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2008/12/18

秘伝-通算238号  「読むのが遅い」

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  ┃ [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール
  ┃ http://www.hiden.jp/
  ┃
  ┃ 通算238号  「読むのが遅い」
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  § [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール」
  §  〓書籍版金言集 No.002〓
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  §  自分らしさというものは、作り上げていくものではなくて、
  §  その人に最初からあるものです。
  §  何かそれらしいものを作るのとは正反対の、もっと素朴で
  §  自然なものに帰っていくことなのです。
  § 
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  § 『秘伝 <プロ編集者による>文章上達スクール (1)』
  §  412ページ・【質問】アイデアと自分らしさ より
  §  書籍紹介⇒http://www.hiden.jp/hidenbook/-1.php
  § 


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  ┃<文章秘伝>ニュース┃
  ┗━━━━━━━━━┻★

■最初に訂正とお詫び。前回、『読めない書道』について、
2009年1月17日(日)14時より
と書きましたが、
2009年1月18日(日)14時より
が正解です。

|日時   :2009年1月18日(日)14時より
|場所   :東京・JR山手線目白駅より徒歩1分
|      (お申し込みの方に詳しい案内差し上げます)
|会費   :3,000円(道具は用意します。当日は手ぶらでお越しください。
|      愛用の筆などがあればお持ちください)
|お申し込み:準備がありますので、事前にメールでお申込み下さい。
|      ◆送信要領
|      [メールタイトル] 『読めない書道』申し込み
|      [本文] お名前・年齢・性別・ひとこと(自己紹介など)
|      [送信先] entry@hiden.jp

すでに何名か申し込みをいただいています。
どなたでも楽しめると思います。
あなたもお早めにどうぞ。

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2008年を振り返って、自分は何をしただろう????
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「読むのが遅い」




●質問●

いつも読ませていただいています、***と申します。

自分は高校の終わりに小説に興味を持ち始めて、現在は大学のサークルで短い
文章を書いたりしています。
高校以前は本をほとんど読まない生活をしていたので、いまでも読書スピード
が遅く、悩んでいます。
憧れという面からも、作家さんたちの読書体験に関する記事を雑誌やインター
ネットでよく読んでいるのですが、それが決まって皆さん読むスピードが速い
そうなのです。
例外的な方もいらっしゃっいましたが、その方は一度読んだ本は再読の必要が
無いくらいまで想像しきるとおっしゃっていました。
読書のスピードと、想像の精度はどんどん読んでいく内に自然と身に付くもの
なのでしょうか?
この頃は句読点を目安に言葉の音を繋いでいくように読んでいて、それまでよ
りは速くなったと思うのですが、さらにスピードを上げようとすると、どうし
ても素読か、拾い読みのようになってしまい、理解度が著しく落ちてしまいま
す。
速く読む場合は必ずそうなって、繰り返し読んで理解していくことに意義があ
る、というものなのでしょうか?
アドバイスなどしていただければ幸いです。


●答●

質問自体が非常に性急な効率主義に陥っているね。
そのことにいちばん気づかないといけない。
たぶん受験勉強をまじめにやり過ぎたんだろう。

読書の質×冊数=何かいいことあるだろう

という計算をしている。
そんな単純なことでもない。

読書には、とてもいいことがある。
僕もあらゆる人に、とくに子どもたちには勧めたい。
だけど、その効用は、ということをあまり実利に結びつけてはいけない。

愛読という言葉がある。本は本来、愛するものだ。
たとえば、女性を愛するのでも、生涯一人を愛する人もいれば、何十人も愛す
る人がいる。
幼稚園で初恋をする人もいれば、大人になって、ようやく意味がわかる人もい
る。
恋が上手な人もいれば、不器用な人もいる。
しかし、みんなその人なりの幸せになり方がある。
そういうことに優劣をつけてはいけない。
人と比べることでみんな自分を見失っている。

その人の中の自然ということがある。
あなたは、まず自分がどんな本をどんなふうに読むのが楽しいか、ということ
を立ち止まってよく感じてみるべきだ。
そして、いちばん自分にあった気持ちのいい読み方をしなさい。
速い遅いなんて関係ないよ。
そういうふうに読まないと本がかわいそうだ。

僕が展示をやって仲よくなったギャラリーのオーナーは、40歳前後だと思うん
だけれども、一冊も本を読んだことがなかった。それで僕の本を読んでくれた
ときに、まとまった本を最後まで読んだのは僕の本が初めてだ、と言われたの
でびっくりした。
そのあと、本の面白さに気づいて、自分の気に入った本をあれこれ読んでいる
ようだけれど。

そういうこともある。
では、その人が僕の本の理解が浅いかというと、そんなことはない。
彼は彼の人生に照らし合わせて、さまざまな感想、というか触発されて出てき
た彼の意見を聞かせてくれた。
最も僕の本をよく理解してくれた人の一人だ。

彼はアーティストでもあるから、他人と自分を比べない。自分の道を行くだけ。
オリジナルな言葉はそこからしか出てこない。
本を読んで何かを蓄積すれば、そこから何かが生まれるだろう、なんて考えて
はいけない。

自分自身の中に、何かの種子があって、それに水をやるのだ、と考えたほうが
いい。でも、どんどん水やりをしたほうがいい種子と、水を多くは必要としな
い種子がある。
あなたが読む速度は、消化力と求めているエネルギーの量に合わせて制御され
ている。
読む速度が遅ければ、本当に自分が楽しいと思う本、自分が必要としている本
を少量読みなさい。
必要なときがくれば、もっと読めるようになるかもしれないし、ずっとそのま
まかもしれない。

それでいい。
数ではないんだ。

僕は本を書くときにいつもそう思っている。
すごい勢いで書き続けて何十冊も本を出している人がいるでしょう。
数じゃあ、絶対に追いつかない。
でも、一冊の本が百冊に勝ることもある。

そう考えてる。
本の世界では、そういうことがありうるんだ。



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えー、皆様。村松恒平です。
質問は全てウェルカムです。

些細な質問/巨大な質問/マニアックな質問/初歩的過ぎる質問/鋭い質問/
鈍い質問/くだらない質問/実際的質問/哲学的質問/個人的質問/普遍的質問/
珍しい質問/陳腐な質問/具体的な質問/抽象的な質問/短い質問/長ーい質問

などなど、あらゆる質問をお送り下さい。 oshiete@hiden.jp

冒頭に「●質問●」と書いてください。
質問は無料です。送られてきた質問は、無記名とさせていただきます。
都合により、長さ、表現などをアレンジする場合があります。
また村松の著作などに流用させていただく場合があります。
ご承知おきください。

この企画の成否はひとえに質問にかかっております。
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       文章上達<秘伝>スクール 通算238号 2008/12/18 発行
 講師兼編集責任者:村松恒平
 発行:文章学校 http://www.hiden.jp/
 Copyright (c) 2001-2008 村松恒平 All Rights Reserved. 禁複製。
 転載・紹介ご希望の方はメールにてお問い合わせください。
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