2008/06/24
秘伝-通算230号 「大いなるドラマ」
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・ ┃ [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール ┃ http://www.hiden.jp/ ┃ ┃ 通算230号 「大いなるドラマ」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・ ☆――――――☆ リニューアルについて ☆―――――☆ 先週、「文章学校」のデザインを更新いたしました。 内容には【深呼吸する言葉】が追加、その他は今までと同じです。 但し、トップページから各項目へリンクするURLが今までと異なり ますのでご留意下さい。 また、メルマガ読者の皆様におかれましても「文章学校」サイト について、お気づきの点がございましたら、案内係までご連絡い ただければ幸いです。 何卒宜しくお願い申し上げます。 文章学校 案内係:info@school.club.ne.jp ☆―――――――――――――――――――――――――――☆ ┏━━━━━━━━━┳★ ┃<文章秘伝> 反響号 ┃- - - - - - - 【今回はQ&Aなしの号です】 ┗━━━━━━━━━┻★ 【お片付けと掃除のお手伝い募集!】 僕は子どもの頃から片付けが苦手で、かなり事務所が雑然としています。仕事 が忙しいときなどは、ぐしゃぐしゃになります。 そんなわけで、事務所の片付けと掃除をしてくれるアルバイト、募集です。 週2回程度。たぶん1回2〜3時間。時給千円。場所は目白です。 交通費は支給しますが、一回が長い時間ではないので、ある程度近い方のほう がいいと思います。 やってみてもいい、という方は、自由になる時間帯と簡単な自己紹介などをお 送りください。折り返しメールいたします。 mura@hiden.jp 【『コアリズム』一か月】 『ビリーズ・ブートキャンプ』は全然やる気がなかったのですが、『コアリズ ム』というラテンダンスベースのエキソサイズ、1ヶ月続いています。 その前にヨガに行っていたのですが、往復を入れると結局半日潰れてしまうの で、だんだん気が重くなりやめてしまいました。 その点、DVDは、立ち上げて25分ほどで終わるので、気楽です。 別に他人様のDVDを宣伝したいわけではなくて、これが1ヶ月やると、最初より ずっとできるようになるのです(程度はさておき)。ステップがわかったり、 最初速すぎると思った動きについていけるようになります。 しかし、個々の動きは、もっときちんとやるともっと身体に利くようになると 思います。 【文章上達の既成概念】 それで思ったのが、文章の上達です。文章もきちんと意識を持って書けば、短 期間でこの程度の変化や進歩はあってもおかしくないはずだ、ということです。 文章はなかなかうまくならないもの、という既成概念があるから、同じところ にいつまでも留まっていて平気なのです。 もし、よい文章が書けたら、その文章を自分の当たり前の水準にして、その次 のレベルに進まなければなりません。 ところがいいのが書けた、と思っても、次のときにはまた水準が下がってしま う人が多いのです。どこがいいのか、なぜいいのか、どうしたらまた同じよう に書けるのかわかっていないのです。 少しずつでも、確実に前に進めばいいのですが、本人がどちらが前かわかって いないのでは、同じところを行ったり来たりになってしまいます。 この客観性を練り上げるというのが、いちばん大切なのです。 【しようと思わなければ上達しない】 ある中年女性がスイミングスクールに行ったときの話がたいへん興味深かった です。彼女はスキューバ・ダイビングもヨットもするアクティブなタイプです が、じつはカナヅチで、ボンベなしでは泳げなかったのです。 しかし、やる気と素養はあるので、先生について素直に習うと、一週間くらい でスイスイと泳げるようになりました。 ところがそこのクラブには、1年も2年も通っているのに、ちっとも泳げるよう にならないオバチャンたちがタムロしているのだそうです。 