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なぜ、まぐまぐやヤフーは成功したのか? ビル・ゲイツ、孫正義の戦略は? なぜ、情報が無料なのか? 具体的な謎を解くことによって、ネット社会の原理を分かりやすく説明します。 【笑えるネット哲学者 諸野脇 正】

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2008/05/31

◆i哲学063◆インターネットはオリコンを倒せるか

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    インターネット哲学【ネット社会の謎を解く】 No.063
              2008.5.31. 諸野脇正@インターネット哲学者

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● すみません。いろいろありまして。逮捕はされていなのですが。(苦笑)
────────────────────────────────────

 発行が滞りまして、すみません。
 残念ながら、逮捕はされていません。(苦笑)
 しかし、いろいろありまして。
 捜査二課の津田氏とか。(笑)
 江東区との紛争とか。(笑)
 その他はあれ(ナイショ)ですね。(泣)
 しかし、復帰しなくてはならない事情が発生しました。
 東京地裁でオリコンに烏賀陽氏が敗訴したのです。
 個人だけを狙い撃ちにした異常な訴訟が認められてしまいました。
 これは批判しないとね!
 
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● インターネットはオリコンを倒せるか

                    諸野脇 正@インターネット哲学者 
                  【e-Mail】 ts@irev.org
                  【Web Site】 http://www.irev.org/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ 東京地裁が〈ジャーナリズムなど消えてしまえ〉判決

 オリコン訴訟で地裁判決が出た。

┌──────────────────────────────────┐
│ 烏賀陽弘道氏はオリコンに百万円を支払え。              │
│ 烏賀陽氏側の反訴は棄却する。                    │
└──────────────────────────────────┘

 烏賀陽氏敗訴である。誠に異常な判決である。
 だから、ブログで次の批判を書いた。

  ● 東京地裁が〈ジャーナリズムなど消えてしまえ〉判決を出す
    http://shonowaki.net/2008/04/post_39.html
 
 この判決は次の事実を示した。

┌──────────────────────────────────┐
│ 電話取材を受けコメントしただけで、訴訟を起こされ数百万円のお金を  │
│取られる可能性がある。また、出版社を訴えず、コメントした人だけを訴  │
│てもよい。                              │
└──────────────────────────────────┘
 
 これでは取材に答える人はいなくなる。つまり、ジャーナリズムが成立しなく
なる。東京地裁判決は〈ジャーナリズムなど消えてしまえ〉判決なのである。


■ 虚偽だらけの論法でSLAPP(恫喝訴訟)を容認

 東京地裁判決はSLAPP(恫喝訴訟)を認める判断を下している。つまり、
オリコンが個人だけを狙い撃ちにして、高額訴訟を起こしたことを認めている。
 しかも、その論法は虚偽だらけである。
 次の文章で批判した。
 
  ● 東京地裁・綿引穣裁判長のSLAPP(恫喝訴訟)容認論の虚偽
   http://shonowaki.net/2008/04/post_38.html
 
 綿引穣判決は虚偽だらけなのである。
 
 
■ 日本初のインターネット裁判

 綿引穣判決の虚偽はこれから徹底的に批判する。
 しかし、この文章では別の論点を論ずる。次の論点である。

┌──────────────────────────────────┐
│ インターネットはオリコンを倒せるか。                │
└──────────────────────────────────┘
 
 この裁判の特徴は〈個人が初めて本格的にインターネットを使って裁判を闘っ
ている〉ことである。この裁判は〈日本初のインターネット裁判〉なのである。
 
 
■ 水際だった烏賀陽氏のインターネット活用

 烏賀陽氏は見事にインターネットを活用している。
 まず、SOSをメールで発信した。

  ● 「オリコン」が烏賀陽個人を被告に5000万円の損害賠償訴訟
   http://www.ugaya.com/column/061219oricon.html

 このメールに呼応して多くのネットワーカーがオリコン批判の論陣を張った。
 私も次の文章を書いた。
 
  ● ジャーナリスト個人を対象にした高額訴訟の不当性 
             −−反SLAPPの論理 
   http://www.irev.org/shakai/oricon1.htm
   
