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2009/03/13

フライデー・ビデオマガジン(No.385)

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「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン)  

         【 2009年03月13日号 No.385 】

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!!!今週ご紹介するのは『ぼくは怖くない』
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<D-Column>
今もなお、歴史を作り続けているロックバンド・U2の4年半ぶり、12枚
目のスタジオ・アルバム『No Line On The Horizon』がリリースされました。
まず印象的なのがそのアルバム・カヴァー。画面中央を左右に横切る水平線
と思しき風景写真のみのシンプルさ。さらにグレートーンがストイックさを
感じさせるこのジャケット、日本人写真家の杉本博司の連作「Seascapes」
(海景)のひとつとのこと。そりゃいいはずです。

プロデュースはブライアン・イーノ、ダニエル・ラノワ、さらにスティーヴ
・リリーホワイトと、最強の布陣。しかも、最初はリック・ルービンをプロ
デューサーに迎えて制作が開始されたものの、それらの楽曲は全てお蔵入り
させ、新たに作り直したとの事。気合入ってます。リック・ルービンのプロ
デュース作も聴いてみたいけど(笑)。

とあるインタビューで、ファースト・シングルの「Get On Your Boots」に
ついてギタリストのエッジが、「これ以上ないシンプルなギターってだけで
なく、パンク・ロック・コードだ。ラモーンズやバズコックスへの回帰だ」
と答えていました。確かに本作は全体的にロックを感じさせるかも。しかし
ながら、あいかわらず、クールな部分とウェットな部分のバランスが絶妙。
常に既存のファンを満足させつつ進化を遂げる”U2マジック”は今回も健
在。素晴らしい内容です。

ますます政治性を強めていくボノにとっては、世界の境界線はジャケット写
真のようになくなるべきものなのかもしれませんが、貧富の差を始め、あら
ゆる格差は広がる一方です。そんな時代に産み落とされた、攻撃的な音とポ
ジティブな歌詞に溢れたアルバム。U2の凄みが伝わってくる作品です。

それでは今週の1本です。


<作品プロファイル>
・邦題:『ぼくは怖くない』
・原題:『IO NON HO PAURA』
・監督:ガブリエレ・サルヴァトレス
・脚本:ニコロ・アンマニーティ他
・キャスト:ジョゼッペ・クリスティアーノ、ディーノ・アッブレーシャ他
・公開/制作:2003年/イタリア
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:109分
・評価:★★★(評価内容については下記説明をご覧ください)

<ストーリー>
1978年、記録的な猛暑に見舞われたイタリア。麦畑に覆われた丘の只中
にある、たった5軒の家からなる小さな村。10歳のミケーレはある日、遊
び場の廃屋で穴を発見する。その穴の中には少年が一人、繋がれていた。ミ
ケーレはあまりに恐ろしくて誰にも言えず ...。

<コメント>
『エーゲ海の天使』(1991)のガブリエレ・サルヴァトレス監督作品。イタリ
アの小さな村で起こった事件を主人公の子供の目線で追ったサスペンス・ド
ラマ。原作はイタリアで大ベストセラーとなったニコロ・アンマニーティの
同名小説。

このガブリエレ・サルヴァトレス監督はなかなか印象的な映像を作る人で、
長編デビュー作の『マラケシュ・エクスプレス』(1995)でもそうでしたが、
ハッとするような絵作りが多く、観る側の期待を高めてくれます。本作でも、
冒頭から黄金色に光る広大な麦畑、遠くまで澄み渡った青空、意味ありげな
廃墟、などなど、まるで絵画のような構図と映像が登場します。

そんな豊かな自然を身近に感じられる日常の中に突然登場する穴。そしてそ
の中に見知らぬ少年がつながれているというプロットがすでにサスペンスと
して勝利を収めていると言えます。監督の演出も上手く、主人公の少年が穴
の中につながれていた少年と最初に接触するところなど、ちょっとやりすぎ
の気もしますが、その辺のホラー映画より怖いかも。主人公の少年の目線で
物語が進むので、子供たちと大人の世界が対比され、また大人の世界が客観
視されるため、大人の異常さ、人間の狂気がリアルな距離感をもって伝わっ
てきます。

ただ、この監督の賛否が分かれるところかもしれませんが、イタリアらしさ
というような個性的なものはほとんど感じられず、いわゆるハリウッド的と
でも申しましょうか、いかにも”映画”的な質感がぬぐえないことがちょっ
と引っかかります。これは好みの問題だと思いますが、個人的にはリアリティ
が希薄に感じてしまい残念。子供たちのやり取りもどこか”映画的”。犯人
たちの描写もそうで、貧しい村に暮らす夫婦にせまる逼迫感や、犯人たちの
動機・人間関係についてもどこか説明的な気がしてしまいます。
少年の成長の物語としても弱さは否めませんが、全編を通して緊張感は保た
れているので、サスペンスとしては成功していると思います。

by DISK
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「評価」の★の数について

5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。
4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。
3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。
2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる?
1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。
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