2009/05/30
HOMELESS NEWS NO85
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TOKYO 東京路上生活情報メールマガジン
Homelesss tokyo homeless NEWS(HOMELESS NEWS)
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N E W S 2009.5.30 第85号
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● 目次 ●――――――――――――――――――――――――――――――
1)とんでもない事態
2)ホームレス支援の危機管理体制
3)メーデーへのご協力ありがとうございました
4)かさいの雑感(その14)
5)ボランティア募集日程表
1)とんでもない事態――――――――――――――――――――――――――――
この冬から春にかけ、東京のホームレス支援に携わる団体もそうであるが、末端の
福祉事務所も含め現場の需要に追いつけず、かといって体制がすぐに強化される訳に
もいかず、また相互連携がこれまたそうは上手くは行かず、四苦八苦していると云う
日々が続いている。
端的に言って、労働の問題を福祉に押し付けようとする勢力が年末以降より強くな
り、それを安易に容認した「判断ミス」の結果、とりわけ東京においては矛盾の矛先
が福祉行政となり、また不幸にもホームレス対策の窓口もまた福祉行政となっている
ので、福祉もホームレス対策も予想だにしない大混迷を呈してしまっている。ホーム
レス対策をもと言うのは、元来ホームレス対策は非常に効率よく、路上の仲間が利用
し易い制度となっている。最も困窮度が高い状態から、一般社会にまで復帰していこ
うとする制度である以上、ある程度親切丁寧に制度設計されているのは当然と言えば、
当然である。しかしながら、そこに落とし穴があって「ホームレスでなくても誰でも
入れる」施策に残念ながら現状ではなってしまっている。行政にとって施設が一杯な
のは問題がない事なのであろうが、入りたくても入れないホームレスを結果的に大量
に生み出している事に気がつきもしない。
東京の自立支援施設は10箇所で定員はトータルで768名もあるのであるが、そこが
昨年来、常に万床状態で待機待ちの人々が大量に居る事実は、ホームレス対策の機軸
をなしていた自立支援事業が、今時の不況期以来、機能不全に陥ってしまっていると
判断して良いだろう。
この事態の中で大変助かっているのが東京の労働行政である。「ジョブステーショ
ン」にせよ「チャレンジネット」にせよ、ホームレスの求人開拓を公的な資金で行う
べき所を、臨時、軽易な仕事を集めるどころか、住民票等身分証明の提示が必要な敷
居の高い求人しか集め切れず、また路上の人々を結果的に「追い出す」「諦めさせる」
相談しか出来ずに、こちらも看板倒れの感がある。
緊急雇用対策なども同様である。私たちの要請もあり、入札業者に雇用確保のお願
いは発しているが、お願いの先がホームレス者の職業紹介を積極的にしない「ジョブ
ステーション」であるから、これぞアリバイ工作と言われても仕方がないし、事実上
単なるお願いにしかすぎないので、緊急雇用対策の仕事は下々には流れてもいないよ
うである。
何でもかんでも労働行政に押し付けるつもりはないが、窓口すら開いていない状態、
たとえそれが開いていたとしても「たらい回し」の結果、福祉事務所に至るでは、こ
とホームレス問題に限って言えば存在意義があまりにもなさすぎる。
たとえば自立支援センターの入所権限を労働行政側に半数程度渡し、紹介してから
直入所のコースを新設するなどの工夫が必要なのであるが、そんな事は誰も考えやし
ない。住所がなくたって、お金を持っていなくったって、社会資源を活用し(それこ
そ福祉分野と連携し)、様々な工夫をすればいくらでも紹介可能なのに、そんな事も
誰も考えようとしない。
東京都などは、派遣問題とその対応などにからめ、「ホームレスにさせないための
