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職人の技と心意気、科学万能の世界でもまだまだまねの出来ない遺しておきたい技術、そして消えていく技術……

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2002/11/15

職人の遺してくれるもの消えていくもの

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               「職人の遺してくれるもの消えていくもの」

                         2002.11.15【第18誌】

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■話の目録
│ 
├─● 最新情報┬オーストリッチ財布特別販売【皮革製品卸 アバウト】
│       └そば屋の2階で演芸!?【江戸二八そば 寿々喜屋】
│
├─● 祭事情報┬納めの水天宮【水天宮】
│            ├義士祭【泉岳寺】
│       ├世田谷のボロ市【ボロ市通り】
│       └羽子板市【浅草寺境内】
│
├─● 職人長屋┬幻灯洋洋【ひとりごと】
│            ├手職で渡り歩く職人【助職人】
│       └店子【現代の職人さんからの不定期便】
│
├─● 食の職人─食の老舗をご紹介【今月の逸品 いのしし ももんじゃ】
│
└─● 忙中閑あり─大道の職人【時代と共に消えた 山雀のおみくじ】

◇最新情報

●オーストリッチ財布特別販売【皮革製品卸 アバウト】
皮革製品の卸販売をおこなっている有限会社 アバウトにて通常価格19,000円
のオーストリッチ皮製財布を、すべてコミコミ12,000円にて販売を行っており
ます。

皮革製品卸 アバウト http://e-sumida.gr.jp/about

●そば屋の2階で演芸!?

江戸二八そばの伝統を守り、今では毎月「変わりそばの日(毎週水曜)」を行
うなど、こだわりのそば屋。店主の趣味?で不定期ですがお店の2階の座敷を
利用した「演芸」を開催しています。終演後は「おそば」も出ます。

開演⇒11月21日(木)午後6時30分 札銭⇒前売り2,500円 当日2,800円
※限定50席

 江戸二八そば 寿々喜屋 http://e-sumida.gr.jp/suzukiya

◇祭事情報

●納めの水天宮【水天宮】

期間⇒12月5日(木)
場所⇒中央区日本橋蛎殻町2-4-1 水天宮
交通⇒地下鉄半蔵門・水天宮駅 
問合せ⇒水天宮 TEL 03-3666-7195

●義士祭【泉岳寺】

期間⇒12月14日(土)
場所⇒港区高輪2-11-1 泉岳寺
交通⇒地下鉄都営浅草線・泉岳寺駅徒歩3分
問合せ⇒泉岳寺 TEL 03-3441-5560

●世田谷のボロ市【ボロ市通り】

期間⇒12月15日(日)〜16日(月) 
場所⇒世田谷区世田谷1丁目付近 ボロ市通り
交通⇒東急世田谷線・上町駅徒歩5分 
問合せ⇒ボロ市推進事務局 TEL 03-3429-1829

●羽子板市【浅草寺境内】

期間⇒12月17日(火)〜19日(木)
場所⇒台東区浅草2-3-1 浅草寺境内
交通⇒東武伊勢崎線、地下鉄・浅草駅
問合せ⇒浅草寺 TEL 03-3842-0181 

◇職人長屋

●幻灯洋洋【ひとり言】

今月はお酉さまが開かれ、もうこの年も最終に近づいてしまったとしみじみと
感じるような歳になった。ちと、最近感ずること年々温かくなっている。
お酉さんの季節は耳がちぎれかと思えるくらい寒かった。ここ数年来、そのよ
うな寒さを感じなくなったように思う。

世に言う地球温暖化なのか、気温は上がるが景気は上がらない、と、オヤジギ
ャグのように例えてみてもしょうがないが…
浅草から鳥越神社に向かう道すがら大きな熊手を抱えている人も年々減ってい
る。

これも、不景気の影響なのかと思う。熊手を作る職人さんたちも鳥越神社の近
くにはほとんどいなくなってしまったようで、これも時代の流れなのか、歳の
せいなのか。考えることも、老けてきたような…

