2002/04/26
★福岡発アジア映画行き(第4号)『海に抱かれて』(その1)
★福岡発アジア映画行き★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
第4号
発効日2002年4月26日
発行部数 65部
発行人 Jun Uwo(うを)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
今回から、僕がこのメルマガで一番とりあげたかった映画を紹介します。
フィリピンのマリルー・ディアズ=アバヤ監督の『海に抱かれて』(英語
題 In the navel of the sea)です。(navel=へそ)
1998年の『アジアフォーカス・福岡映画祭』で、この映画は上映されまし
た。また、昨年の映画祭で、再上映されました。その他、愛知や東京など
各地で上映されました。
しかし、フィリピンの映画はなかなかロードショーにもならないし、
ビデオやDVDも国内では手に入れることができません。福岡市総合図書館
では、『アジアフォーカス・福岡映画祭』で上映された映画の大半のフィルム
をアーカイブとして保存しています。ただし、「館内上映ホールでのみの
上映の権利付」と言うことになっており、次にいつ再上映されるかもわかって
いないのです。
もし、DVDやビデオがあれば、「とてもいい映画だから、観てくださいね」と
友人たちに言えばいいし、自分でも何度も観ることができます。しかし、この
映画はそうはいきませんでした。
最初に観た時に、友人にこの映画のよさを伝えようと思いましたが、うまく
いきませんでした。そこでもう一度観ました。そして、昨年の再上映では、
メモをとりながら観ました。このメルマガをつくろうと思ったきっかけも、
この映画でした。
そこで、この映画がどのような作品であったか、できるだけ詳細に再現して
みたいと思います。何号かかるかわかりませんけれど。
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『海に抱かれて』 1998年 フィリピン
監督 マリルー・ディアズ=アバヤ
脚本 ジュン・ラナー
★主な登場人物★
ペピート …一人っ子の男の子
ペピートの父 …フィリピンのある小さな島に住む猟師
ペピートの母(マルリー)…助産婦をしています
グスティン …子だくさんの中年男性
マヤ …陽気な女の子。小さい頃から、街の生活にあ
こがれている。
タレ…マヤの母親。夫が浮気をしてマニラに逃げた。
アポ…島の呪医。島にある薬草を調合して処方したり、おまじないをして
病気を治します。教会の牧師でもあります。
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1
フィリピンには、約1万7000の島があります。スペインは、400年に及ぶス
ペイン支配のもとで、ローマ・カトリックの宗教を植えつけられました。フィ
リピンの人たちがスペイン語を学ぶことを禁じ、宗教で言語や風習の異なる
島々を束ねようとしたのです。
フィリピンがスペインから独立を獲得をした後、アメリカの支配が40年ほど
続きます。ここで、フィリピン人は、物質主義や合理主義を学んでいきます。
フィリピン人も、英語を話すことが奨励されたために、フィリピンの人た
ちは英語と言う、統一した言葉を獲得していきました。
しかし、厳格なローマ・カトリックの価値観と、功利主義的なアメリカの
価値観の葛藤が起こってきます。1950年代は、まさにそういう時代だったので
す。
(この段落は、2001年9月に『福岡アジア芸術文化賞』を受賞されたアバヤ
監督が『アジアフォーカス 福岡映画祭』で講演された内容の一部を要約
しました)
..2
舞台は、フィリピンのある小さな島。島の人たちは、小さなボートで、魚を
獲って暮らしています。ペピートの父もそうでした。ほとんど島の中での自給
自足の生活をしています。
島の誰かが妖精を見たと言いました。島では、妖精を見ると、不吉なことが
起こるという迷信がありました。
少年ペピートは、いまから漁に出かける父に向かって、波打ち際で話しかけ
ます。
ペピート:この時計、時間合っているの?
父 :ずっと止まったままさ
ペピート:どうして、こわれた時計なんてしているの?
父 :代わりがあるか。
そう言って、父は、いつものように漁に出かけました。
‥3
その日の午後のこと。黒い旗をあげて、帰ってくる船があります。誰かが
死んだのです。ペピートの父がさめに襲われたのでした。父の遺体は見つかり
ませんでした。
‥4
この島にあるものは、伝説と老人たちの迷信ばかりです。呪医アポが部屋の
四方に塩を撒いて、父の霊を出そうと、お祓いをします。ペピートは、父が月
で散歩をしている夢を見ます。
ペピート:どうして戻ってこないの?
父 :別れたがらないのはお前だ。
ペピートは、父を月で散歩させてやることにしました。
..5
ペピートの母親は、助産婦をしています。助産婦は、この島では世襲で、母か
ら娘へと技術を受け継いでいきます。島の子供は、みんな、ペピートの母が助
産をしたのです。
ですが、海を渡ったマニラでは、産婦人科もできています。しかし、貧しい
島の人たちは、
「町にも産婆がいるけどお金がかかる。ペピートの母ならお礼はバナナで
いい」と、みんな彼女に頼むのです。
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第2号にして初めてお便りが届きました。(第2号は5ヶ月前の話ですが・汗)
アーロンさんありがとうございます。アーロンさんの好きな、『マドンナ・アン
ド・チャイルド』もこのメルマガで紹介する予定です。
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