が伝わってきます。
もちろん、暴力・陰謀などのエピソードも登場しますので、アクション、暴
力映画ないしは脱獄ものとして観ることも出来るかもしれませんがが、それ
自体は特筆すべきものではなく、あくまでもロンとアールとの関係性をじっ
くりと描いています。ただ、アールの存在感に対し、ロン=エドワード・ファ
ーロングが少し物足りなかったかも。というより、デフォーのインパクトと
ロンに対する愛が感じられる優しいまなざしの演技に食われてしまったので
しょうか。かわいい顔はしているんですが。
いっそのことモノクロ映像にして、もっと思い切り静かで内省的な作品にす
るか、ドキュメンタリータッチにするか、そういう方向性でも良かったので
はないかと思います。まあ、ただ単にシーモア・カッセルをモノクロで見た
いだけです(笑)。

それでも、やはりラストシーンは切なく心に残りました。アールが求めたの
は、実は愛ではなく、他人との信頼関係だったのかもしれません。そしてそ
れは、やはり刑務所という悪意に満ちた世界の中では成立しないものなので
しょう。

by DISK
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「評価」の★の数について

5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。
4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。
3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。
2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる?
1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。
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