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2009/08/28

フライデー・ビデオマガジン(No.409)

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「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン)  

         【 2009年08月28日号 No.409 】

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!!!今週ご紹介するのは『グラン・ブルー』
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<D-Column>
最近、寄席にはほとんど行けていませんが、それでも自分のギャラリーで開
催している落語寄席は来月で53回目。1回あたり2席ですから、ここ数年
で一応100席以上の落語を聞いていることになります。まあ落語のCDや
DVDなんかはよく聞きますが、やっぱり”ライブ”が命ですからねえ。

落語を聞いていて楽しいのは、さまざまな言葉の”言い回し”。もちろん、
他にも楽しいところを挙げればきりが無いのですが、当時の文化が生んだ粋
な言い回しや、現代では使われなくなった風情のある言葉が多いところがい
いんですよね。
例えば”心持ち”。「俺ぁ、こんなに酒をくらっていい心持ちだよ」などと
使われます。いい”気持ち”ではなく、”心持ち”。今ではあまり”心持ち”
という言葉は使われていませんが、この言葉、好きなんです。

”気”と”心”とどう違う?と言われてもなかなか難しいですが、辞書(大
辞林)で調べてみると”気”は、「生命・意識・心などの状態や働き。息。
呼吸。意識。物事に反応する心の働き。」などとあります。一方で”心”は
「人間の理性・知識・感情・意志などの働きのもとになるもの。また、働き
そのものをひっくるめていう。精神。心情」と。

まあ、正確な解釈はひとまず置いておいて、個人的には”気”の方には、何
か人間の意識を超えたものが含まれているような感じがします。大きな生命
の環のようなものや霊的なものなどですね。で、”心”はあくまでもその人
が持っているもの、感じるものではないかと。なので、落語の噺の中で登場
人物が”心持ち”と言う時、そこには何かその人そのものが表現されている
ように思えるのです。さらに、これは偶然かもしれませんが、落語でこの言
葉が発せられる時は、その本人が「楽しい状態」または「嬉しい状態」の時
が多いです。お酒を飲んでいい心持ち、褒められていい心持ち。いずれもお
酒やお世辞によって生じる心のありようなのかもしれませんが、本人がそう
感じた結果、さらに言えば本人がそう”感じようとした”結果の状態で、外
的なものによって強制されたものではない、そこはかとした”間”が何とも
見ていて楽しくなるんですね。
少なくとも、酒井法子容疑者が感じていたのは、”いい心持ち”ではなく、
単純に薬による”いい気持ち”だったのではないかと...。

・233落語ナイト:http://233rakugo.nobody.jp/

それでは今週の1本です。


<作品プロファイル>
・邦題:『グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版』
・原題:『LE GRAND BLEU』
・監督:リュック・ベッソン
・脚本:リュック・ベッソン他
・キャスト:ロザンナ・アークエット、ジャン=マルク・バール他
・公開/制作:1988年/フランス、イタリア
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:167分
・評価:★★★★★(評価内容については下記説明をご覧ください)

<ストーリー>
ダイバーとして実力のあるエンゾ・モリナリ(ジャン・レノ)は、ある日、
沈没船で行方不明になった生命保険会社のダイバー探しの仕事を請ける。見
事仕事を完遂し大金を手にしたエンゾは、弟に「あのフランス人を探せ」と
命じる。そのフランス人とは、幼い頃一緒に育ち、エンゾが素潜りの達人と
して唯一認めているジャック・マイヨール(ジャン=マルク・バール)のこ
とだった...。

<コメント>
90年代以降、フランスから世界を代表する監督に飛躍したリュック・ベッソ
ン監督の出世作。フランスでは『グラン・ブルー・ジェネラシオン』という
言葉を生み出すほどの熱狂的なブームを生み出しました。
”素潜り”という、人間の極限状態に挑む過酷な舞台で男と男の、そして男
と女の、さらに男と海の愛を描いた作品。
まず冒頭のモノクロながらスケール感のある映像とエリック・セラの透明な
音楽が印象的です。そして、導入部分が終わり場面はカラーとなり、エンゾ
役のジャン・レノの登場、海の青さ、ギリシャの白さを表現した映像を前に、
一気に作品に引き込まれてしまいます。

まるで兄弟のような絆で結ばれたエンゾと弟分のジャックの間に横たわる友
情と確執。そして、ジャックとアメリカ人女性ジョアンナを結びつける愛。
登場する3人がそれぞれに魅力的な人物であるところが本作の素晴らしいと
ころ。特にジャン・レノ演じるエンゾは、素潜りで世界記録を打ち立てる豪
快さもあれば、スーツでピアノを奏でる繊細さもあり、女のことを知り尽く
していながら母親には頭が上がらないという、数ある映画作品の中でも愛す
べき人物の一人です。ジャック演じるジャン=マルク・バールも、まるでイ
ルカの仲間のようですし、ジョアンナ・ベイカーを演じるロザンナ・アーク
エットにいたってはイルカそのもの。
ジャックとエンゾという二人のフリーダイバー(ともに実在の人物でフリー
ダイビングの記録合戦を繰り広げたジャック・マイヨールとエンゾ・マイオ
ルカがベースとなっています)の物語としても見られますが、やはりジョア
ンナの一途な愛の行方が切なく心に響きます。

ちなみに本作は、もともとカンヌで公開された『Le Grand Bleu』(英語版)
や、日本で公開された『THE BIG BLUE』(海外向け編集版で前述の作品より
12分短い)、『Le Grand Bleu/VERSION LONGUE』(本作。168分の長尺
版。人気再燃後に日本では『グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版』の
邦題で公開)など、さまざまなバージョンがありますので、見比べてみるの
も面白いと思います。

by DISK
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「評価」の★の数について

5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。
4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。
3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。
2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる?
1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。
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