彼女がめきめきと泳げるようになるのを見て、彼女たちは大反省、……すれば いいのですが、「きっとあの人は最初から泳げたに違いない」と噂しあってい たそうです。 とても教訓的な話でしょう? 【お金の考え方】 僕としては、ここでもちろん自分の『ゼミ』や、『言葉のクロッキー』にみな さまをご案内したいわけです!(笑) 今まで、我田引水ととられると思い、200号を超えるメルマガの中でもあまり いわなかったと思いますが、今回、一度だけお金の話をしましょう。 今ね、ゼミは一回4,000円。 これを高いと感じている人は意外に多いのではないでしょうか。 なんとなく無言のそういう圧を感じるときがあるので、そのことについてお話 しましょう。 今、僕が行っている床屋3,800円。シャツも高いのも安いのもあるけれども、 それくらいの価格帯のものがカジュアルでたくさんあります。 ヨガにいっても高いところは3,000円くらい。ごちそうを食べたり、飲んだり するともっとかかります。 こういうことにお金を使ったりするのは、なんとなく納得しますよね。 形があるものを買うのは、はっきり納得があります。 ヨガは同じ習いごとですが、まだ身体という形があります。やせたとか、くび れたとかいう結果もね。 しかし、文章講座は? 文章力、表現力がつき、想像力や発想力が活発になり、 感受性が豊かになります。でも、それは形には見えません。 だから高いと感じるとしたら、その感覚はとってもダメです。僕が提供するも のに必要を感じない、興味がない、値打ちを感じない、というのなら、それは 一つの尊重すべき判断です。でも、見えないからなんとなく高い、というのは、 ダサイ感覚です。 物書きで生活している人は、インクのシミを売っているわけではありません。 書かれたもの、というのは、つまり、目に見えない精神活動を売っているわけ です。 この目に見えない部分に価値を認めて、やりとりすることが書くことであり、 読むことでもあります。 自分の目に見えない内面を認めてもらいたい、というエネルギーは文章表現の 世界にあふれていますが、他人の内面には興味がない、という人が多いのです。 極端に言ったら、「他人の小説は読みません。でも、わたしの小説は読んでく ださい」という人が多いのです。こういう人は、小説を読むにしても、極端な 偏食で小食の人が多いのです。 たとえば、自分でお札を印刷して「これは価値があります。認めてください」 といっても流通しないでしょう。貨幣は共通の価値を認めたものを交換しあう のです。そのような価値の世界に参入するには、もっと他人の価値や存在を認 めなければいけません。 【時間の考え方】 ゼミの時間は2時間。すると、1時間2000円かと思うかもしれませんが、それも 違います。参加しようと思ったときから、一か月間がゼミです。意識さえ向け ておけば、24時間、寝ている時間も、書くことに結びつきます。 何を書こうか、どう書こうか、なにかヒントはないか……見るもの、聞くもの をすべて書くことに結びつけられます。 そして、実際に書く作業、推敲する作業があると、一か月というのはあっとい う間です。 そして、僕もその2時間だけ考えているわけではありません。こうしてメルマ ガを書いている時間も含めて、毎日書くことについて、どう語ればいいのか、 考えています。 そして、投稿されてきた作品を何度か読み、何を言うべきか考えます。 いいか悪いかをいうだけなら、簡単ですが、なぜいいのかなぜ悪いのか、書く ときに作者は何を考えていたのか。どこをどういう方向に直せばいいのか。そ ういうことをなるべく具体的に言語化しようと最善を尽くしています。 そして、それが作者に確実にわかるように、また弱点を指摘する場合もやる気 がなくならないように、同じ内容でも、どういう言い方がいいか、ということ を考えます。 そういうことに思いをはせることが、それぞれの人の一か月分の努力の受け皿 になるわけです。 ゼミ、と聞いて、具体的な最後の2時間しか見えない人は、目に見えない部分 が見えていない物質主義なのです。 そして、僕は編集やら、物書きの生活がそろそろ30年。その時間で積み重ねて きたいちばんおいしい部分のエッセンスを抽出しているわけです。全然出し惜 しみはしません。 ケチったって意味ないのです。