2009/08/22
秘伝-通算251号 250号「王道な物語を書きたい?」の反響
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・ ┃ [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール ┃ http://www.hiden.jp/ ┃ ┃ 通算251号 250号「王道な物語を書きたい?」の反響 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・ ◎○====ゼミが、熱い!===========================○◎ ◆この秋、博多で村松恒平と会う! 「文章ゼミ in 博多」 http://www.hiden.jp/semi/hakata.php 日時:2009年2009年10月4日(日) 場所:福岡・都久志会館 詳細:http://www.hiden.jp/semi/hakata.php ◆『文章王の掌編小説ゼミ』8月度 日時:2009年8月28日(金) 19時より 2時間程度 詳細:http://www.hiden.jp/semi-2009/ ※投稿締め切り 8月25日(火) ↑間に合う方は今すぐ! ◎○=============================================○◎ ┏━━━━━━━━━┳★ ┃<文章秘伝> 反響号 ┃- - - - - - - 【今回はQ&Aなしの号です】 ┗━━━━━━━━━┻★ 【長いお返事とQ&A】 今回は前回の質問者の方から、お返事をいただき、また長いお返事を書いてし まいました。今回は反響特集です。Q&Aのほうは、こちらでしております(文 章のことではないけれども)。このブログ、ますます中味が濃くなっておりま す。 『心が大事』「分際を知る」こと。 http://kokorogadaiji.jugem.jp/?eid=42 【時代は変わる】 今回お返事を書いて思ったこと。 小説というと、ほとんどライトノベルのことだと思っている人とは話が噛み合 う部分が少ないです。 僕はそもそもライトノベルを読まないし。 彼らの関心も「書く」ことではなくて、「小説家になること」にあるように思 います。 それについては、僕の話はさほど有益ではないでしょう。 今回は乗りかかった船なので、一所懸命書きましたが、我ながら、オリジナル ということについて、すでに書いたことの変奏のような気がしています。一度 書いて理解されないことは、何度書いてもすぐには理解されないでしょう。 同じことを繰り返し書くのはそろそろやめます。 次回からは、質問の選択や答え方で同じ内容になりそうなことからは少し距離 を置くようにします。 【10月博多ゼミ、ご参加ください】 ◆2009年10月4日(日) 第一部 13時~14時45分[文章ゼミin福岡] 第二部 15時~17時[講演・『心が大事』事始め] 第一部は、文章ゼミ。プロ編集者の感覚であなたの文章を読み解きます。ホン トのことをいうようにしています。でも、場は和やかなので、安心してご参加 ください。 第二部は、秘伝メルマガから『心が大事』へと発展したプロセスを紹介します。 現代人の心の危機とその対処法。言葉と心の関係などについてお話します。 質問なども受け付けます。心について正面から語る記念すべき初講演です。 ご期待ください。 そのあと、もちろん打ち上げ! おおぜいの方の参加をお待ちしております。 「文章ゼミ in 博多」 http://www.hiden.jp/semi/hakata.php 【いよいよちとくさんのアンケート】 アンケートシリーズ第三弾です。 ちとくさんの少年小説です。 ぜひアンケートご参加ください。 http://kasei.panda.chitoku.net/cgi-bin/enq3/qqq.cgi *お気に召したら、ちとくさんの少年もの小説集もどうぞ。 先生の知らない少年 http://texpo.jp/texpo_book/toc/3823/ 【それから本もお忘れ無く】 まだ買ってない人は! 『達磨』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4944098898/bunshounogakk-22 『火星パンダちとく文学』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4944098952/bunshounogakk-22 ************************************************* ■250号「王道な物語を書きたい?」の反響 ---------------------------------------------------------------------- 「王道な物語を書きたい?」の質問をした者です。 まずご回答を一読して、「おおっ!見抜かれている!」 と驚きました。 確かに私が小説を書きたいと思ったのはライトノベルを読んだからで、ライト ノベルを書きながら楽しくお金が稼げたら最高だな、と思っています。 短い質問からここまで察しがつけられるのも観察力ということになるのでしょ うか。 オリジナリティについて村松先生の著書や今回のご回答を読んで自分なりに解 釈をしてみたので、もし何かまだ見当違いなことを言っていたら、お手数です がご訂正願います。 