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2009/01/01

秘伝-通算239号  「子どもが本を読まない」

  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・
  ┃ [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール
  ┃ http://www.hiden.jp/
  ┃
  ┃ 通算239号  「子どもが本を読まない」
  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・

   
  § 
  § [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール」
  §  〓書籍版金言集 No.003〓
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  §  何か違和感とか、今の自分が知らない世界、
  §  理解できない世界があるという感覚、
  §  自分より高い存在があるという感覚が必要なのです。
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  § ------------------------------------------------☆★☆
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  § 『文章王 <プロ編集者による>文章上達スクール (2)』
  §  21ページ・【質問】文章は削るものか より
  §  書籍紹介⇒http://www.hiden.jp/hidenbook/-1.php
  § 


  ┏━━━━━━━━━┳★
  ┃<文章秘伝>ニュース┃
  ┗━━━━━━━━━┻★

【読者の皆様、あけましておめでとうございます!】

本年も秘伝メルマガをよろしくお願いします。2009年最初のメルマガをお届け
します。
今年は不況でたいへんな年になるかもしれませんが、精神は元気に行きましょ
う。経済と心は連動してはいけません。経済が崩壊してかえって人情や精神的
な価値がクローズアップされることもあるでしょう。
行き詰まった経済ではなく、新しい文化が世界をリードする年にしていきたい
ですね。


【今年こそは本を出します】

去年本当は4冊ほど本を出すつもりだったのですが、諸般の事情、というか、
ただ努力が不十分なために、全部今年に延びてしまいました。出す出すといっ
て出さなかった分、タメは相当にできたので、今年はこれを順次だしていきた
いです。秘伝の4も出さないとねー。お気に召す本がありましたら、ぜひ応援
してくださいね。


【書き初めは『読めない書道』】

1月18日(日)は『読めない書道』講座。それってどんなのだ? と思っている
方が多いでしょう。サイトを作りました。
http://art.hiden.jp/shodo/

表現というのは、精神が自由になるためにあるのです。それを書道という形態
で表したものが『読めない書道』です。今年は定期的に行っていきます。

 |日時   :2009年1月18日(日)14時より
 |場所   :東京・JR山手線目白駅より徒歩1分
 |      (お申し込みの方に詳しい案内差し上げます)
 |会費   :3,000円(道具は用意します。当日は手ぶらでお越しください。
 |      愛用の筆などがあればお持ちください)
 |お申し込み:準備がありますので、事前にメールでお申込み下さい。
 |      申し込み〆切は1月15日(木)とします。
 |      ◆送信要領
 |      [メールタイトル] 『読めない書道』申し込み
 |      [本文] お名前・年齢・性別・ひとこと(自己紹介など)
 |      [送信先] entry@hiden.jp

※予定がまだはっきりしないという方も、いちおう申し込んでおいてください。


【掌編小説ゼミは小リニューアル。お題が出ます】

掌編小説ゼミは自由課題でやってきたのですが、年末の『セックス特集』が面
白かったので、偶数月はお題を出すことにしました。1月は自由課題。2月のお
題は『仮面』です。

1月は30日(金)の開催です。新年から新しいチャレンジはいかがですか?
http://www.hiden.jp/semi-2008/


【質問は前回に続いて読書ネタです】

お正月、何か本を読む予定は? DVDやゲームもいいけれど、何か一冊は本を読
みましょう!


●前号「読むのが遅い」の反響●

反響1 まず質問者の方から
********
前号では質問に答えてくださり、ありがとうございました。
読むのが遅いからお前は本読みとして落第だ、という後ろめたさのようなもの
を感じていましたが、そうではないのですね。
これからは一冊いっさつ大切に読んでいくようにしたいです。

反響2 もう一人の方からの反響
***********
僕も読むのが速いほうではないので、いろいろな立場の人の本を見なければい
けないと急かされたりしていました。無理して急いで読んで本を読むことがつ
らくなってしまっては、本末転倒なんだなと思い至りました。ありがとうござ
います。


●村松コメント●

本を読むということは、まず第一に魂の体験として考えてもらいたいですね。
情報を得るとか、成功に導くとか、功利的な本が増えていますが、そういう本
は本当は卑しいんです。ちょっときつい言葉でいいますとね。でも、卑しいの
があまりに当たり前になってしまったから、誰も何も言わないですけど。