●手職で渡り歩く職人【助職人】

「助職人」この言葉は知っている方も少ないのではと思います。今風に言えば
人材派遣業です。違うところは、専門職の職人であることと賃金も日払い、技
量によって、当然ですが、賃金も違う。現在も、この制度を今風にアレンジし
て運営をされてることを発見し驚きました。

ここでは、いつものごとく時間を戻しての話となります。昔は部門別に専門の
斡旋屋がありました。寿司屋、洗濯屋、日本料理屋と専業を得意とする業者が
あり、その中でまた人気のある職人は指名出来るようになっていたりしました。

別に、指名料などは無く賃金の手当が高いと言う違いです。ただ、最低限の取
り決めのようなものがありました。個人の例で書きますと、実家が洗濯屋です
ので、洗濯屋での職人さんの話とします。

実家では毎週3日位は助職人が定期的に来ていました。ここに来ていた職人さ
んはそれは見事な「いい仕事」をしてくれていました。私の父親がお気に入り
の職人さんで、朝も規定時間前から来てくれて夜も仕事が片付かないと黙って
残業をしてくれていました。

この職人さんの賃金の算出が独特なのです。1日のワイシャツの仕上枚数がラ
ンク付けになっていました。かといって出来高払いではないのです。
今と違い総てアイロンの手仕上で綺麗にたたんで襟に紙の芯を入れて1枚です
から大変です。

父親の心遣いで、賃金とは別に仕事が終わってから毎回、日本酒と夕飯を家族
みんなで取るのが職人さんとも家族とも楽しい時間でした。2年、3年と経過し
気心が知れて来るとよく父親は、固定(従業員)で働かないかと盛んに口説い
ていましたが、頑として助職人で通すと言っていました。

仕事の質、勤勉な姿、今でもよく覚えていますが職人の心意気は素晴らしかっ
たですね。家族の者が1人前の仕事が出来るようになり助職人を頼まなくなっ
た後も、正月や何か節目には必ず実家に顔を出してくれ楽しい話をしてくれて
いました。

自分の技術一つで渡り歩く助職人の世界、もっと書きしたためたいのですがま
た何かの時に寿司職人の話を書いて見たいと思います。

●店子【現代の職人さんからの不定期便】

【三世紀を生きた畳職人】

今年の10月4日に私の祖父であり、小宮畳店の創業者の小宮寛が102歳で
永眠しました。明治33年西暦1900年生れで3世紀に渡って、生きてきま
した。途中、関東大震災と東京大空襲で焼け出される度に家業の畳屋を復活さ
せてきました。

私が畳屋を継いだ事を喜んでくれた事を思い出します。手取り足取り優しく、
教えてくれ、職人としての厳しさはお客様から教えて頂いた事の方が多くあり
ました。そんな祖父も、若いころは厳しく、私の父は辛い事も多くあったそう
です。
そうしなければ、生活して行けなかった時代も有ったのでしょう。

祖父との思いでは多くありますが、なんといっても昭和58年に皇居、賢所の
畳替えを83歳の祖父を筆頭に私の父と叔父、私と従兄弟の三世代で仕事をさ
せて頂いたことです。それ以来、宮内庁の仕事を随分させてもらい、大嘗祭の
畳に繋がって行くわけです。小宮畳店としての誇らしい歴史の一つです。

祖父は晩年、茅ヶ崎の叔父のところ、やはり畳屋ですが、四世代の家族で賑や
かに暮らしておりました。今年の夏場に体調を崩し、最後は眠るようにあっ気
なく逝ってしまいましたが、一ヶ月ほどの入院で、直前まで話をする事が出来
ました。

平成不況に喘いでいる私たちの事を常に気に掛けてくれてた祖父でしたから、
畳屋として、年末の忙しくなる前に私たちのことを考えてくれたように絶妙の
タイミングで逝ってくれたような気がします。

今年の夏にはひ孫の同級生の前でゴザを縫って見せて、いろいろの質問ににこ
やかに答えていた姿は最後まで畳職人としての生き様を教えてくれました。お
年寄りは若い世代がお世話するだけの存在ではなく、家族の歴史、人生を教え
てくれる貴重な存在だと思います。

