2002/10/20
★福岡発アジア映画行き 第9号 【緊急告知】『光新たに』東京地区1回限り上映決定!★★
★福岡発アジア映画行き★★★★★★★★★★★★★
第9号
発効日2002年10月20日
発行部数 72部
発行人 Jun Uwo(うを)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
みなさん、こんにちは。Jun Uwoです。
【緊急告知】『Bagong Buwan(光あらたに)』東京地区
上映のお知らせ。
今年の『アジアフォーカス 福岡映画祭2002』で3度
上映をされ、好評を博した、フィリピン映画『Bagong B
uwan(光あらたに)』の東京上映が決まりました。現在
のところ、「光新たに」の上映が決定しているのは、「
第15回東京国際女性映画祭」のみのようです。
しかも、10月29日【火曜日】の15時から1回のみの上
映なのです。
どうして、よりによって、平日のお昼の上映なのかと
、恨めしい気分にもなりますが、ご覧になって、絶対に
損はない映画です。日本語字幕の他に英語字幕も出ます
。フィリピン第2の島のミンダナオ島では、イスラムと
キリストの紛争が600年以上に渡って続いています。イ
スラム文化を理解する上でも、大変貴重な映画だと思い
ます。深刻なテーマを扱っているのにも関わらず、とて
も観やすい映画です。一度観るだけで、ストーリーの90
%以上は理解できると思います。主演のセサール・モン
タノは、フィリピンで今、最も輝いている男優です。カ
トリック教信者の監督が、イスラムの人たちを取材して
、実際に、ゲリラ兵や、政府軍兵士、モロ民族(←イス
ラム教)の難民キャンプの人たちに取材をして、実際に
彼らが出演しています。ぜひ、ぜひ、ご覧になってくだ
さい。
●「第15回 東京国際女性映画祭」のサイト↓
http://ginnews.hb-arts.co.jp/021010/kokuzhi.htm
●『光新たに(Bagong Buwan)』の公式サイトも見つけ
ました↓
http://www.abs-cbn.com/starcinema/movies/bagongbuwan/index2.htm
英語で書かれていて、情報量もとても多いので、お時
間がある方は、ご覧になってくださいね。公式サイトが
英語でこれだけしっかり書けていて、フィリピンは英語
も公用語なのですから、ビデオには、英語字幕をつけて
くださいよ〜、と思ってしまいます。
前作『ホセ・リサール』は、当時約7175万人の人口の
フィリピンで400万人以上の動員を記録した、フィリピ
ン映画史上最大のヒット作となりました。
新作『光あらたに』は、フィリピン第2の島、ミンダ
ナオ島で、600年以上にわたって、現在も続いているイ
スラムとキリストの紛争について描いたものです。アバ
ヤ監督は、ローマ=カトリック信者ですが、綿密な取材
をして、政府軍や、モロ民族(イスラム教)の人たちの
多くを映画に登場させました。とても深く、広がりのあ
る映画です。
この作品は、2001年のフィリピンの「アカデミー賞」
にあたるところで、唯一の「Rate A」の評価を獲得した
作品です。「新作」なのに、「an immortal classic」
(訳すと、『不朽の名作』)と言う賞他合計6部門で受
賞をしています。
資源が豊富なミンダナオ島で、どうしてイスラムとキ
リストが、なかなか終わる兆しの見えない紛争を続けて
いるのか。イスラム教の一般民衆や、ゲリラ兵は何を考
えているのか、この映画を観るとかなり理解できると思
います。
【『光新たに』の受賞一覧】
An immortal classic in the local movie industry.