オリジナリティとは、『個人的な経験に対し個人的に抱いた感情をもとに導き 出される主張・信念・表現の仕方。類義語:魂』 である。 感じたことが違えば、表現したいことも表現の仕方も違ってくる。それがオリ ジナリティだ、ということだと解釈しました。 オリジナリティをそういうものだとすると、周りの大勢の人間と同じような体 験をして、同じような感情しか抱いていない人はオリジナリティを出せないと いうことになります。 珍しい体験をした人間は、その分周りの人よりもオリジナリティを出しやすい。 では、たいして珍体験をしたことのない人間がオリジナリティを出すにはどう したらよいか? これに対する答えが、「心とか言葉とかいう畑を耕す」 ことなのでしょうか。 普段の日常生活においても自分の感情をよく見つめて、その感情を表すのに最 適な言葉を見つけるということが、畑を耕すということであり、そういう習慣 をつけることで自分独自のなにか(感じ方・主義主張・信念など)が現れてく るということでしょうか? 話が脱線しますが、私も現在“その他大勢”のひとりです。 しかし“その他大勢”で終わりたくないです。 時々自分が取るに足らない人間であると感じてとても悲しくなることがありま す。 子供のような考え方ですが、自分は“何か特別な存在”でありたいと思ってい ます。 小説を書くのも、何か特別な存在であることを周囲にも認めて欲しくてやって いるのだと思います。「ほら、俺はこんなことまで書けるぞ」 とか、「俺はこんな凄いことをできるぞ」 とか自慢したいというのが本心で す。 そして小説を書くこと自体もとても面白いと感じています。どうやって書くか、 どの言葉を選ぶかを吟味して物語を綴るのは時間を忘れるほどに楽しいことだ と思います。 そのため、 『すごく面白い物語を書いて世の中を驚かせたい。天才だ!とか言われてちや ほやされたい。楽しいことやって印税が入ってきたら最高に幸せ。じゃあ小説 家になろう!』 という思考回路が働いて今に至ります。 不純な動機かもしれませんが、それが私の本心です。そして自分はそれでいい と思っています。嘘の動機で行動するよりもずっとやる気が出ます。 なので、私は 『自尊心のため、お金のため、娯楽のために小説を書き、それ でなおかつ面白い物語を書いて大ヒットを飛ばすこと』 を目指していきます。 「夢から覚めなさいよ」 と言われるかもしれませんが、夢は叶えるものです。 そのためには何だってやる覚悟があります。 ご回答を強引に要約すると、『作品に魂を込めろ』 ということだと受け取り ました。 順番が逆かもしれませんが、上記の夢を叶えるために、魂を見つけて磨きをか けて作品に注入していきたいと思います。 長くなりましたが以上です。ありがとうございました。 ---------------------------------------------------------------------- ■村松コメント 要約されても少しも隙間は埋まっていないと思うけどね(笑)。 僕の言いたいことは、人は生まれたときから >“何か特別な存在” である、ということなのです。 競争を勝ち抜くことによって特別な存在になる、ということとは正反対のこと を言っているのです。 人は競争すれば競争するほど、特別ではなくなるのです。 世の中には「金がほしい」、という人がゴロゴロいます。いや、僕だって決し てお金は嫌いではありませんが、それはわざわざ人に言うことではありません。 したがって、ただ「金がほしい」と言われても、僕にとっては、その人には顔 がないのと同じです。 よくいるありふれた人。 その人が「そうではないのです。私だけが特別に金がほしいのです。私だけが 大金持ちになりたいのです。そのためには何でもします」と言われても、ます ますその人は誰でもなくなるのです。 「小説家になりたい」というのは、欲望の形において「金がほしい」というの と変わりません。「金がほしい」と自己紹介されても、「はあ、そうですか」 というしかないのと同様に「小説家になりたい」といわれても「はあ、そうで すか」というしかないのです。 しかし、「お金がほしい」より、「小説家になりたい」はずっと品がよく文化 的なことだと思われているらしく、僕は立場上、非常によく「小説家になりた い」と言われるのです。 「お金がほしい」という人でも、「アマゾンを探検旅行するためにお金がほし い」とか「お金を作って自分の気球で世界一周してみたい」「地球の砂漠化を 防ぎたい」などと言われたらその人に興味を持っていろいろ質問するでしょう。 人と人というのは、そういうところで出会うのでね。ただ「お金がほしい。お 金持ちになりたい」という人とは何も話すことがありません。 「小説を書きたい」でも、「子どもに生きる勇気を与えたい」「翻訳されて世 界中で読まれる小説を書きたい」とか、「『戦争と平和』のような大作を書き たい」とか、そういうことなら話の接ぎ穂があるでしょう。 そういうのを夢というのであって、「小説家になりたい」というのは、夢とし ても「はあ、そうですか」でしかないのね。つまり、夢として何のオリジナリ ティもない。 ただ自分の欲望を満たしたい、ということをいうなら、夢というきれいな言葉 で飾る必要はないのです。 僕はあなたが作家ではなく無名であり、競争を勝ち抜いていないから、ありふ れていると言っているのではないのです。 ライトノベルは、オリジナリティがなくても些細な味付けの差異があれば作家 になれるかもしれません(その要求水準がどのくらいの線なのか、ライトノベ ルをウォッチングしていない僕にはわかりません)。 