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「子どもが本を読まない」




 ●質問●

いつもメルマガを拝読しています。
質問が枯渇した、ということなので、つまらない質問でもかまわないかとおも
い、質問させていただきます。
 うちのむすめはまったく本を読まない、のはなぜか?
小さい頃に読み聞かせをあまりしなかったのが原因ではないか、とか、ビデオ
のほうが好きだったから、とか、本を与えすぎて興味がなくなってしまったの
か、とか、いろいろ考えてみるのですが、ひとりむすめだし、ほかの子どもた
ちと比較しても比較のしようがないし、彼女がふつうなのかもしれないとおも
ったりもします。

中学生になり、ちまたで話題になっていれば、漫画やそれに派生した小説を買
って読んでいるようですが、あるいは、ネットで話題になっている本やCDを
近所の本屋で買っているようですが、もしかすると、それくらいがふつうなん
でしょうか?わたしの子どもの頃が、ヘンだったのでしょうか?
漫画の発売日には本屋へ行き、映画化されているような本はたいてい誰でも読
んでいたし、それでも足りずに、好きな作家の本やベストセラー、専門書、そ
れでは飽き足らず、いつもおもしろそうな本がないか、意味もなく本屋を徘徊
していたような気がします。

今、学生街に住んでいるのですが、そうやって考えると、学生が本屋を徘徊し
ている姿というのも案外めずらしいし、それでいて、バナナダイエットが話題
になると、いっせいにバナナが売り切れたり、納豆騒動のときも納豆がなくな
っていたし、本屋でそういう品切れがでないのは、もしかすると本がリサイク
ルされているせいかもしれないし、興味があればネットで検索しているのかも
しれないし、立ち読みしている人なんて皆無ですね、今は・・・礼儀正しいと
いうか・・・

むすめと一緒に本屋へ行くのは、たいてい参考書を探しているときくらいで、
5分くらいで用事は終わってしまうし、「ほかにほしい本はないの?」と訊い
ても、一瞬考えるのですが、「いいや」で終わりです。
もっと言ってしまうと、この前、ネットの友達と森瑤子さんの小説が話題にな
ったのですが、もう発売されていないのでしょうか。そうやって考えて、むか
し母が読んでいたような本を探してみたのですが、母の年頃になってから読も
うとしてももう本屋には並んでいません。

日本のプロ野球がどうなっているのか、いつのまにかわたしにはまったくわか
らなくなってしまっているように、本屋へ行ってもまるで未知なる世界が広が
っていて、興味がないか、知らない、かのどちらか。そこでしかたなく売れす
じなどがランキングされているので眺めるのですが、ちょっと考えて、またに
しよう、という感じ。またにしよう、というのは、時間のあるときに、という
意味なんですが、案外忙しいのでヒマがない。
よい読者がいないのに、小説を書きたい人は増えているような気がします。で
も、何を書いているのでしょうか・・・村松さんのメルマガを読んでいても、
たまにわからないこともある。特に、ジャンルのことなど。だんだん偏りが出
来ているのかもしれないですね、好きな人は好きだし、興味のない人はない、
という具合に。

親として考えた結果は、もしかするとむすめのほうがふつうで、わたしの子ど
もの頃の感覚のほうがまちがっているのかもしれない、という気がしているの
ですが、どうなんでしょうか。


 ●答●

子どもが本を読まない。大人も読まない。読んでもジャンクな本やベストセラ
ーばかり。そういう嘆きをよく聞きますし、僕も同意しそうになります。

しかし、改めて質問でいただいてよくよく考えると、読書とはもともと選ばれ
た人の快楽であったかもしれません。
小学校のときのことを思い出してみると、本好きと言えるのは、40人のクラス
でせいぜい4〜5人であったような気がします。
しかも、その半数は「まじめだから本を読んでいる」という感じでした。当時
は読書指導というものがあって、読書は情操を育て、子どもを賢くするものと
して、学校や家庭でおおいに奨励されていたのです(今はどうなのでしょう。
かなりそういう機運は薄れている気がしますが)。

それに対して、僕は本に耽溺するタイプで、母にお前のは「溺読」だ、と言わ
れるくらいよくハマりました。ルパンやら(三世ではありません)ホームズや
ら、少年探偵団やら、三銃士やら、読み出すととまらない本の系列というのが
あるのです。
まじめな子の読む本は、小公女や、フランダースの犬や、クオレ、ああ無情と
だいたい決まり物があるのです。
僕も導入はそういう本でしたが、自分で学校の図書室を利用するようになると、
その手の本とはお別れして、上記のような江戸川乱歩の少年ものなどのシリー
ズにどっぷりとはまったわけです。
一冊の本を読み上げるまでの数時間は、この世ならぬ別世界を体験できる魔法
の時間でした。

