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2009/08/09

秘伝-通算250号 「王道な物語を書きたい?」

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┃ [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール
┃ http://www.hiden.jp/
┃
┃ 通算250号 「王道な物語を書きたい?」
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       『文章王の掌編小説ゼミ』8月度募集
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        時間:2009年8月28日(金)
           19時より 2時間程度
        場所:東京都豊島区目白3-2-9-4階
        料金:3,000円(1400字)or 4,000円(2800字)

       ◆課題「 水 」
        課題の内容に沿って、本当のことに
        嘘をまじえて書いてください。
        それが上達効果を生みます。
        ※9月以降は、課題フリー(なし)の予定です。

       ◆申込締め切り 8月21日(金)
       ◆投稿締め切り 8月25日(火)

       ⇒詳細Page http://www.hiden.jp/semi-2009/

  
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 ┏━━━━━━━━━┳★
 ┃<文章秘伝>ニュース┃
 ┗━━━━━━━━━┻★
  
【250号?!】

読者のみなさんありがとう。
おめでとう&ご苦労さん>自分

以上、祝福終わり。
長い道であります。300号のときには、飲み会します(いつだ?)。


【質問が増えました】

「心が大事」ブログを始めたことが刺激剤になったようで、質問があれこれと
来ています。この調子で質問が来るならメルマガの配信回数も増やしていこう
かな、と考えています。根性ないので、お約束はできませんが(笑)。相乗効
果でまた面白い形ができればいいと思います。


【ランキング6位!】

「心が大事」は、これを書いている現在人気ブログランキングのランキング6
位です! ジリジリ下がり中。みなさまの力でUP↑してくださるとうれしいで
す。
「心が大事」のほうから一日一回ランキングに行くと10ポイント入ります。

まだまだ全貌が見えない僕のライフワークです。応援してください。

心が大事
http://kokorogadaiji.jugem.jp/

人気ブログランキング
http://blog.with2.net/rank1152-0.html


【10月博多ゼミ、決行!】

◆2009年10月4日(日)
 第一部 13時~14時45分[文章ゼミin福岡]
 第二部 15時~17時[講演・『心が大事』事始め]

第一部は、ふだん目白でしか受けられないゼミを福岡で行います。多くの人に
参加してもらえるように「小説」という括りではなく、「文章」としました。
プロの編集者の意見を聞きたい方、どうぞ。

第二部は、『心が大事』の起点になった秘伝メルマガのことから話を始めます。
現代人の心の危機とその対処法。言葉と心の関係などについてお話します。
質問なども受け付けます。心について正面から語る初めての講演となります。
ぜひご参加ください。

そのあと、もちろん打ち上げ。
福岡でみなさんと呑めるのがいちばん楽しみ!

◆場所は天神駅すぐそばの都久志会館です。
◆申し込みは、hakata@hiden.jpまで。
第一部申し込み、第二部申し込み、通し参加、というようにタイトルをつけて
ください。
お名前(ペンネームがある場合はペンネーム)、性別、年齢の他、村松への一
言メッセージなど添えていただけるとありがたいです。

◆料金は第一部、第二部それぞれ4,000円です。当日精算です。
 通し参加は6,000円です。
第一部のみなさま、1,400字の文章、何を書くか考えておいてください。
投稿用ボードは準備中です。今回通常のゼミで行っている相互批評は行いませ
ん。
◆定員は24名です。お早めにお申し込みください。

また10月3日午後は、福岡にて個人セッションを受け付けます。ご希望の方は
メールでお申し込みください。

各種セッション
http://www.hiden.jp/session01/


【上野家ぱん駄、小噺名人に】

「正しい強盗のやり方」アンケート協力ありがとうございました!
おおよそ結果が出たようです。
8月6日現在、名人に15票48.4パーセントです。これはもう名人といってもいい
でしょう。辛辣なコメントもありますが、表現は平均値が問題なのではなくて、
好きな人が好きだったらいいのです。
アンケート、次回はちとくさんやります。