しかし、仮にあなたが作家になってもありふれていることには変わりがありま せん。ありふれた作家が一人増えたというだけの話です。 作家でもつまらない人もいるし、作家でなくても面白い人もいる。 当たり前のことです。 だから、僕はこの件に関してありふれているとは言っても“その他大勢”とい う言葉を使っていません。 「作家になる人」と「その他大勢」ですか。 作家はたしかにあなたのいうように特別な存在である部分もあります。 しかし、その存在は「その他大勢」に支えられているのではないのです。 誰でも一人一人が特別な存在である、ということに支えられているのです。 まあ、いま時点でいくら言ってもわからないかもしれないなあ。 こうしてちっとも優しくないことを書いていても、「小説家になりたい」人は 後を絶ちません。焼け石に水です。それは小説にとっては悪いことではないで しょう。小説を書きたい人は、多かれ少なかれ小説を読む人でもあるわけで、 その裾野が広がるのはいいことです。 しかし、小説家になりたい本人にとっていいことなのかどうかは疑問に思って います。 でも、たぶんそこまでは僕が頼まれもしないのに口を出す領域ではありません。 「小説を書きたい」と自分の楽しみで書くのはいいのです。 そして、書いているうちにデビューすることを夢見るのもいいでしょうけどね。 「小説家になりたい」人になると、その最初の小説を書く楽しみがどこかに行 ってしまうのはひどくつまらないのです。 あなたの質問も、新人賞での評価に対する傾向と対策だったでしょう。 そこで自分の書きたい方向を調整しようとしている。 しかし、書く楽しみの濃い部分というのは、その質問を発したときに逃げてし まう種類のものだと僕は思っています。 小説家は自分の感覚の中で絶対に譲れないものと、多くの読者に喜んでもらい たいという要素の摺り合わせをする。その言葉以前の微細な摺り合わせ作業の 中に、オリジナリティは息づくのです。そこを手放してはいけない。 携帯小説とライトノベルが違うように、ライトノベルと僕が基準として考えて いる小説の感覚も違うと思う。しかし、最終的に作家が手放してはいけないも のは、共通な部分があるはずなのです。 魂は後から込めるものでも、見つけるものでもなくて、「いまここにある」も のなのです。自分の中心にあるもの。 それが人をして >“何か特別な存在” にするものです。 でも、魂といってもピンと来ない人がたくさんいると思うのです。 魂以前に心というものがよくわからなくなっている時代だから。 そういうわけで『心が大事』を僕は書き始めたのです。 いずれ魂について書くために。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・ ●質問募集● えー、皆様。村松恒平です。 質問は全てウェルカムです。 些細な質問/巨大な質問/マニアックな質問/初歩的過ぎる質問/鋭い質問/ 鈍い質問/くだらない質問/実際的質問/哲学的質問/個人的質問/普遍的質問/ 珍しい質問/陳腐な質問/具体的な質問/抽象的な質問/短い質問/長ーい質問 などなど、あらゆる質問をお送り下さい。 oshiete@hiden.jp 冒頭に「●質問●」と書いてください。 質問は無料です。送られてきた質問は、無記名とさせていただきます。 都合により、長さ、表現などをアレンジする場合があります。 また村松の著作などに流用させていただく場合があります。 ご承知おきください。 この企画の成否はひとえに質問にかかっております。 よろしくご支援のほどをお願いいたします。 ●感想等は、こちらにお送りください。お待ちしております。 fan@hiden.jp ---------------------------------------------------------------------- ●購読と解除● [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール は 下記の配信システムのいずれかによって配信されています。 まぐまぐ http://www.mag2.com/ [ID:0000068978] メルマ http://www.melma.com/ [ID:m00042072] 購読および解除は、ご利用の配信システムより 各自でお手続きくださいますようお願いいたします。 (※このメールに返信しても配信停止されませんのでご注意ください。) こちらのページでも購読/解除できます。 http://www.hiden.jp/free/mailmagazine.php ---------------------------------------------------------------------- [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール 通算251号 2009/8/22 発行 講師兼編集責任者:村松恒平 発行:文章学校 http://www.hiden.jp/ Copyright (c) 2001-2009 村松恒平 All Rights Reserved. 禁複製。 転載・紹介ご希望の方はメールにてお問い合わせください。 info@school.club.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・


