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浜松市にある『BAR THINK』の案内マガジン。新着商品、イベント、カクテルの情報など…。バーを舞台にした小説『チロさんの背中』も好評連載中!!

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2007/04/20

BAR THINK 浜松店より

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                2007/4/20(No.94)

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 このメールマガジンはBAR THINK 浜松店より、新着商品、イベント情報などを
 いち早くみなさまのもとへお届けいたします。
 発刊周期は不定期です。
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≪お知らせ≫

◎ゴールデンウィークも休まず営業!

◎クレジットカードが使えるようになりました!
 主要ブランド10社のクレジットカードが使えるようになりました。

◎本格チーズが入荷しました!
 白カビ、ブルー、ウォッシュ、シェーブル、ハード各種+自家製ソーダブレッド。

◎スコッチ文化研究所会員&日本バーテンダー協会会員募集!!
 詳しい情報を知りたい方、入会希望者はTHINKまで。

◎メルマガのレイアウトがずれて見える方は、http://www.mag2.com/help/r109.htm を
 参考に、等幅フォントに設定してご覧ください。

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◆                5月のイベント                ◆
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★酒味の会 5月6日(日)★

 毎月第1日曜日は新着のシングルモルトを開栓する日です。
 新しいお酒をいち早く飲みたい方はどうぞ!
 予約不要でどなたでも参加できます。

◎BRORA 30y.o 52.4% DISTILLERY BOTTLING

◎BOWMORE 1982 2006 24y.o 51.5% DUNCAN TAYLOR

◎CLYNELISH 1974 55.2% SCOTCH MALT SALES

◎GLENGARIOCH 12y.o 40% DISTILLERY BOTTLING

http://www.f2.dion.ne.jp/~absinthe/hamatop.htm#malt



★カクテル教室 5月9日(水)★

 毎月第1水曜日第1水曜日(午後7時〜8時30分)はカクテル教室です。
 カクテル作りにチャレンジしてみませんか?
 道具の販売、貸し出しも致します。受講料は3000円。
 第1水曜日が祝、祝前日の場合は、第2水曜日に行います。
 1回から参加できます。要予約。

 今月はゴールデンウィークのため第2水曜日に変更です。

 ◎第16期2回 シェイクをしよう!

 ※第16期生(4月〜9月)生徒募集!
  詳しくはお問い合わせください。



★スコッチ文化研究所浜松支部5周年記念パーティー 5月27日(日)★

日  時   5月27日(日) 13:30受付  14:00〜16:00

会  場   BAR THINK

会  費   会員5000円 非会員6500円

定  員   25名
       ※人数が大幅に増えた場合は会場を変更いたします。

内  容   ウイスキーを飲みながらの懇親会です。
        簡単なお料理もご用意します。ゲームなどをしながら楽しく5周年を祝い
             ましょう!

       ご予約はBAR THINKまで(要予約)



★今月のおすすめカクテル★

 5月は中国産『ライチ』のカクテルです。

◎中国産ライチとラムのフローズンカクテル

◎中国産ライチとピーチのフローズンカクテル

◎中国産ライチとレモンチェロのフローズンカクテル

http://www.f2.dion.ne.jp/~absinthe/hamatop.htm#cocktail


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◆           連載小説 ≪チロさんの背中≫ 井口 豊           ◆
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第四十一話 〜左端テーブル〜



「チロさんねぇ、自分の手で変えられないものって、あるわけじゃないですか」
 僕の愚痴に、バーテンダーのチロさんは苦笑いなしで頷いてくれた。
 左手でロックグラスの底を支え、中身の液体をバースプーンで弧を描きながら、無音で
引き抜く。氷が揺れ、透き通る小麦色の液体に浮かんでいる。
「ラスティ・ネイルです」
 チロさんが差し出してくれた。
 記憶に残る限り、五杯目のカクテルだった。
 ウィスキーと甘めのリキュール、ドランブイをあわせた、見た目も味も、好みの一杯だ
った。グラスに鼻先を近づけると、好きなスコッチの香りがした。チロさんのことだから、
多分、カリラを使ってくれている。
「高校、大学、って出て、地元の会社に就職出来て…ずっとこのままなのかなって」
 一口、口に含むと、じわりと柔らかな暖かみが喉の奥へひろがる。
 当たり前の、漠然とした不安が体中に溢れていたことを唐突に思い出して、かなぐりす
てたくなる。
 好きだったバンド活動は二年も途絶え、メンバーもバラバラ。互いの連絡先は携帯のア
ドレス帳に残っているけど、この二年の間に電話番号が変わっていることだってある。そ
んな不安に駆られてしまうと、確かめる気にはなれなかった。
「小さい頃からさ」
 僕はグラスを揺らし、氷を軽く鳴らしながら記憶を辿る。
「当たり前にやらなきゃならないこと、ずっと言われた通りに、当たり前にこなしてきて、
気付いたら、自分じゃ何も出来てなくて…」
 チロさんは、カウンタの調理場寄りに立ち、黙って聴いている。
 今が、週中の早い時間でよかった。
 そんな時間だから、chinkに駆け込んで、僕は洗いざらい、話してみようと思った。
 自分の中のものを、不安とも空白とも、言葉にできない焦りの塊を。