今はゲームやDVD、携帯電話までが本のライバルである(もうすでに負けてる)
と言われています。ゲームやDVDもたしかに別世界に連れていってくれますが、
本は格別であると僕は思います。
僕にとっては、面白い映画より、面白い本のほうが面白いのです。
しかし、本の優越性を理論化しようとしても、もともと本が好きな人しか納得
しないつまらない話になりそうです。

だから、読書は限られた、選ばれた人の快楽、ということでいいのでしょう。
大切なことは自分にとって面白い本を嗅ぎ分けることです。出版業界がいくら
不況になろうと、面白い本は出ます。
古書もあります。世界には、自分がまだ知らないけれども興奮するほど面白い
たくさんの本が眠っています。
そういう本を探し出して読む。それが僕たちが本とその著者のためにできるこ
とです。

ハリーポッターシリーズに代表されるように、今は、本もテレビや映画と連動
して売られています。売れる本が一極集中して、本一般の初版部数は激減して
います。
しかし、それは出版社や著者が心配すればいいことです。
読者はつねに自分にとって面白い本の鉱脈を確保しておくこと、これが肝心で
す。

では、僕のような物書き、及び物書き志望者はどうしたらいいのか?
ちょっと脱線しますが、これも書いておきましょう。
これは先日の掌編小説ゼミでも参加者に言ったのですが、「ファンを作り出し、
逃がさないこと」です。多くの物書き志望者は、自分の才能を出版社がピック
アップしてくれることを夢見ています。
しかし、もう出版社に本を売る力はありません。この不況で、実績のある作家
すら切られています。無名の新人を数字の根拠もなく企画会議に出すこと自体
が難しいでしょう。

ですから、たとえば、自分のサイトに何百万アクセスを集めるとか、コミケだ
けで1000冊売るとか、ダウンロード販売で実績を作るとか、ファンと呼べる人
の層を作り出し、育てていくことが何よりも大事なのです。
新人の演歌歌手もレコード店の店頭で歌ったり、スナックを一軒一軒回って、
数枚のCDを売ったりするでしょう。
物書きだけが、営業もせずに、あるとき賞に通って作家の先生になる、という
シンデレラ・ストーリーを夢見ている場合ではないのです。

……というのも、じつは一つの極論で、みんながジタバタと数字を追いかける
ようになればいいとも僕は思っていません。ただ自分で売れないものを出版社
がなんとか売ってくれることはない、のは間違いありません。
つまり、読者も作家を探し、作家も読者を探す手を伸ばさなければ、マスで大
量宣伝したものだけの天下になってしまう、ということです。

最後に質問者の娘さんの件ですが、これは普通でしょう。
残念ながら、娘さんは選ばれなかった。
しかし、それが今の世の中の普通です。

どうしたら子どもを本好きにできるか。
やはり、絵本の読み聞かせだと思います。
物心つく前から、お母さんの言葉で物語をしてやる。
言葉に向かう想像力と感受性を育てるのにこれ以上の方法はありません。

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       ◎○====今年の初ゼミ!===========================○◎

    ◆『文章王の掌編小説ゼミ』 1月度

     時間:2009年1月30日(金)
           19時より 2時間程度
     場所:東京都豊島区目白3-2-9-4階
     料金:4,000円(1400字)または 5,000円(2800字)
     詳細:http://www.hiden.jp/semi-2008/

    ◆申込み締め切り 1月23日(金) 
    ◆投稿締め切り   1月27日(火) 

       ◎○=============================================○◎



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●質問募集●

えー、皆様。村松恒平です。
質問は全てウェルカムです。

些細な質問/巨大な質問/マニアックな質問/初歩的過ぎる質問/鋭い質問/
鈍い質問/くだらない質問/実際的質問/哲学的質問/個人的質問/普遍的質問/
珍しい質問/陳腐な質問/具体的な質問/抽象的な質問/短い質問/長ーい質問

などなど、あらゆる質問をお送り下さい。 oshiete@hiden.jp

冒頭に「●質問●」と書いてください。
質問は無料です。送られてきた質問は、無記名とさせていただきます。
都合により、長さ、表現などをアレンジする場合があります。
また村松の著作などに流用させていただく場合があります。
ご承知おきください。

この企画の成否はひとえに質問にかかっております。
よろしくご支援のほどをお願いいたします。

●感想等は、こちらにお送りください。お待ちしております。 fan@hiden.jp

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[プロ編集者による] 
       文章上達<秘伝>スクール 通算239号 2009/1/1 発行
 講師兼編集責任者:村松恒平
 発行:文章学校 http://www.hiden.jp/
 Copyright (c) 2001-2009 村松恒平 All Rights Reserved. 禁複製。
 転載・紹介ご希望の方はメールにてお問い合わせください。
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