アンケート結果
http://kasei.panda.chitoku.net/cgi-bin/enq2/qqq.cgi?mode=kekka


【ゼミどうぞ!】

課題は「水」。
初参加でもすぐに溶け込めます。

http://www.hiden.jp/semi/



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●249号「何時間読んで、何時間書くか」反響●

質問者から。
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村松恒平 様
245号の質問をした者です。
ご回答ありがとうございました。
まさか、私のこんな拙い質問を答えてくれるのか、と感動して
しまいました。
私がこの質問をした理由は、1つのお話を書いていると他の本
を読むことが出来なくなってしまうからです。私は病気を患っ
ていて一日に使える時間は限られています。先生が以前、書く
ことと読むことは呼吸をすることと同じだと仰っていたので、
両立をしなくては、と思ってした質問です。書き始めると書く
ことが楽しくなってしまって読書を疎かにしがちなのです。
私自身とてもありふれたタイプの人間ですが0.01パーセントに
かけて、作家を目指していきたいと思います。
先生がこの質問をとりあげてくださったのはとても励みになり
ました。
本当にありがとうございました。
----------------------------------------------------------------------
*村松コメント

素直すぎる!
一見素直だけど、浅いところでしか受け入れてないでしょう?
いろいろなことを諦めて、行き所のない怒りを心に溜めていないかい?
言いたいことを言わないでやり過ごせるほど人生は短くない。

書いていて楽しいなら、書き続ければいいよ。
楽しいこと、夢中になれることは、すごいことだ。
作家になれるかどうかは計算づくではなく、神様が決めてくれるだろう。


●もう一つの反響●

以前セッションに来てくれた編集者の方から(一部抜粋)
----------------------------------------------------------------------
今回の質問は本当にショックでした。
あまりにもびっくりして、ついメールを書いてしまいました。

質問された方はまだ若い方なのかもしれませんが(そう願います)、
まるで受験勉強でもするような姿勢ですね。

マジメに受験法のマニュアルにそって勉強し、
優秀な成績を修めてきた方なのかもしれません…。
こういう考え方をする人が、
どうして小説を書こうと思ったのか、本当に驚きます。

こういう質問を見ると、
新たにブログを始められたのも納得です。


さっそくブログ読ませていただいたところ、
こんな文章を見つけました。

--------------------------------
恨みを爆発させたあと、どうもあの狂ったような姿は自分ではない。
自分は本当はきれいで、恨みは汚い。
汚いものは自分ではない、といって差別しているのです。
--------------------------------

こういう人は、本当に多いですね。
マジメな人ほどこうやって自分のダメな部分を否定して、
悩んだり苦しんだり、ひどいと心を壊してしまうような気がします。

(私などは、自分のドロドロした部分ほど面白いものはないし、
それが人間の面白さだと思ってしまうのですが…)

一時期、「自分探し」という言葉が流行ったのも
根本は同じだろうと思います。

どこかに本当の素晴らしい自分がいると勘違いしているんですよね。

メルマガにあった「心を平面的にとらえている」人
でもあるのかなと思います。


ちなみに、村松さまの表現しようとしていることは
理解しているつもりですが、「平面的」「立体的」
という言葉には少し違和感がありました。

心は「立体」というよりは、多面的、動的、流動的、重層的…。
うーん、難しいですね(苦笑)。

またブログ、メルマガとも読ませていただきながら
考えてみたいと思います。
----------------------------------------------------------------------
*村松コメント

今回の質問も前回と根っこは同じなのです。
今、小説書きたい人の7~8割くらいは同じタイプではないでしょうか。
多勢に無勢、焼け石に水(笑)。
そう思う部分もあります。

「心が大事」はおっしゃる通り、もっと根っこから掘り返してやろう、という
ことです。

心が立体というのは、もちろん比喩です。断片的な整合性しかありません。
でも、立体というイメージがないと、

>多面的、動的、流動的、重層的…。

ということも言えないのです。
脳科学ブームで、心の働きがすべて脳の反応に還元されかねない時代なので、
とりあえず、立体、と言ってみました。


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「王道な物語を書きたい?」




●質問●

「王道な(ありがちな)設定・物語展開・登場人物を使っても面白い小説を書
くことができるか?」
新人賞などではオリジナリティが強く求められる傾向にあると思います。それ
でも王道な物語を書きたい場合には、どのようなことに留意すれば、新人賞な
どでも高く評価されるのでしょうか?オリジナリティ云々は関係なく、読んで
みて面白いといえる作品ならいいのでしょうか?


