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福岡では毎年「アジア映画祭」が開かれます。劇場での一般公開の予定がない作品が多く、一期一会となってしまいそうなすばらしい作品にたくさん出会いました。映画の感想をこのメルマガで書いていきたいと思います。

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2006/12/31

★福岡発アジア映画行き 第21号(佐藤忠男 映画祭ディレクター退任★★★

★福岡発アジア映画行き★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 
                                 第21号
                                             
                                            発効日2006年12月31日
                               発行部数      73部
                        発行人  Jun Rajini

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

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 今年(2006年)の「アジアフォーカス福岡映画祭」で、第一回から、アジア
各国を訪ねて上映作品を選んでこられた、映画評論家の佐藤忠男さんが退任
されました。
 映画祭の最終日の前日に、スタッフらしき人の断片的会話が偶然耳に入り、
それを総合すると、どうやら佐藤さんが辞められるらしいことに気づき、
驚きました。
 先日、朝日新聞の文芸欄に、九州各地の文化に関連した出来事について
「マル」か「バツ」で評価するという記事がありました。
 その中に「佐藤さんの退任にマル」と書いてあったのに驚きました。
 
 記事を要約すれば、

1 アジア旅行に行く人も増えた中で、映画を通してアジアを知るという
この映画祭はマンネリ化していた。
2 佐藤さんの退任に「マル」。長年の貢献に拍手を送り、新ディレクター
のもとでの、新しい風に期待したい。

 読んでいて、ひどい記事だなあと思いました。
 
1 アジアの国々の良質な映画は、日本での劇場公開にこぎつけることが
できない。なぜなら、興行的に黒字にすることが難しいからだ。だからこそ、
アジアの映画をこの映画祭で紹介していく重要性がある。

2 佐藤さんの取り上げる映画は、硬いテーマの作品が多いという声も聞く。
しかし、いわゆる「ハズレ」と思われるような作品はほとんどない。

3 映画上映後のティーチイン(監督と観客との質疑応答)を聞くと、映画監督
やゲストがどんな思いで作品をつくったのかがわかる。また、アジアの文化や
歴史などを知ることができる。

4 それと共に、アジア各国のフィクションは、文学も映画も、あまり日本では
紹介されていない。
 ハリウッド映画の多くに見られる、スカッとするが、見終わった後にあまり
感動が残らなかったり、問題提起があまりなかったりする作品と、この映画祭
で上映される作品は、まったく違う種類のものだ。

 以上のことから、記事を書いた朝日新聞の記者は、この映画祭の作品が放つ
メッセージを深く読み取れていないのではないかと思った。
 作品を類型化して、ああ、似た種類のテーマの作品だ…と判断してしまうの
であろうか。
 何しろ、映画祭に毎年来ている観客たちの声を聞いているようなフシさえない
のだ。もっとしっかり取材をし、作品を見た上で記事を書いて欲しい。
 ものごとに簡単に「マル」とか「バツ」とか書くのは、わかりやすくて、目を
ひきやすい。しかし、記事にコクがなくなるのだ。せめて、説得力のある記事を
書いて欲しいものだ、と思った。

 何はともあれ、佐藤さんの退任はとても残念だと思う。
 しかし、いつかこの日がくるのだとは覚悟もしていた。佐藤さんはすでに七十代
であるからだ。
 質疑応答の時に、佐藤さんはほぼいつも、ステージの上にゲストと一緒に立って
20〜40分間ほどの「ティーチイン」に応じていらっしゃった。
 来年の映画祭でも、佐藤さんの姿をお目にかかりたいと思う。
 また、新しいディレクターは、炯眼の持ち主であると僕は思う。
 なぜなら、11月に僕は偶然、新ディレクターが誰なのか知ってしまったからだ。
 福岡県筑後市での「高校生演劇コンクール福岡県大会」で、審査委員として
来られ、的確なコメントをされていらっしゃった。
 できれば、これからも、興行的には劇場公開は難しい、問題提起を観客につきつけ
る力のある作品をたくさん上映して欲しい。

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