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2009/09/04

フライデー・ビデオマガジン(No.410)

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「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン)  

         【 2009年09月04日号 No.410 】

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!!!今週ご紹介するのは『まぼろし』
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<D-Column>
2009年8月30日、第45回衆院選の投開票が行われ、結果、民主党が
前回の177議席を大幅に上回る308議席を獲得、自民党は大物議員が軒
並み落選するなど議席を大幅に減らし、これによって民主党に政権の座を明
け渡すことになりました。事実上、いよいよ鳩山由紀夫首相の誕生です。
これによって今後の日本がどうなるのかはまだまだ見えませんが、8月30
日が歴史的な日となったことは間違いありません。政治が大きく動きました。

”先が見えない”とは言え、そもそも世の中を閉塞感を打開すべく、政権交
代を望んだということで、特別民主党に期待しているわけではない、という
のがおおよその世論と言ったところでしょうか。個人的にもまあそんなとこ
ろです。民主党になったからといって本当に官僚主導から脱却できるのかど
うか疑問ですし、マニュフェストもすべて実現されるとは思っていません。
さまざまなメディアの論調も、麻生政権や自民党の実績部分に日を当てる、
”揺り戻し”も散見されます。4年前の選挙と真逆に振れる国民の風見鶏的
な姿勢に苦言を呈するメディアもあります。確かに、「一度やらせてみよう」
的な政権交代はリスクも大きく、ある意味無責任と言えるでしょう。取り返
しのつかない状況に陥る可能性もゼロではありません。しかし、もしも55
年体制以降、今までの自民党による政治が間違っていたとしたら...。

大きな変化、とは、一見、瞬間的に発生するように思えますが、実は、それ
以前の小さな変化の積み重ねであると思います。社会党を取り込んだり、郵
政選挙で自己変革を演出したり、なんとか政権の座をしのいで来た自民党で
すが、すでに砂上の楼閣だったのかもしれません。
いずれにしても、これから私たち国民に出来ることは、ちゃんと関心を持ち
続け、しっかりと監視することしかありません。頼んまっせ。

それでは今週の1本です。


<作品プロファイル>
・邦題:『まぼろし』
・原題:『SOUS LE SABLE』
・監督:フランソワ・オゾン
・脚本:フランソワ・オゾン他
・キャスト:シャーロット・ランプリング、ブリュノ・クレメール他
・公開/制作:2001年/フランス
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:95分
・評価:★★★★(評価内容については下記説明をご覧ください)

<ストーリー>
マリー(シャーロット・ランプリング)とジャン(ブリュノ・クレメール)
の夫婦は、フランス南西部のランド地方にヴァカンスにやってきた。この夏
を二人でゆっくり過ごすはずだったが、二人で浜辺に出かけた時、夫ジャン
は忽然と姿を消してしまう。不安になったマリーは捜索を依頼するが、警察
の捜査でも夫の行方は分からず...。

<コメント>
『8人の女たち』(2002)で、国際的な評価も高まったフランスの鬼才、フラ
ンソワ・オゾン監督2001年の作品。
往年の名女優シャーロット・ランプリングの魅力を存分に生かし、それまで
のオゾン監督の作品と比べると、”死”をテーマに、謎解きだけに終わらな
い、大人のミステリーに仕上がっています。

それなりに年数を経た夫婦の関係というのは、ひょっとしたらある種の永遠
性を感じさせるのかもしれません。最近では”熟年離婚”などの言葉もある
ように、年数を経たからこそ、仕事への、あるいは子供への責任を終えたが
ゆえに訪れる別れもあります。しかしながら、基本的には一生を添い遂げる、
という前提の人間関係において、どちらかが最期の時を迎えるまではおのず
と二人の時間が続くということにあまり疑問は持たないかもしれません。だ
からこそ、シャーロット・ランプリング演じるマリーのように、突然、生涯
の伴侶がいなくなってしまったときの喪失感はそうそう受けいられるもので
はないのでしょう。しかも、本作では原因がわかりません。やり場のない悲
しみや怒りは己の心の奥底に抱えざるを得ません。

長い時間をかければ、相手の”死”ないしは”消失”を受け入れることも出
来るかもしれませんが、それは長くつらい作業です。そこでマリーは、”受
け入れない”という選択をします。私たちが、目に見えるものや目に見える
人とともにしか生きていないとしたらそれは人間の傲慢というものでしょう。
ひょっとしたら、マリーはそのままでも一生を終えることが出来たのかもし
れませんが、そこにさらに覆いかぶさってくる過酷な現実の波。
フランソワ・オゾン監督は、マリーの心情を、彼女の顔のアップ、木漏れ日
に見え隠れする表情など、さまざまな映像的手法を駆使して、まるで波打ち
際にて洗われる、たよりない砂のように繊細に描いています。ラストシーン、
すべてを受け入れたかのように見えたマリーですが、その心はすでにこの世
界にはなかったのかもしれません。

by DISK
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「評価」の★の数について

5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。
4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。
3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。
2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる?
1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。
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