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2009/03/27

フライデー・ビデオマガジン(No.387)

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「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン)  

         【 2009年03月27日号 No.387 】

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!!!今週ご紹介するのは『ベティ・サイズモア』
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<D-Column>
ちょっと前の話題で恐縮ですが、今月の8日まで日本橋三越で開催されてい
た写真展『土門拳の昭和』を見ました。
さすが”生誕100年記念展”というだけあって、会場は「戦中・戦後の仕
事」「戦後日本の歩みとともに」「風貌」「日本の美」の4つのテーマから
成り、初期の社会派作品から古寺を始めとする日本の伝統の美を撮った晩年
の作品まで、土門拳の歴史を一望できるラインナップ。平日の午前中だった
にもかかわらず、お客さんもたくさん入っていました。途中の映像コーナー
も毎回ほぼ満席。 

会場内のインタビュー映像か、もしくは何かの雑誌だったか、土門拳自身が
「ポートレート作品の中で誰が好きか」と聞かれ、「志賀直哉」と答えてい
た記憶があります。実際、同氏のポートレートも展示されていましたが、日
本人らしい静謐さと芯の強さを兼ね備えた素晴らしい表情でした。表情と言
えば、「筑豊の子どもたち」のるみえちゃんの切なさも強烈。久しぶりに写
真で泣きました。人物のポートレートでは、志賀直哉はもちろん、三島由紀
夫も圧倒的。三島由紀夫自身が構図を指示したんじゃないかと思わせる存在
感。いや、実際のところは知りませんが。カタログの中にある土門拳のエッ
セイによると。「気力は眼に出る。生活は顔色に出る」とのこと。すべては
顔に出る、ということなんでしょうね。
他にも戦争、沖縄、羽田、職人、古美術など、さまざまなレイヤーが織り成
すこの展覧会が提示する世界は、”昭和”ではなく、”日本”そのものでし
た。それが”古きよき”という文脈で語られる過去のものなのか、今でも私
達の体の中に脈々と受け継がれているものなのか、それはわかりません。し
かしながら、現代日本の礎とでも言うべきルーツが確実に垣間見れた展覧会
でした。

それでは今週の1本です。


<作品プロファイル>
・邦題:『ベティ・サイズモア』
・原題:『NURSE BETTY』
・監督:ニール・ラビュート
・脚本:ジョン・リチャーズ他
・キャスト:レニー・ゼルウィガー、モーガン・フリーマン他
・公開/制作:2000年/アメリカ
・ジャンル:コメディ
・上映時間:112分
・評価:★★★★(評価内容については下記説明をご覧ください)

<ストーリー>
カンザス州の田舎町に住むウェイトレス、ベティ・サイズモア(レニー・ゼ
ルウィガー)。夫は車の販売業を営んでいるが、ぐうたらで浮気者。一方ベ
ティは、昼の連続メロドラマ『愛のすべて』の大ファンで、いつか看護婦に
なって、ドラマの主人公デイヴィッド(グレッグ・キニア)のような素敵な
医師と結ばれる日を夢想している。そんなある日、夫が重大な事件に巻き込
まれる ...。

<コメント>
『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)や『シカゴ』(2002)などで圧倒的
な存在感を見せ付けた実力派レニー・ゼルウィガー主演のコメディ。監督は
ニール・ラビュート。悪役にモーガン・フリーマンとクリス・ロックのコン
ビ、友達役にクリスピン・グローヴァーなど、個性派俳優が脇を固め、過去
に類を見ない作品となっています。

まず、本作をコメディと一言で片付けてしまうには疑問が残ります。序盤、
レニー・ゼルウィガー演じるベティの悪夫が殺されるシーンの緊張感と当該
シーンはコメディのそれではありません。また、ベティが妄想の中に逃げ込
み、さまざまな人々とずれたやり取りを繰り広げる場面も、痛々しさが抜け
ず、心から笑うには至らないでしょう(おそらくアメリカ人であれば爆笑で
きるのだと思いますが)。
それでも、そのぎりぎりのところでやはり笑わせることが出来るレニー・ゼ
ルウィガーの演技の素晴らしさ、そして、それをサポートするかのように、
物語が進むにつれ、妄想を膨らませて行くモーガン・フリーマンのキャラク
ター作り。この二つのバランスがうまく取れているので、なぜかリアリティ
があるんですよね。昼メロの主人公デヴィッド・ジョージ役のグレッグ・キ
ニアのベタさ加減は純粋に笑えます。 

これだけ狂気渦巻く脚本をまとめ上げた監督の手腕はなかなかのものだと思
います。さすがに、ベティが己の妄想に気づく辺りから多少破綻の兆しが無
いわけではありませんが、先の展開を予測できない面白さや、強引ながらも
ベティの自立・成功の物語としてハッピーエンドに持って行くあたり、やら
れたっという感じです。コメディとサスペンス要素がうまく盛り込まれたお
得な作品。逆にレニーが昼メロにのめり込んだように、レニーの演技に入り
込めないとちょっとつらいかもです。
ちなみに本作は同年のカンヌ国際映画祭脚本賞に、レニー・ゼルウィガーは
ゴールデン・グローブ賞の女優賞(コメディ/ミュージカル)に輝きました。 

by DISK
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「評価」の★の数について

5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。
4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。
3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。
2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる?
1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。
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