むしろたくさん受け取ってもらったほうが僕自 身にも精神的に多くが帰ってくる。 だから、物理的な時間なんかで測ろうとすることは、全然意味ないのです。 大学の授業料は、計算すると1コマ5000円くらいになります。それを4年間中味 もろくに見ずにまとめ買いしてくれるわけだから、いいなあ、大学、とときど き思います(それで、どうして大学が赤字とか苦しいとかいうのか正直わから ない(笑))。 あのお金はほとんど親が出してくれますが、僕のゼミは、多くの人が自分で稼 いだお金で来ています。 身銭を切る、ということですね。そこが尊いところです。 犠牲を払う人だけが、何かを得ます。 以上は一度は言っておきたかった基本的なことなのです。 僕のことだけでなくて、そのような価値がわかる人になってください。 上記のことは「自分にはあてはまらないよ」という方はごめんなさいね。 【ゼミとクロッキー】 * 『文章王の掌編小説ゼミ』 http://www.hiden.jp/semi-2008/ 今月は参加申し込み終了です。来月参加することに決めれば、あなたはもうゼ ミの中にいます。今すぐサイトにエントリーしておくと、閲覧できる情報も増 え、ぐっと距離が近くなります。 * 『言葉のクロッキー』 http://www.hiden.jp/croquis/ 10回目の課題が参加者の感想です。 たくさんの体験者の感想が載っています。 今回の参加者はたいへん優秀で、きちんと課題を受けとめています。 ただものすごく中味が濃くて多彩なので、まだ消化できていない。 本当は一つの課題だけで半年くらいやるといいのです(笑)。 http://croquis.hiden.jp/lesson/10/ ぽつぽつと参加者増えています。まだ迷っているあなたもぜひどうぞ。まぐま ぐは最初の一か月お試し無料。 『文章より身体を鍛えたい方はこちら…』 【コアリズム】米国正規版DVD4枚セット(日本未発売キックスタート付) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0016704HK/bunshounogakk-22 ************************************************* 「大いなるドラマ」 ■229号の反響 前回のメルマガの質問者から反響のメールが来ました。 しかし、ぼやぼやして、そのメールの返事を書き上げないうちに、次のメール が来てしまいました。 質問者の方は、短期間のうちに大きく前に進んでいました。 うつをわずらっていたという質問者に、1回のQ&Aでものすごく大きな心理的変 化が起きています。 よく読むと、内面世界にたいへんドラマチックで重要な事柄が起きています。 注目してください。 (一通目のコメントはもう質問者には、いらないので蛇足に近いのだけれど、 せっかく書いてもったいないので(笑)読者の皆さんのために載せます。 二通目のメールは、僕の返事を読まずに書かれたものです。そのことを理解し て読んでください) [一通目のメール] こんにちは。 229号では大変お世話になりました。 丁寧でわかりやすい回答をしてくださって本当に感謝しております。 タイトルの「『私がない』悩み」を見たとき、ぎくっとしました。 私はいま「自分を見失っている状態」で生活しているからです。 私は今から一年ほど前にパニック発作・うつ・PTSDをわずらいました。 その時自分の思っていることと、本音を受け取る自分の側に、相当な距離があ ることに気がつきました。 私にとって本音を探り当てるということは、岸壁にアタリをつけそこに槍をな げるようなものでした。 上手く突き刺さった槍に紐をかけ、対岸から岸壁に向かって渡っていく。 下にはごうごうと濁流が逆巻いていてとても恐ろしい光景が広がっている。 それでも私は本音を解読するために渡りつづけました。 そして、探り当てた本音にびっくりしつつ、受け入れていきました。 するとと何故か気持ちはとても楽になっていきました。 そんな曲芸的な荒業を繰り返していくうちに、不思議なことに自尊心が太って いきました。 しかし、村松さんの回答を読んでいくうちに、私はついに本音の一番の核心部 分に槍を投げて渡らなくてはいけないのだ、と気づきました。 