●答●

これはオリジナリティというものが全くわかっていない質問です。

このメルマガでも、ずっとオリジナリティについて書いてきたけれども、あら
ゆる比喩を使って語っても、ちっともわからない人が多いのは、自分の中を探
してもオリジナリティというものが影も形も見つからない人が多いからだと思
う。

全然自分の中にないから、スパイスみたいに後からふりかけるものだと思って
いる。八角入れときましょうか、とか、山椒ふってみましょうかとか、違う味
になればオリジナルだと思っている人が多い。広告や商品開発の分野に「差別
化」という言葉があるけれども、この差別化と勘違いしている。

いや差別化には、きちんと根源から考える契機があるのだけれども、若い人の
いうオリジナリティは「ちょっとオリジナリティでもふりかけときましょうか
?」という風に聞こえる。
おぉ、器用なこといいやがる。ふりかけて味が変えられるものなら、ふりかけ
てみやがれ。

……と言いたくなりますね。


目先を変えるのはただの新奇性です。ノベルティとオリジナリティを勘違いし
ている。
オリジンというのは、起源です。起きた源。
あなたが小説を書きたいと思ったのはなぜですか?

「ライトノベルを読んだからです」

そういう人たくさんいますね。これにはオリジナリティがありません。
なぜなら、たくさんいてありふれているからです。
ありふれているものを書きたいのですか?

「お金になればいいです」

あなたはありふれたものを読みたいですか?

「読みたくないです」

では、あなたの読みたくないようなものは売れませんね。したがって、お金に
もなりません。

「では、どうすればお金になりますか」

それには、起きた源をもっと遡らなければいけません。
他の人との差異性が現れるまで。

以前、CSテレビで「就活の自己分析」の指導を頼まれたことがあった。
就活に自己分析という概念があるのは、何か変な気がするが、簡単にいうと、
自分自身を差別化してアピールしなさい、ということだ。
その人自身を「こういう人だ」と語るのに、面白い物語を作り出すことだ。

しかし、学生たちは差別化という概念もわからない。
同じような教育を受けて、同じようなテレビを見て、同じような考え方をする。
体験もせいぜいクラブ活動が違う、アルバイトが違う、というくらいで、みん
な同じ。書くことも類型的。

つまり、全く差別化できない。オリジナリティもない。
 話をしても出てこない。僕の指導は使用前、使用後があまり変わらない冴え
ない物になりました。

添削しようにもネタがない。五~六人まとめての指導だったので、それが限界。
たぶん、一人一人に「ご両親はどんな人?」とか、「小さい頃はどんな子ども
だったの?」と二時間くらいインタビューすればささやかな差異の物語を作り
出せたかもしれない。
でも、テレビの企画の時間の枠でそれはできなかった。

一人一人に大差がないのです。企業として選ぶとっかかりがない。

同じアルバイトをしても、クラブ活動やスポーツをしても、何を感じ、何を学
ぶか、というところを聞きたいのですが、「やってました」「責任感がつきま
した」と何の個性もない言葉しか出てこない。

何か感じているはずだ、と思うけれども、いろいろゆさぶってもユニークな言
葉は出てこない。
ふだん、心とか言葉とかいう畑を耕していないから、ペンペン草くらいしか生
えていない。
それは、本人たちを責めるというより、そういう教育であり、世の中だよなあ、
とつくづく思うのです。

で、今回の質問も全く同じ世代のものなのです。
そもそも自分自身や自分の物語に世間と何の差異もないけれども、どうやって
差異を作り出したらいいでしょうか? ということなのです。

王道とオリジナリティという言葉を、対立項のように持ち出していますが、こ
れがそもそも違うのです。

これは音楽の世界を見れば、一目瞭然です。
亡くなった忌野清志郎や、桑田佳祐を見てください(僕の世代だとそういう例
になります)。
はっきりした差異性を持って、その人自身である。
これがオリジナリティです。