 入社式を終え、社内研修二週目の水曜日だった。
 これからの自分に、どうしようもなくかきたてられる不満があって、chinkに足を
運んだ。
 チロさんがグラスを拭く手を止めた。
「みんな、きっと不満です。私もそうですよ」
「ひとつの仕事にもそう、過ごす一日にも、明日にだって、満たされるものは、私にはあ
りません」
「そしたら…」ぼくは小さくつぶやいた。チロさんが同調するように頷いてくれた。
「我慢するひともいます。後悔し続けるひとだっています」
 説教くさくなりますが、チロさんはそう、気恥ずかしそうに断りをいれつつ、
「我慢しなくても、いいんじゃないんですか」
 いつものチロさんに、熱っぽさが加わる。
「サトっさんは、サトっさんです。思ったことが、サトっさんの本音じゃないんですか?
誰かの言葉じゃなくて」
 チロさんの言葉に、胸のどこかが満たされ、流れてていくものを感じた。
「それって……」
 僕は自分に言い聞かせる。
「誰か、じゃなくて、僕が、なんだ」
 カウンタの脇においていた携帯が、微かな緑色の着信ランプを点した。マナーモードに
しているので音は流れない。手にしつつチロさんに目で断りを入れ、相手を確かめてみる。
「健治…?」
 一緒にバンドで遊んでいた仲間だった。
 同じ大学を出て、今年から公務員になれると大喜びしていた。
 金髪だった髪を真っ黒に染め直し、苦労話をメールで知ったのが一月前。
 着信を受け取り、chinkのドアを後ろ手に閉めて話し掛ける。
「健治、ひさしぶり、どしたの?」
「ゴメンな、サトシ、もしかして、お前なら今ごろ、どこかで飲んでるかなと思って」
 少し頭にきた、仲間ということで黙ってやり過ごす。
「──飲んでるよ」
「俺らも混ぜてくれよ。あとメイとカツもいる。みんな、もう仕事っていうか会社ってい
うか、これから先のプレッシャーに耐えらんなくって、愚痴ってた、どうにもなんないよ。
お前どう? もうこっちはスーツとか、かたっくるしくてたまんないし」
「切っていい? 話長いし」
「わぁった、今ドコ。こっちは浜松駅前」
「第二通りのchink、知ってるっしょ。前一緒に来たことあるはず」
「知ってる、敷居の高い店ね」
「もち、ゴチかな」
「内容次第にしてよ。そいじゃあとで」
 慣れたテンポの会話だけで、胸が軽くなる。この感じが、とても懐かしかった。
 chinkの店内に戻る。チロさんが片目の眉を微かに持ち上げている。
「──僕の顔、何かついてます?」
「いえ、嬉しいこと、あったみたいですね」
「うん、今から、昔だべって遊んでたバンドのみんなが、ここに集まるって。いいかな」
「大丈夫です。だったらテーブルですね」
「ありがと」

 チロさんが空気の入れ替えのためか、窓を微かに開けてくれた。
 外の乾いた夜風が、店内の空気をなごませてくれる。
 チロさんに一言だけ、聞いてみたくなった。
「このラスティ・ネイル、カリラ、使ってます?」
 チロさんはまた片眉をあげてみせた。
「合いませんでした?」
「まさか、一番好みです」
 つい、ちびりと一口飲んで、確かめてみる。
 水気が増しても、ドランブイの甘さにカリラの残り香は、格別なものに思えた。


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