私の知っているお年寄りの多くは家庭や仕事で役に立っている事がこの上のな
い喜びとして、人の厄介になる事、非常に嫌がります。ですから、私はお年寄
りに必要以上に世話をやかず、いろいろやってもらったときには大いに感謝し
ています。ですが、たとえ、人の世話になるようになったとしても、人生を語
り、自分を主張して欲しいものだと思います。

これから、どんな時代が来ようとも、祖父が乗り越えて来たように変化に対応
しながら、めげることなく、おごることなく、家業と家族をしっかり守ってい
きたいと願っています。

有職畳 小宮畳店 http://tukuru.gr.jp/tatami

【メディアが取り上げる技術者】

荒川区で製缶工場を営んでいる友人が一昨年の世界缶コンクールでグランプリ
を獲得した事をメールマガジンに投稿した事が有るのですが、その後この話し
が一人歩きを始めている事が最近伝わって来ました。と言うのは、メールマガ
ジンの投稿内容がYahoo等に掲載され、これを見た、NHKや日本テレビから
取材の依頼が来たそうです。

また、友人の住んでいる荒川区の議会でも話題になり、下町の町工場の社長で
ある友人は少々戸惑っているようですが、私は、世の中が少しづつ変わり始め
ているのかなと思っているのです。

今の経済環境は、まだまだ当分続く状況と考えていますが、メディアもようや
く日本を支えて行くのは大企業ばかりでなく友人の様な町工場の社長が開発し
た技術が基になっているのだと本気になって取り上げ始めて来たのだろうと感
じています。

私が営んでいるバネ工場にも、小ロットではありますが、精度が高く、複雑な
バネや他社では手の出しにくいバネの受注が最近増えてきています。
職人として経営者としての友人や私、いづれも技術に支えられているかこそ生
きて行けるのだと確信しています。

楓岡ばね工業有限会社 http://www.kaedeoka.co.jp

◇食の職人

●食の老舗をご紹介【今月の逸品 猪料理 ももんじゃ】

創業280年、両国橋の袂にあるいのしし料理 ももんじゃ、建物の入り口近くに
本物猪がつるしてある始めてみる方は、本物とは気づかないかもしれません。
これからの寒くなる季節、いのしし鍋で栄養と暖を取るには最高かもしれませ
ん。ご主人の吉田会長(墨田区銘品名店会 会長)は、とても気さくでいまだ
現役で包丁を握っておられます。

いま、新たな修行が始まろうとしているのが「インターネットとパソコン」元
気はつらつまさしく「猪突猛進」いつもエネルギッシュな食の職人です。

交通:総武線 両国駅 西口 徒歩5分 又は 都営大江戸線 両国駅 徒歩8分

墨田区両国1-10-2 電話 3631-5596 

◇忙中閑あり

●大道の職人【時代と共に消えた 山雀(やまがら)のおみくじ】

山雀(やまがら)のおみくじ、温泉街の一角や大師さんの所などで営業してい
た、とても愛嬌がありよくもここまで芸を仕込めるものと感心していました。
竹かごの中には、小さなやまがらが入っていてお客さんが「おみくじ」の注文
をすると、おじさん(おばさんもいた)が鳥かごの扉を開ける。

すると、かごの中のやまがらがぴょんぴょんの跳ねながらはしごを橋のように
渡したところを起用に進み今度は模型(セット)の神社のような境内を歩きな
がら鳥居をくぐり鈴を鳴らして神殿の観音開きの扉をくちばしで開け中から
「おみくじ」を一つ咥えてもと来た道を歩きながらおみくじを届けてくれると
いうものです。

やまがらは一仕事終えると、確か記憶にあるのが「麻の実」だったと思うので
すが一粒ご褒美にもらえ、それを咥えて今度は自分のかごの中に戻っていきま
す。すべての演技が終えるころには、大勢の観客で囲まれています。
だが、肝心のおみくじはそれほど観客は頼んでいなかったですね。

今は、この芸をやまがらに仕込める職人もいなくなり伝説的な大道芸になって
しまったようです。

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◆発行     :毎月1回 15日配信
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◆編集・作成  :有限会社 アールネット
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