2009/03/03
秘伝-通算243号 「ジャンルは足かせ?」
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・ ┃ [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール ┃ http://www.hiden.jp/ ┃ ┃ 通算243号 「ジャンルは足かせ?」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・ § § [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール」 § 〓書籍版金言集 No.007〓 § § ☆★☆------------------------------------------- § § § § 文学というのは、 § 永遠に結論を保留するための形式なのです。 § § § § -------------------------------------------☆★☆ § § 『秘伝 <プロ編集者による>文章上達スクール (1)』 § 431ページ・【質問】小説のテーマ より § 書籍紹介⇒http://www.hiden.jp/hidenbook/-1.php § ┏━━━━━━━━━┳★ ┃<文章秘伝>ニュース┃ ┗━━━━━━━━━┻★ 【もうすぐ春ですねー】 これを書いている今日はちょっと寒いのですが、そろそろ春の気配ですね。世 間は不景気であったり、みんな忙しかったりします。でも、そんなときこそ、 気合いを入れてお花見をしたい! などと燃える今日この頃であります。 (お酒を飲むときは風邪薬は控えましょう!) 【『読めない書道』3月15日】 参加者が少なく、存続が危ぶまれている『読めない書道』ですが、面白い世界 が見えて来そうなので、3月もやります。15日、日曜の14時30分より。 習い事というより、自分自身が筆を使って即興ライブをやるつもりで来てくだ さい。 『読めない書道』 http://art.hiden.jp/shodo/ 【『言葉のクロッキー』は休止です】 昨年4月から2月まで続いた『言葉のクロッキー』。参加者の方、完走おめでと うございます。参加人数のわりに手間がかかるので、来期は休止です。またい ずれなんらかの形で復活させると思いますが、とりあえずお休み。 【『掌編小説ゼミ』から作家デビュー!】 『掌編小説ゼミ』から、最も古株で最もユニークな三人組が四月に小説デビュ ーします。題して『火星パンダちとく文学』。火星紳士、上野家ぱん駄、ちと く、という三人です。アンソロジーや全集でもないのに、一冊の小説集が三人 の著者というのは、なかなか珍しいと思います。僕もひさびさの編集者で燃え ています。 そして、初の装丁デザインも手がけるつもりです。 かなり変な本になります。ご期待ください。 なお、三人が共同ブログを作りました。 主に上野家ぱん駄のダジャレが載っています。 3人の写真も載っています。 本当にくだらないです。 2009年とは思えない。 時代を超えてくだらない、まさに駄洒落です。 未確認迷惑ブンガク物体ブログ http://kasei.panda.chitoku.net/ 【というわけで『掌編小説ゼミ』】 ヘタな人ほど歓迎です。上手な人もそれなりに歓迎。 楽しいですよ。 この先しばらく月の最終金曜19時より開催です。 今月はお題はなし。自由に書いてください。 『掌編小説ゼミ』 http://semi.hiden.jp/ ************************************************* 〜通算242号 ●「『したい』と『する』の間」の反響 ---------------------------------------------------------------------- 「したいことをしたほうがいい」という言葉は深く響きました。 まるで僕のことを近くから見ていて、指摘されているのだと感じるほど、僕自 身にも当てはまっていました。 僕はときどき思うのですが、最近の日本は「したいこと」ができなくなってき ている社会構造になっている気がしてなりません。 まず雇用環境の悪化があります。派遣切りや人員削減、倒産、氷河期、格差な どの言葉を目にしない日はありません。 「したいこと」とは基本前提としての日常生活があってのものであり、日々の 生活の糧を欠くようでは「したいこと」もできないと思うのです。明日の食事 や住居が脅かされる中で、それでも「したいこと」を追い求めていけるものか? もし僕がそのような状況に追い込まれたら、日々の生活で手一杯になってしま う気がします。想像でしかないですが。 それに加えて、情報や物が氾濫しすぎて、自分の「したいこと」が分からなく なっているのではないかとも感じます。