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浜松市にある『BAR THINK』の案内マガジン。新着商品、イベント、カクテルの情報など…。バーを舞台にした小説『チロさんの背中』も好評連載中!!

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2007/10/28

BAR THINK 浜松店より

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                2007/10/28(No.100)

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 このメールマガジンはBAR THINK 浜松店より、新着商品、イベント情報などを
 いち早くみなさまのもとへお届けいたします。
 発刊周期は不定期です。
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≪お知らせ≫

◎窓ガラスのスモークフィルムを濃い色に張り替えます。(10月29日)
 外から見ると店内が暗く見えます。休業とお間違えの無いように!

◎小豆島産オリーブが入荷しました!

◎忘年会シーズンのご予約承ります。ご予約はお早めに!

◎スコッチ文化研究所会員&日本バーテンダー協会会員募集!
 詳しい情報を知りたい方、入会希望者はTHINKまで。

◎メルマガのレイアウトがずれて見える方は、http://help.mag2.com/115.htmlを参考に、
 等幅フォントに設定してご覧ください。

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◆               11月のイベント                ◆
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★酒味の会 11月4日(日)★

 毎月第1日曜日は新着のシングルモルトを開栓する日です。
 新しいお酒をいち早く飲みたい方はどうぞ!
 予約不要でどなたでも参加できます。

◎ポートエレン 1982 2007 25年 50% オールドモルトカスク 3000円

◎マッカラン 1973 2005 40% ゴードン&マックファイル 2000円

◎カリラ 1995 2005 9年 60.0% エイコーン 1200円

◎フィンラガン カスクストレングス 58% 1200円

◎クラシック アイラ 50% ケイデンヘッド 1300円

http://www.f2.dion.ne.jp/~absinthe/hamatop.htm#malt



★ボジョレーヌーボー解禁 11月15日(木)★

毎年11月第3木曜日はボジョレーヌーボー解禁日です。
14日(水)の深夜にご来店ください。午前0時に抜栓します。



★今月のおすすめカクテル★

 11月はカリフォルニア産『ザクロ』のカクテルです。

◎カリフォルニア産ザクロとカルヴァドスのショートカクテル

◎カリフォルニア産ザクロとラムのショートカクテル

◎カリフォルニア産ザクロとウォッカのロングカクテル

http://www.f2.dion.ne.jp/~absinthe/hamatop.htm#cocktail


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◆           連載小説 ≪チロさんの背中≫ 井口 豊           ◆
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第四十七話   〜ロブ・ロイ〜


 閉店間際のBAR chinkのドアが勢いよく開いた。
「チロさん、元気ぃ」
 明らかに深酔いした若い男性が、転がり込むようにして手近なレジにしがみつく。
 店内は、バーテンダーであるチロさん以外は誰もいなかった。
 整然と並んだスツール、窓に映る通りの外灯に窓際のテーブルが映えている。
 調理場の奥から足早にやってきたチロさんは、苦笑いを浮かべている。
「けっこう飲んでますね、サトっさん」
「そうだよー、今日は四件まわったもー」
「健康なのはよいことですよ」
 手を貸そうとしたチロさんの腕をすり抜けて、サトっさんと呼ばれた男はカウンタ中央
のスツールに腰掛ける。ネクタイが斜めを向き、赤ら顔がにんまり笑う。
「そろそろお店、閉めようなんて、考えてるんでしょ」
「まだ大丈夫です」
「なら、マンハッタンなんかいいねぇ」
 男の言葉に、チロさんの唇の端がわずかに引きつる。
「──酔ってますね」
「酔ってないっ」
 おしぼりを広げて手渡しながら、チロさんはわずかな間を置いた。
「それ以上、強いの飲むと、今日に響きますよ」
「だぁいじょうぶっ」
「それじゃ、こうしましょう」
 チロさんはできるだけ大きな声で、
「マンハッタンは、ベースのウィスキーをスコッチに変えると、ロブ・ロイというカクテ
ルに変わります」
「ほい」
 サトっさんはおしぼりで顔を拭きながら、話をうながす。
「ベースを、どのスコッチウィスキーに変えたか、当てること、できますか?」
 酔っていないサトっさんなら、簡単にわかるはずです、チロさんはそう付け加える。
「やらいでかっ」
「じゃ、ロブ・ロイ、いきますね」
 チロさんは満足気に頷きながら、カウンタに背を向ける。
「ちょっと顔を伏せててくださいね」
 バックバーから、五本のボトルを取り出す。
 ラベルを自分に向け、男には見えないようにしている。
 サトっさんはカウンタに顔を伏せ、小さな声で笑っている。
 チロさんは五本のうちの一本を抜き出し、氷を詰めたミキシンググラスに注いだ。
 続いてバックバーから別の一本を取り出して少量足し、アンゴスチュラ・ビターズを振
りかけて手早く、音なくかき混ぜる。
 ストレーナーをミキシンググラスにかぶせ、カクテルグラスを満たした。
 飾りになるマラスキーノ・チェリーを金色のピンに刺してグラスに飾り、サトっさんに
声をかける。
「ロブ・ロイです」
「よしっ」
 意気込む男は深呼吸すると、グラスを鼻先に寄せ、香りを確かめてから一口飲み下した。
 目を閉じ、目の前に並んだボトルの背を睨みながら、ふっと笑う。
「グラガンモアっ」
「ぶぶぅ」
 ミキシンググラスを洗っていたチロさんは、子供っぽく唇を尖らせる。
「やっぱり酔ってますね、サトっさん」
「んなこたぁないよ。次こそ」
「回答、三回までにしましょ」
 チロさんが強くうなずく。
 男は躊躇を見せながら、小さく顎を引いて承諾した。
 慎重にグラスを傾け、褐色の液体を口に含む。
 長い時間をかけて舌の上で転がしてから、
「カリラでしょ」
「違います」
 ストレーナーを片付けながら、チロさんは楽しげに微笑む。
 半分になったグラスの中身にじっと男は目を凝らす。
 鼻先で何度もロブ・ロイを揺らし、香りを確かめる。
 最後の回答とわかっているらしく、唇に流し込む液体の感触すら反芻するように意識を
集中している。
「──ローズバンク?」
「残念でした。もう三回目です。おしまい」
「ホントは、リトルミル?」
「言いません。ここまで」
「ボウモア…」
「サトっさん」
 空になったカクテルグラスに目を落としながら、
「答えは、次、お店にきた時教えます。今、ひどく酔ってますから」
「そんなぁ、気になるよ」
 チロさんは黙ったままチェイサーを差し出した。
 サトっさんは無言で受け取り、渋々口に冷たい水を流し込む。
「酔ってないのに…」
 男のつぶやきに、チロさんは小さくかぶりを振ってみせる。
「また今度、です」
「わっかりましたぁ」
 男の投げ出した口調に笑みで返しながら、チロさんはボトルを一本ずつ、バックバーに
戻した。
「気になって眠れないよ…」
 男のつぶやきは、チロさんに聞こえているはずだった。
 鼻歌を鳴らすその背中を眺めながら、男はまどろみに落ちていく…。


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