ロック、その源流たるブルース。これは王道です。決まり切ったリズムとコー
ド進行。王道であるからこそ、オリジナリティが問われます。

オリジナリティは、どこから来るか。
一つは自信を持って、その人自身であり続けるために戦うこと(取材したこと
がありますが、桑田佳祐だって、最初はたいへんな世間の無理解と戦ったので
す)。
もう一つは、先駆者に対する熱いリスペクトです。

起源性とは遡ることです。
個人においては、自分がなぜ生まれてきたか、というソウルに遡る。
もう一つは、ロック、ブルースの歴史とつながって、その精神を遡っていくこ
と。

最近の小説を就活と勘違いしている人たちは、まず自分というものがない。ま
して、ソウル(魂)なんて考えたこともない。
先駆者に対する愛や、憧れや、熱がない。したがって、歴史とも接続しないの
です。

まあ、要するに金がほしいだけなのです。
ロックンローラーだって、金がほしいとか、女にモテたい、という欲望は必ず
傍らにあると思いますが、それだけで大成した人はいません。
違うサムシングを持ってないとダメです。

オリジナリティがなくても面白い小説が書けて、商品として採用されるか、と
聞かれたら、僕は「絶対無理」、と答えます。

しかし、ライトノベルや携帯小説の世界は知りません。
「ここに何のオリジナリティもないけれども、面白くて売れているライトノベ
ルがあるじゃないか!」と言われたら、そうかもしれないと思うでしょう。
しかし、まあそういうことに僕は何の関心もないのです。
それは、ご自分で研究してください。

「誰でも小説が書ける」でググってみてください。
現在48万件ほどひっかかります。
そこには、たぶん魂もオリジナリティも出て来ません。
そこに書いてあることを学べば本当に小説家になれそうかどうか、よく考えて
みてください。

あなたのような作家志望は、世の中に100万人くらいいるかもしれません。
あなたの言っている王道というのは、つまり類型ということです。100万人の
類型的な人たちが、100万の類型的な物語を生産しているのです。
それを自分の楽しみとするのはいいですけれども、ほぼ全員が作家になりたい
わけです。
そこから抜け出して、目立つにはどうしたらいいと思いますか?
あなたが編集者だったら、新人を探すのに100万の類型的な物語を読みますか?

ライトノベル自体が非常に類型的な物語ですので、かえって差をつけるのが難
しい。トレンドも刻々と変わっていきます。
そこに自分自身の工夫や主張を持ち込めない人は、作家にはなれません。

魂も心も動かさなくても、せめて自分の頭くらいは使わないといけないでしょ
う。

「誰でも小説が書ける」という本に書いてあることは、ブルースのコードはこ
うで、リズムはこうだ、ということです。なるほど、ブルースというのは、類
型なんだ、と納得して、それらしいものは弾ける。
しかし、それはブルースではない。

アメリカの偉大なブルースマンたちには、プロになっても、コードを知らない
人、楽譜を読めない人がたくさんいました。

彼らは自分のソウルから始めた。そして、自分なりのテクニックを身につけた。
しかし、今の日本の作家志望者たちはマニュアルから始める。
それをある程度身につけて、次にすることは、次のマニュアルを探すこと。
いつまで経っても、自分のハートにもソウルにも降りていかない。

マニュアルというのは、つまりマクドナルドなのです。仕事を誰にでもできる
ようにするためにある。

マニュアル通りにすれば誰にでも書けるような「小説」というものがある。
誰にでも書けるような小説を書いて作家になることを夢見ている人がいる。
そういう人が100万人。

いつまでも夢から覚めない。



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えー、皆様。村松恒平です。
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などなど、あらゆる質問をお送り下さい。 oshiete@hiden.jp

冒頭に「●質問●」と書いてください。
質問は無料です。送られてきた質問は、無記名とさせていただきます。
都合により、長さ、表現などをアレンジする場合があります。
また村松の著作などに流用させていただく場合があります。
ご承知おきください。

この企画の成否はひとえに質問にかかっております。
よろしくご支援のほどをお願いいたします。

●感想等は、こちらにお送りください。お待ちしております。 fan@hiden.jp

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