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自然災害科学と防災,災害情報を専門にする大学研究者である筆者の研究活動をレポート。筆者ホームページの更新情報、主要豪雨災害の調査報告、筆者の著作、行事紹介など。

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2009/10/08

[disaster-i News]2009/10/08 No.121

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 ●ある自然災害科学研究者の活動●[disaster-i.net News]
  2009/10/08 No.121
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【目次】
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■ 昨夜の報道ステーションに出演
■ 朝日新聞「オピニオン」に掲載
■ 自然災害学会を終えて
■ 産経新聞で報道されました
■ 狩野川台風の故地を訪ねて
■ 8月11日駿河湾の地震・速報会

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2009年10月 7日 (水)
■ 昨夜の報道ステーションに出演

 昨日10月6日のテレビ朝日「報道ステーション」に出演させてい
ただきました.内容は,豪雨災害時の避難行動や情報活用などにつ
いてのコメントです.

 収録された素材を編集していただいたもので,かつ私は実際には
放映を見ていないので最終的にはどのような内容になったのかは確
認していません.

 なお,私のコメントと挟んで,「浸水した中を避難するときは棒
を持って,長靴は危険なので運動靴で」といった「防災知識」が紹
介されたようですが,この「防災知識」は私が推奨したものではあ
りません.私の立場としては,「棒を持って運動靴で浸水した中を
避難しましょう」というメッセージになりかねないという懸念を持
っています.

 強調しておきますが,知識として最も重要なことは,

「流れのある水の中を無理して歩かない,車で突っ込まない」

です.棒を持ってとか運動靴でとかいうのは,二の次,三の次の知
識です.

 どうも,このような「すぐに誰でもできそうな簡単な防災対策」
というのが人気を集める傾向があると感じています.非常持ち出し
品の用意,避難場所や避難経路の確認などが代表例です.それらの
「対策」「ミニ知識」は,それぞれ「ウソ」というわけではありま
せん.しかし,「それぞれの人にとって本当に重要な対策・知識」
であるかどうかは,疑問であることも少なくないと思います.この
手のいうなれば小手先の「対策」で満足せず,災害に見舞われた際
の自分の姿を冷静にイメージし,その場所で,自分にとって必要な
対策とは何かを考えることが重要だと思います.

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2009年10月 3日 (土)
■ 朝日新聞「オピニオン」に掲載

 紹介が遅れましたが,9月24日付朝日新聞朝刊の全国面「オピニ
オン」欄に当方の記事が載りました.以下に引用します.

 寄稿のような文体ですが,実際には取材を受けて構成していただ
いたものです.繰り返し主張しているところではありますが,要は,
「使える情報は大いに充実した.しかし災害情報はあるだけでは機
能しない.どう使うか,使う体制作りが重要だ」という話です.

 では,どうする?,です,問題は.ここが模索中です.「防災に
熱心な個人」を育成してもあまり効果的ではないだろうし,まして
や国民全般の意識を底上げしようというのも,理念としてはともか
く,現実的ではない,というところまでは考えがまとまっています.
その先が,今まさに私の課題です.

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(私の視点)自治体と水害 専任の防災担当を育てよう 牛山素行

 降雨や川の水位などの情報を得ていても、自治体の避難勧告が遅
れることがある。山口県防府市では老人ホームのお年寄りが土石流
で生き埋めになり、兵庫県佐用町では川があふれて避難途中の人が
多数犠牲になった。どこに問題があるのか。

 水害や土砂災害の対策として、ダムや堤防強化などのハード対策
に加え、最近国や自治体が力を入れているのが、気象情報や川の水
位情報を集めて住民を避難させたりするソフト対策だ。気象庁は全
国1300地点で観測、国土交通省は河川の1900地点で水位を
観測、インターネットで流す体制が整っている。防災情報は住民に
利用されない限り災害を減らせないが、情報を提供する側も利用す
る側も、膨大な情報を手にしただけで「減災」できたような錯覚に
陥っているのではないか。

 災害対策基本法では、避難勧告をはじめ、住民に情報を伝える責
務が市町村に集中している。国や都道府県から膨大な情報を得て、
住民にいつ、何を、どう伝えるかを判断するには専門的な知識と熟
練がいるのに人材が決定的に不足している。

 昨年、全国の市町村の防災担当者にアンケートをした。水位など
の情報を日頃から見ていると答えたのは3割、見たことはあるも含
めると8割に達した。ところが、専任の防災担当者がいない自治体
が約3割、1人というのが2割あった。専任の職員が複数いる大き
な自治体でも担当者は普通2~3年で代わり、知識を蓄えるのは難
しい。国や都道府県が自らも含め、エキスパートを育てることが緊
急の課題だ。

 アンケートでは、避難勧告について、約7割が「空振りになって
も良いので出すべきだ」と答えたが、現実にはためらいがちだ。専
門家がいないこともあるが、空振りに対する批判への懸念、避難所
開設などに伴う費用を市町村が負担しなければならないことなども
要因となっているようだ。避難勧告を躊躇(ちゅうちょ)すべきで
はないが、国や都道府県がこうした費用を補助できないものだろう
か。災害対策基本法は、避難勧告の権限を市町村長だけに与え、都
道府県は情報提供にとどまっているが、緊急時には市町村に勧告す
るよう指導したり、自ら勧告できたりするよう改正してもいい。