そして槍を投げるのは私なのに、私は甘えて怖気ついて、誰かに背中を押して もらうのをまっていました。 まさしく「何も決断しない、行動もしない私」がぼおっと対岸に立っていまし た。 私は立派な「オトナコドモ」でした。情けないことに30代になっても思春期 を引きずっていました。 私は病気になってからやっと「自分にしか与えられていないオリジナルの人生」 を探し始めました。 生まれたときは丸裸で、自在に手足を動かすことができました。 しかし、いつのまにか周りから与えられた評価・自分の思い違いなど、余計な 服を着込みすぎてしまいました。 私は着膨れした服のなかで窒息しそうになっていました。 それを一年かけて脱ぎつづけ、ついに丸裸になったのかもしれません。 そして「わたしって誰なの?」という本音とついに対峙したのかもしれません。 核心のまえに私は立ち尽くしていたのでしょう。 「槍」とはきっと「文章を書くこと」なのかもしれません。 そして文章を書き上げた時、わたしの「核心部分の本音」が表れてくるのだと 思います。 そのときが病気の治るときかもしれません。 だから私は表現さえできればそれでいいと、(このお礼のメールを書いていて) 気がつきました。 他人がまったく眼中にない質問状になってしまったのはそこだとおもいます。 人の心は巧みなからくりで成り立っている……今までそう思っていました。 だけど、村松さんの回答を読み単純にほぐす「裏技」があるのだと教えていた だきました 本当に感謝いたします。 ありがとうございました。 【村松コメント】 方向がうっすらと見えてきたようでよかったですね。 しかし、まだ言葉をこね回しています。 なるべくシンプルに。 複雑にならないように言葉を使いましょう。 僕の書くものは裏技ではなくて、もっとシンプルな「心について考えるときの 基礎づけ」にしたいのです。ようやく体系めいたものが見えかけて来たので、 今、そういう本を書いています。日本の心理学は、西洋人が考えたもので、西 洋人の心の観察から始まっています。 でも、西洋人の心と日本人の心は違います(もちろん、同じ心なので共通点も ありますが)心理学は、日本人には適合しないものを後生大事に守っているの です。 これはじつはものすごく大胆な発言ですが、それが単純な真実なのです。 単純な真実を根幹におかずに、考えや言葉を積み重ねていくと、どんどん複雑 になり混乱していきます。 心理学が役に立っていれば、こんなに鬱病は増えません。 ほら、シンプルな証明ではありませんか? 心理学や精神科のもう一つの特徴は、「正解は専門家が握っている」という態 度です。しかし、握っているように見せているだけで、本質的なものは何も持 っていません。 専門家に任せるのではなく、自分自身が何が起きているのか、理解しなければ いけません。その最初の糸口を書きましょう。 先日、僕は『深呼吸する言葉』(http://d.hatena.ne.jp/muramuraing/)に次 のように書きました。 「心はガラクタを置く倉庫ではなく、作業スペースである。 なるべく空っぽにしておきたまえ」 心の中に蠢いている要素、それを多くの人は「自分」を成立させている大切な 要素だと思っています。 しかし、そうではないのです。日々、新しいものを受け入れて、それを楽しん だり、不快なもの有害なものであれば、それを無害化して処理するのに、心の 中にスペースが必要なのです。 机の上にゴミやら不要物が山積みになっていると、どんな作業もうまくいかな いでしょう? 大切なのは、その作業スペースをきちんと空けて、清浄に保つことです。 机の上のものは、必ずしもいっぺんに捨てなくてもいい。 きちんと整理してしまい、必要なときだけ自分で出してくるようにすればいい のです。 心の中を眼で見ることはできません。比喩で理解していくしかないのです。 この比喩を理解してください。 目に見えないことを説明しますから、どうしても僕の文章は長くなりますが、 言っていることはシンプルなのだ、と理解してください。 それは、たとえば、自転車の乗り方を言葉で教えるようなものです。 「右足と左足で交互にペダルを踏み、上体とハンドルで中心をつかみます」と いってもなかなかわからない。 言葉は補助にはなりますが、最後の部分は、感覚でつかむしかない。 