テレビやネット上には様々な情報や意 見が溢れていますが、洪水のような情報に満足してしまって、自分の頭でもの を考え行動する習慣を失くしてしまっている人が増えているのではないかと思 います。 また自然環境の悪化も影響があると感じます。都会には身近なところに自然が ありません。海や山といった自然に触れることは、日常生活の中で鈍りつつあ る感覚を取り戻すのにとても有効であるはずです。人工のものばかりに囲まれ ていると、無味乾燥な心になってしまうのではないかと、半ば本気で心配もし ています。鈍った心では、自分が何をしたいのかさえ分からなくなってしまう のではないでしょうか。 ここまで書いていて、日本の社会構造を嘆いているふりをして、結局は「した いこと」ができていない僕自身の言い訳をしているのだと気付きました。 僕も「したいこと」に全力投入できるように、今一度自分を見つめ直したいと 思います。 感想というより言い訳なので、メルマガに掲載してもらわなくて結構です。た だ、村松様に自分なりに感じたことを伝えたくなっただけですので。それほど 村松様の言葉は心によく響きます。 ここ最近、立て続けに質問や感想を送ってしまい、ごめんなさい。きっと「し たいこと」をしていなくて、鬱々としているのです(涙)。 それでは、これからもお仕事頑張ってください。 ---------------------------------------------------------------------- ●村松コメント 掲載してもらわなくて結構です、と書いてあるけれども、掲載しては困る、と は書いていないので載せてしまいましたよ(笑)。 あなたもわかっているように、したいことができない理由を挙げていけば、き りなく上げられるのです。 しかし、「する」ということは一つしかない。それで「する」と決めればでき るんだよね。 ただ決めないであれこれ考え始めてしまうと動けなくなる。 生きるということはじつはある面で単純なことなのだけど、行動しないで考え ていると、その単純な姿がどんどん見えなくなってしまう。 行動するといっても、別に赤旗をふってデモ行進をするとか、たいへんなこと をしなくてもいいんだ。 映画を見に行くのだって、関心がある本を読むのだって、友だちと話し合うこ とだって、立派な行動だからね。 自分が心理的に無理を感じないことでいい。 すごく素朴なことでいいんだ。 そういう細かい手数を出して、あちこちに触手やアンテナを伸ばしておけば、 自分の好きな方向ににじり寄っていける。動き続けていれば自分の位置や方向 や能力について客観的になれる。 それが自由になる、ということの前提だ。 自由になることに最大限の優先順位を与えなさい。 ************************************************* 「ジャンルは足かせ?」 ●質問● 「ライトノベル作家や少女小説家、またはポルノ作家などの経歴が、別のジャ ンルの作家になるときに足かせになるか」ということです。 「携帯小説作家やライトノベル作家になって、ゆくゆくは普通の作家にステッ プアップしたいと思ってるんだけど、これは可能だと思う?」 というようなことを何人かの方から尋ねられ、わたしはその度「携帯小説作家、 ライトノベル作家、それ以外の作家、は別物だと思う」と返事をしているので すが。 つまり、ステップアップということではなく、そのジャンルで面白いもの、売 れるものを書けるのであればそれ以外の作家になることは可能だと思う、とい うことなのですが。 そこで疑問が一つ。昔は都市伝説のように「少女小説家はそれ以外の作家には なれない」というような話を耳にしていました。 これは文章力などの関係でそう言われていたのかな、と思っているのですが、 「普通の作家になるときに、少女小説家、ライトノベル作家、または特殊な (官能小説家やポルノ作家)であったという過去は足かせになる」と言うこと も実しやかに囁かれていたように思います。 実際のところ、少女小説家からそれ以外の作家に転向した例は少なくないです し、面白いもの売れるものを書ければ、過去の経歴は関係ないのかな、とも思 うのですが、実しやかに囁かれていたことには何か訳があるのだろうか、と思 いまして。 そういった、過去の経歴が一般的な文芸作家になるにあたり、足かせになると いうことはあるのでしょうか。 ●答● 足かせにはならないでしょう。 編集者は、節操のない生き物なので、そういうことにはっきりした区別はつけ ません。 読者は、もっとそういうことにはこだわりません。というか、読者はたくさん います。読者層は多層的で海のように広いので、前の読者は計算に入れずに別 の読者層と出会えばいいのです。 瀬戸内寂聴さんが匿名で携帯小説書いて人気を得たのは、いい例です(僕はこ の方の小説を読みませんが、これはすごいです。読者をつかむ技倆や、柔軟性、 勇気に敬服します)。 しかし、その出自を色メガネで見られないか、といえば、そんなことはなくて、 むしろ完全に色メガネで見られます。 