 さらに大事なことは、住民が情報を受け取り、どう行動するかだ。
02年に水害にあった岩手県の旧2町村で行った調査では、避難勧
告を受けて避難した人は2割しかなかった。一方で、勧告が出るま
では避難しなくていいと思いこんでいる人も多い。佐用町役場自身
が被災し、救助どころでなかったように、行政任せにすることはか
えって危険だ。

 どこが危険かを地図で示したハザードマップ、雨量や水位などの
情報の整備とともに、情報提供者・利用者双方が災害情報を生かす
ため、それぞれの地域で専門的な知識を持つ技術者に加わってもら
いながら防災ワークショップを開いて話し合い、理解を進めてほし
い。

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2009年10月 2日 (金)
■ 自然災害学会を終えて

 去る9月29日~30日,京都大学において第28回日本自然災害学会
学術講演会が開催されました.当方からは下記2件の発表を行いま
した.

牛山素行,2009年7月21日山口県で発生した豪雨災害の特徴,第28
回日本自然災害学会学術講演会講演概要集,pp.33-34
http://disaster-i.net/notes/2009JSNDS.pdf

太田好乃・牛山素行,市町村役場における豪雨災害情報の利活用状
況について,第28回日本自然災害学会学術講演会講演概要集,pp.1
23-124
http://disaster-i.net/notes/2009JSNDS_ohta.pdf

 自然災害学会における,自然科学系研究者の影は,さらに一層薄
くなった観がありました.災害科学は総合科学であり,文理双方の
領域の研究者が取り組んでいく必要があります.「文」側からアプ
ローチする人の増加は喜ばしいことですが,かといって「理」側が
退場していくのでは何にもなりません.何か打開策はないものか,
真剣に考える必要がありそうです.

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2009年10月 1日 (木)
■ 産経新聞で報道されました

 9月23日付産経新聞(全国社会面)に当方の調査結果の一部が紹介
されています.以下に引用します.

 災害対策,ことに個人レベルの対策やソフト対策は,その「効
果」を示すことが極めて困難です.それらが重要ではないというこ
とはありませんが,イメージに流されるのではなく,冷静な見方が
必要だと思います.

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東海地震「過信は禁物」

 東海地震が「あす起きてもおかしくない」と指摘されて30年以
上が経過した静岡県。8月11日の駿河湾地震の被害は死者1人、
重軽傷者311人などにとどまり、「備えが進んでいたため被害が
少なかった」との指摘もある。ただ、地震の規模がマグニチュード
(M)6・5とそれほど大きくなかったことや、発生時間が早朝だ
ったことが幸いした面もあり、関係者は「過信は禁物」と警鐘を鳴
らしている。

 「今回の地震は主な揺れの周期が短く、屋根瓦に特徴的な被害が
出たのではないか」。19日に静岡県地震防災センター(静岡市葵
区)で開かれた緊急報告会で、静岡大防災総合センターの小山真人
教授は、今回の地震では周期が1~2秒で住宅に大きな被害をもた
らす「キラーパルス」と呼ばれる揺れが弱かったため、住宅本体の
損壊が少ない一方で、屋根瓦に被害が集中した可能性が高いことを
報告した。

 また県危機情報室の岩田孝仁室長は、「東海地震で想定される震
度6強~7の揺れは先月の地震とはレベルが違う。住宅の耐震化も
重要で、改めて東海地震に真剣に立ち向かう対策をお願いしたい」
と訴えた。

 静岡大の牛山素行准教授はインターネット調査の結果をもとに
「静岡県民の“備え”の実施率は、他地域に比べて飛び抜けて高い
というわけではない」との分析を示した。今回実施される林能成准
教授らによる学術的な調査によって、静岡県民の備えの実態と有効
性が明らかになり、今後へ向けた指針となることが期待されている。


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2009年9月27日 (日)
■ 狩野川台風の故地を訪ねて

 本日9月27日,伊豆半島北部の狩野川流域を巡検してきました.
静岡大学教育学部で開講されている,「地学野外実習」の一部で,
実施に協力している防災総合センターから案内者として参加したも
のです.

 主な訪問地は,伊豆市徳永の狩野川支川徳永川の床固群と砂防堰
堤,伊豆市筏場の崩壊跡地,狩野川放水路などです.

 なかでも筏場の崩壊はダイナミックで,川が尾根を破壊して別の
谷に流れ込んでいるという形態になっています.まさに,河川争奪
の現場です.現在は元の地形に戻されており,樹木の繁茂もあって
現地で見てもちょっとわかりにくいのが残念ですが.

 狩野川流域は,河岸段丘の発達もよく見られ,洪水災害について
学ぶには適地であると感じました.

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2009年9月19日 (土)
■ 8月11日駿河湾の地震・速報会

 静岡大学防災総合センターも参加している,「しずおか防災コン
ソーシアム」では,毎月「土曜セミナー」という定例講演会を開催
していますが,今月は「8月11日 駿河湾を震源とする地震 緊
急報告会」として開催されました.

 話題提供は,静岡県,静岡大,東海大などから行われ,牛山から
も,「静岡の「災害への備え」の実態は?~緊急アンケート調査の
結果から~」のタイトルで話題提供をさせていただきました.ここ
で話した内容は,,10月24-25日に静岡で行われる日本災害
情報学会でも発表する予定です.

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ある自然災害科学研究者の活動[disaster-i.net News]
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発行人:
静岡大学防災総合センター 准教授 牛山素行
http://disaster-i.net/
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