自転車に乗ることも、非常に高度な制御ですが、人の意識はそれをシンプルに 処理します。 乗れるようになれば言葉は要りません。 そして、恐怖を捨てて早く走るほど安定する。 乗り出したら自転車のことはあまり考えていない。景色を見たり、他のことを 考えているでしょう。 交通安全には注意しないといけませんけどね。 自分の生き方についても、過剰に言葉で考えてしまうようなら、まだ「自転車 に乗れた」状態ではありません。 自分というのは、自然に現れてくるもので、過大な何かを期待する必要はない のです。 自分を知りたければ、家族や友人や、ごく身近な人をよく知ることです。自分 のことばかり考えている人は、じつは他人を全く見ていません。自分を投影し ているだけなのです。 自他というのは、一つの対なのです。他人が見えない人は、自分も見えません。 見えれば、何をすべきかは単純なのですが、見えないから、頭の中でぐるぐる と言葉と理屈だけが回るのです。 もっとシンプルに。もう一息です。だんだん変わっていきます。 [(以上のコメントを読まずに書かれた)二通目のメール] 村松さま 229号で質問を送った**と申します。 すぐに返信をしたあと、小説に着手しました。 以下に書くことは、個人的な感想です。 村松さんのお忙しい時間を無駄にしてしまう非礼をお許しください。 小説を書き始めるにあたって、(村松さんが回答に書いていらしたように)私 が合う小説のジャンルは何か、と考えました。 経験を踏まえたうえで行き着いたのは、「児童文学」でした。 それもファンタジーの世界。(私は、サトクリフ・エンデ・ルグイン・浜たか や・わたりむつこ等々が好きなのです) 一度書き始めると、楽しくて興奮してしまい、ご飯もそこそこ夢中になって書 いています。 すると、不思議なことなことがおこりました。 自分の心から、ゆるやかに「何か」が外へ出て行く感覚が胸を満たし始めたの です。 あたかも真っ暗に閉ざされていた樽から、暖かい飲み物が外に向かってちょろ ちょろと流れ出すようでした。 暖かさを胸に抱えて毎日を過ごしているうちに、以前よりも、周囲の人たちと 打ち解けることができるようになってきました。 とっつきにくいな〜と思う保護者の方と話す機会が増えたり、こわいな〜と避 けていた先生に冗談が言えるようになったり。 雨風にさらされてぼろぼろになっている柵が、私の周りで倒れていく、そんな 感覚でした。 児童文学というジャンルにのめりこんでいくうちに、私は、自然と心の奥底に うずくまっている「子どものわたし」に語りかけていました。 そのことが日常の流れを変えたように思います。 ところが、しばらくして壁にぶつかり始めました。 作中で事件がおこると怖くて前に進めなくなってしまうのです。 私は、自分の心が完全に回復していないためにおこった現象だととらえていま した。一度、書くことを辞めようか。いや、でも書きたくて仕方がない…… そして昨日の夜はっと気がつきました。 今まで私は、やりを突き刺すようにして本音を探っていました。 しかしそれは痛みを伴う治療法であり、現在の私にはそぐわないものだったの です。 私は「子どものわたし」との対話方法を変えることにしました。 そっとやさしくあゆみより、夜店で買ったわたあめを渡すようにおだやかな言 葉で隣に座ることから始めよう。 そしておとぎばなしを聞かせるように、ものがたりをつむぎだそう。 恐ろしさがなくなりました。 書き始めてから日が浅いので、まだまだ序盤です。 でも、私は「子どもわたし」に語り続けていきたいと思っています。 もしかしたらふいっと、子どもが席を立ってしまうかもしれない。 それはそれでいいかな、と思っています。 小説を書くことはわたしにとって「好きなこと」で、「必要なこと」であると は言い切れないからです。 まだまだ30過ぎの若造が偉そうなことを言ってしまいました。 すみません。 でも、村松さんがおっしゃるとおりに「次にすすめ」ました。 これも私の質問を取り上げてくださったおかげです。 本当に感謝いたします。 【村松コメント】 よかったね。頭の中で考えが回っているだけでなく、小さな行動を起こすと、 すぐに違う景色が見えるでしょう? そうして、心の中を新鮮に保たなければいけません。 