Best Actor for lead actor (主演男優賞)
Best Supporting Actor (助演男優賞
Best Child Actor (最優秀子役賞)
Best Theme Song (テーマソング)
Best Musical Score for Nonong Buencamino.(楽曲賞)
映画の詳細なあらすじは、東京での映画上映が終了し
た頃に、お伝えしたいと考えています。
この号では、「主な登場人物」についてだけ、お知ら
せします。
この部分を読むだけで、「あらすじ」の3分の1くら
いはわかってしまうので、映画をご覧になるとすでに決
めていらっしゃる方は、読まれない方がいいかもしれま
せん。
●主な登場人物●
【アフマッド】
主人公。モロ民族(イスラム教)で、長男。貧しい人
が多いモロ民族の中で、マニラ大学で医学を専攻し、医
者となる。キリスト、イスラムを問わず、誰でも人の命
を救うことが大事だと考える。妻はいる。ひとり息子は
5、6才の頃、政府軍の銃弾に当たって死亡。
『ムロアミ』、『ホセ・リサール』に続いて3作連続
で、アバヤ監督は、セサール・モンタノを主演男優に起
用。「マッチョだが、繊細な演技ができる数少ない男優
」とアバヤ監督は彼を評している。セサールは、昨年か
一昨年に結婚をしたそうである。ちょっと「しあわせ太
り」をした感がある。
【ムサ】
モロイスラム解放戦線のゲリラ兵。アフマッドの弟。
家を離れてゲリラ活動をしている。ミンダナオ島の資源
が政府やキリスト教勢力に搾取され、モロ民族が貧しい
生活を強いられていることは、武力でなんとかするしか
ないところまで追い込まれていると考えている
【ラシッド】…ムサのひとり息子。母親は、ラシッドの
出産直前に、政府軍の攻撃に当たって死亡。ムサがゲリ
ラ活動で家にいないため、アフマッドがラシッドを育て
ている。「勉学をして、収入の多い職業につき、モロ民
族のために尽くすべき」と考えているアフマッドを尊敬
しているが、ゲリラ活動をしているムサのようにゲリラ
兵になるべきではないかとも思って、葛藤している。
【フランシス】…キリスト教信者の7、8才位の男の子
。政府軍とゲリラ兵が、街で交戦状態となり、避難する
際に、両親とはぐれてしまう。ラシッドとの偶然出会い
、モロ民族の集落までついていく。「イスラムは野蛮な
人たち」と言う、祖母の教えをそのまま信じていた。し
かし、政府軍の攻撃で、住む村を失ったアフマッドやラ
シッド達と一緒に避難をする中で、たくさんの人が死ん
でいくのを目の当たりにしたり、モロ民族の人たちとの
直接の交流により、彼の心は変わっていく。
【ダトゥ=アリ】
モロ民族のある村の指導者。イスラムは心の平和を説
く宗教だが、外部からの攻撃に対しては、それを排除す
るための抗争は避けられないと考えている。ゲリラ兵達
が積極的に、テロを起こしたり、政府軍と激しく抗争を
すると言う立場を取っているのとは、一線を画す態度を
とっている。しかし、村は、政府軍に、ゲリラ達をかく
まっているのではないかと言う疑いを持たれ、周辺の集
落はことごとく焼き払われていく。ダトゥ=アリは、村
の人たちを守るために、どのような決断をするであろう
か。
私の記憶がただしければ、この俳優は、『海に抱かれ
て』で、子どもを何人も妊娠させ、主人公の母親と浮気
をして妊娠までさせてしまう好色な男を演じた人。存在
感のある演技ができる俳優だと思う。
【ジェイソン】
キリスト教の若い牧師で、救援物資を、モロ民族の集
落にトラックで運ぶボランティア活動をしている。師匠
の老人の牧師は、政府軍とモロ民族解放戦線の抗争の銃
弾で死亡してしまう。どちらの弾が当たったのかはわか
らないが、師匠の「私は、キリスト、イスラムみんなの
ために祈る」と言う教えを忠実に実践しようとする。
なんと、ジェイソンを演じた俳優は、『海に抱かれて
』で、主人公ペピートの親友を演じる、軽薄でちょっと
エッチな若者の役をした人と同じである。
【その他の登場人物】
他には、イスラム教信者の男を夫に持つキリスト教信
者の妻(夫は戦争で死亡。妊娠している)や、全イスラ
ム教勢力が政府の方針に従えば、イスラム教信者にとっ
ても悪いようにはならないと考えている政府軍の若い将
校。糖尿病にかかっているが、薬がない状態で避難をし
なければならない、アフマッドの母など、様々な人たち
が登場します。
この映画は、「家族」もテーマとなっています。女性の
登場人物も、とても重要な働きをしています。今回、
女性の登場人物について書かなかったのは、そこまで
書くと、映画のストーリーがすべて「ネタばれ」になって
しまう恐れがあるからです。機会を改めて、書きたいと
思います。
次回は、アバヤ監督がこの映画を製作した動機や、映
画を観るうえで参考となる背景知識について書こうと考
えています。
これから、ネタがつきるまで、メルマガを発行して
行きたいと思います。
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