 さまざまな団体からオリコンの訴訟を危惧する声明も発表された。
 
  ● 国境なき記者団(フランスのNGO)の声明
   http://www.ugaya.com/column/070210RSF.html
  
  ● 出版社の社長57名の連名の声明
   http://www.ohmynews.co.jp/news/20070410/6369
 
  ● 出版労連の声明
   http://www.union-net.or.jp/mic/seimei/frame.html
   
 支援団体も出来た。
 
  ● オリコン個人提訴事件を憂慮し、烏賀陽弘道氏を支援するカンパ活動
   http://d.hatena.ne.jp/oricon-ugaya/20070112
  
 SLAPP(恫喝訴訟)という概念も知られるようになった。
 
  ● SLAPP WATCH 
   http://slapp.jugem.jp/
 
 現在、烏賀陽氏はYouTubeを使って、オリコン訴訟の不当性を訴えてい
る。
 
  ● うがやテレビ
   http://www.youtube.com/ugayatv
 
 烏賀陽氏は、ただの孤立した個人ではなかった。
 世界と繋がっているネットワーカーだったのである。
 
 
■ 武富士が名誉毀損訴訟で負けたのは内部告発があったから

 インターネット上では、烏賀陽氏は圧倒的にオリコンに勝っている。
 しかし、東京地裁では負けてしまった。
 これには、いろいろな要因がある。しかし、一つ言えるのは、名誉毀損訴訟に
勝つことが非常に難しいことである。名誉毀損訴訟におけるメディア側の勝訴率
は3割を切っているのだ。
 武富士がSLAPP(恫喝訴訟)を起こしたことがある。この時、武富士は、
ほとんど訴訟に勝ちそうだったのである。言いがかりをつけるだけの滅茶苦茶な
訴訟だったのにも関わらずである。
 それでは、なぜ、武富士は負けたのか。内部告発があったからである。内部告
発によって、盗聴事件が発覚したからである。社長の命令でジャーナリストの家
を盗聴していたことがばれてしまったからである。
 内部告発が無ければ、武富士が勝っていた可能性もあったのだ。(注1)
 
 
■ オリコンの内部告発をインターネットは引き出せるか

 この訴訟についての私の第一感は次の通りであった。

┌──────────────────────────────────┐
│ オリコンはそんなにきれいな企業なのか。               │
│ オリコンのチャートはそんなに正確なのか。              │
│ そうでは無いだろう。だとすれば、やぶ蛇になるだろう。        │
│ 訴訟を続ければ続けるほど、オリコンにとって都合の悪い情報が出てく  │
│るだろう。                              │
└──────────────────────────────────┘
 
 この第一感は大筋で正しかった。
 例えば、次のような情報が出てきた。
 
  ● 元オリコン編集長が語る 「創業期はランキング操作をしていた」
   http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000006557
   
  ● オリコン訴訟問題について音楽業界関係者に取材しました
   http://xtc.bz/index.php?ID=400
   
  ● オリコンランキングは嘘だらけ 「予約枚数もカウント」店長証言
   http://www.mynewsjapan.com/reports/700
  
  ● オリコン集計担当者、Jポップチャート順位の"でっちあげ"を告白
   http://www.mynewsjapan.com/reports/732
   
  ● ソニーME元社長が証言 オリコンのチャート操作、働きかけ日常化
   http://www.mynewsjapan.com/reports/729
 
 これらを読むと、オリコンのチャートが疑わしく思われてくる。だんだん、オ
リコンが黒であると思われてくる。
 だから、訴訟を続ければ続けるほど、逆効果なのである。オリコンにとって都
合の悪い情報が次々と出てくるからである。
 

■ オリコンはインターネットに対する脅威

 この闘いは、「オリコン対言論」の闘いである。
 しかし、別の側面もある。
 これは「オリコン対インターネット」の闘いなのである。
 インターネットは内部告発を引き出すことが出来るか。オリコンを倒すことが
出来るか。
 そこで、呼びかけである。(笑)

┌──────────────────────────────────┐
│ あなたの周りにオリコンの社員の方はいませんか。           │
│ オリコンを辞めた方はいませんか。                  │
│ 内部告発、お待ちしています。                    │
│ レコード会社の方、販売店の方はいませんか。             │
│ 内部告発、お待ちしています。                    │
│(『MyNewsJapan』が内部告発を募集中です。Email:info@mynewsjapan.com)│
└──────────────────────────────────┘

 オリコンの行為は、インターネットにとっても脅威である。
 個人を狙い打ちにした訴訟が認められれば、同様の手法でブロガーを訴えるこ
とができる。全てのブロガーを狙い撃ちにした訴訟が可能になってしまうのであ
る。この点については、次の横山哲也氏の文章が論じている。(注2)
 
  ● ブログのリスク
   http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20080508/300931/
 
 オリコンの行為は、インターネットに対する脅威である。
 だから、インターネットはオリコンを倒さなくてはいけない。
 そして、インターネットはオリコンを倒せるはずなのである。

                   (2008.5.31.)


(注1)

 武富士の訴訟の実体については、次の本が分かり易かった。
北健一『武富士 対 言論』花伝社

 (注2)
 
 横山哲也氏には、私の文章を引用いただいた。
 感謝申し上げる。(あの。「諸野」ではなく「諸野脇」です。笑)
 
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 【筆者】     諸野脇 正 (しょのわき ただし)
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