編集者も読者も節操はないけれども、色メガネはさまざまなものを持っていて ときどきかけます。 つまり、足かせと色メガネは違います。 どんなに他人に色メガネで見ようと、本人がその色に染まる必要はありません。 しかし、残念なことに誰よりも色メガネで見てしまうのは、自分自身なのです。 自分で自分を色メガネで見てしまえば、うまく行かないときに、「やはり元の 小説に徹していればよかった」と思うでしょう。 元のジャンルのことで、少しでも差別されたり、心ない言葉を浴びたりすれば、 それで自信を失ってしまうでしょう。 要するに「ステップアップ」という言葉を使う時点で、そこには劣等感があり、 事態を難しくしてしまうのです。だから、おっしゃるように上下関係ではなく、 違うジャンルだと思うことが正しいのです。 もし瀬戸内寂聴さんが、携帯小説を書くことが「ステップダウン」だと考えて いたら、そこには大きな障害が生まれていたでしょう。そういう差別の相を超 えたところで一つの小説を書き上げたから偉いのです。 これは、小説に限りません。 どんなに他人が「あいつは駄目だ」といっても可能性がある。 でも、本人が「自分は駄目だ」と思ってしまったら、可能性が閉ざされるとい うことなのです。 自分で決めつけてしまったことが自分を不自由にする、ということです。 自由ということは、自分で自分を色メガネで見ないということなのです。 ************************************************* ◎○====2008年度最後のゼミです!=================○◎ ◆『文章王の掌編小説ゼミ』 3月度 時間:2009年3月27日(金) 19時より 2時間程度 場所:東京都豊島区目白3-2-9-4階 料金:4,000円(1400字)または 5,000円(2800字) 詳細:http://www.hiden.jp/semi-2008/ ◆申込み締め切り 3月20日(金) ◆投稿締め切り 3月24日(火) ※4月からは2009年度、ちょこっとリニューアル予定。 ◎○=============================================○◎ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・ ●質問募集● えー、皆様。村松恒平です。 質問は全てウェルカムです。 些細な質問/巨大な質問/マニアックな質問/初歩的過ぎる質問/鋭い質問/ 鈍い質問/くだらない質問/実際的質問/哲学的質問/個人的質問/普遍的質問/ 珍しい質問/陳腐な質問/具体的な質問/抽象的な質問/短い質問/長ーい質問 などなど、あらゆる質問をお送り下さい。 oshiete@hiden.jp 冒頭に「●質問●」と書いてください。 質問は無料です。送られてきた質問は、無記名とさせていただきます。 都合により、長さ、表現などをアレンジする場合があります。 また村松の著作などに流用させていただく場合があります。 ご承知おきください。 この企画の成否はひとえに質問にかかっております。 よろしくご支援のほどをお願いいたします。 ●感想等は、こちらにお送りください。お待ちしております。 fan@hiden.jp ---------------------------------------------------------------------- ●購読と解除● [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール は 下記の配信システムのいずれかによって配信されています。 まぐまぐ http://www.mag2.com/ [ID:0000068978] メルマ http://www.melma.com/ [ID:m00042072] 購読および解除は、ご利用の配信システムより 各自でお手続きくださいますようお願いいたします。 (※このメールに返信しても配信停止されませんのでご注意ください。) こちらのページでも購読/解除できます。 http://www.hiden.jp/free/mailmagazine.php ---------------------------------------------------------------------- [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール 通算243号 2009/3/3 発行 講師兼編集責任者:村松恒平 発行:文章学校 http://www.hiden.jp/ Copyright (c) 2001-2009 村松恒平 All Rights Reserved. 禁複製。 転載・紹介ご希望の方はメールにてお問い合わせください。 info@school.club.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・