「子どものわたし」に語りかけるのはとても大切です。 心理学にもインナーチャイルドという概念がありますね。 心理学の悪口を書きましたが、インナーチャイルド、「子どものわたし」は人 の心の中に具体的に存在するのをよく感じます。 僕は心理学の応用で知ったのではなくて、さまざまな相談に応じる中で、そう いう存在を実際に観察したのです。 心の中のある部分が、ショックや抑圧によって凍り付いてしまう。 他の部分は育つのですが、その部分だけが幼いままに凍結して時間に取り残さ れます。それは子どもの表象をとります。 この凍結を溶かしてあげなければいけません。 泣きたいのに流せなかった涙、発したいのに聞いてもらえなかった言葉、そう いうものがいつまでもそこに溜まっています。 「子どものわたし」は、責められて固まってしまったので、それをまた責めて はいけません。泣かせてあげる、言いたかった言葉を聞いてあげる。そうする と、ほどけていきます。 凍結が解けた子どもが、他の時間の流れに同調するには、さほど長くはかかり ません。呪いがとければすぐにおとなになります。 あなたは自分の感覚で、そういう子どもとのつきあい方を理解しました。 そして、その子どもはやがて消えるし、消えてもいいのだ、ということもきち んと感じて言葉にしています。 あなたは頭で考えるのではなく、たしかなことを感じ始めています。 その「感じ」が失われないように。 いつも心に新鮮な風を取り入れてください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・ ●質問募集● えー、皆様。村松恒平です。 質問は全てウェルカムです。 些細な質問/巨大な質問/マニアックな質問/初歩的過ぎる質問/鋭い質問/ 鈍い質問/くだらない質問/実際的質問/哲学的質問/個人的質問/普遍的質問/ 珍しい質問/陳腐な質問/具体的な質問/抽象的な質問/短い質問/長ーい質問 などなど、あらゆる質問をお送り下さい。 oshiete@hiden.jp 冒頭に「●質問●」と書いてください。 質問は無料です。送られてきた質問は、無記名とさせていただきます。 都合により、長さ、表現などをアレンジする場合があります。 また村松の著作などに流用させていただく場合があります。 ご承知おきください。 この企画の成否はひとえに質問にかかっております。 よろしくご支援のほどをお願いいたします。 ●感想等は、こちらにお送りください。お待ちしております。 fan@hiden.jp ---------------------------------------------------------------------- ●購読と解除● [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール は 下記の配信システムのいずれかによって配信されています。 まぐまぐ http://www.mag2.com/ [ID:0000068978] メルマ http://www.melma.com/ [ID:m00042072] 購読および解除は、ご利用の配信システムより 各自でお手続きくださいますようお願いいたします。 (※このメールに返信しても配信停止されませんのでご注意ください。) こちらのページでも購読/解除できます。 http://www.hiden.jp/mailmagazine/school/ ---------------------------------------------------------------------- [プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール 通算230号 2008/6/24 発行 講師兼編集責任者:村松恒平 発行:文章学校 http://www.hiden.jp/ Copyright (c) 2001-2008 村松恒平 All Rights Reserved. 禁複製。 転載・紹介ご希望の方はメールにてお問い合わせください。 info@school.club.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……・・ ・