予防策を徹底している」と言い逃れをしていたが、それも新宿地域では炊き出し数も
300人代からいつの間にやら400名代、そして5月期は平均しても500代半ばと、この
不況期の中で200名近い新規の路上生活者を生み出してしまった。政府による昨年来
の矢継ぎ早の雇用対策を全面否定するつもりはなく、多くが評価できると考えている
のであるが、東京都などはその使い方、組み立て方を間違えたのではないかとも思う
のである。機転のなさが災いしたようである。
尤も、事態はまだ始まったばかりである。不幸にも新たにホームレス化してしまっ
た路上の人々にどのような自立の手だてを提供するのか?今回の事態の中で割を食っ
た旧来の路上の人々にどのような自立の手だてを提供するのか?それを真剣に考える
段であろう。少なくとも新たに路上に至った人々の大半は労働問題が要因であり、稼
働能力がある人々に対しては労働問題からする解決策を提示すべきであろう。私たち
も文句ばかりを言っている訳ではなく、路上の仲間の再就職支援に関しては民間レベ
ルでのノウハウやネットワークも有している。こちらも現在目一杯の状態であるが、
たとえ孤軍奮闘でもより一層の努力を続けて行きたい。銃弾のない鉄砲で戦争してい
るようなものであるが…。
2)ホームレス支援の危機管理体制――――――――――――――――――――――
不況に追い討ちをかけた新型インフルエンザ騒動。
たとえ、それが騒動だとしても、正確な情報を持たない私たちは騒動に乗るしかな
いと、危機管理体制を発動。マスクを買い漁ったり、緊急カンパを募ったり、消毒用
アルコールを用意したり、それをまた準備したりと大変なドタバタを演じました。
そうでなくとも路上の仲間の数が急増している中、路上で感染拡大ともなれば、こ
れ幸いにといろいろな勢力が動き出します。そこまで心配するかと言われても、そこ
まで心配するのが連絡会の良い面なのか悪い面なのか、要は体質なのでございます。
幸いにして(今日現在)新型インフルエンザは収束の方向に向かい、首都圏直撃と
はなっておりません。「そんなに心配する事はない」「ただの風邪じゃないの」との
声も聞こえますが、一般の人々と比べ衛生面が完備されいない環境に置かれている人
々を対象に活動をしている私たちは、そうそう楽観する訳にもまいりません。本質的
には路上生活と言う環境が問題とは言え、そうそうこの環境が改善されない現状下に
あって、公衆衛生の観点を常に持ち続ける事の必要性を今回の「演習」で実感をして
おります。「路上で現に人が生活している」事実から私たちは逃れようがありません
し、かつてスラムを中心に伝染病が広まった歴史も忘れる事はできません。
新型インフルエンザは今年の冬当たりに再び流行する危険性があると言われていま
す。それにも備え万全の体制で路上支援を続けて行きたいと思います。
3)メーデーへのご協力ありがとうございました――――――――――――――――
ご報告遅くなりましたが、5月1日、第15回目となる新宿メーデー行動は、250名の
参加(ほとんど当事者)で無事終了しました。
例年の取り組みなので古くからの仲間は恒例行事として楽しみにしてくれ、新しい
仲間はどんなもんかいな?と疑心暗鬼で参加してくれと、今年は新旧の路上の仲間が
大きく合流したメーデーとなったと思います。
こちらの取り組みも様々な変遷を繰り返し今の「のどか」な取り組みとなり、年に
一度の野宿者のデモンストレーションとして定着して来ました。今の時代、圧力でど
うにかなる時代ではなくなりましたが、普段はバラバラに暮らし、道を歩くのも独り
でうつむきながらと言う生活だけれども、たまには集まり、公道を堂々と胸張って歩
くのも大変楽しいものであります。メーデーの日なので全国どこでもデモはしている
ので、そんなに目立つ事もないですが「おお、ホームレスさんですか」と驚くサラリ
ーマンも中には居て、それはそれで面白い光景です。
晴天に恵まれた今年は爽快な行進となりました。
都庁との交渉も当日行い、先に提出していた「要望書」に基づく代表団による話し
合いが1時間かけて行われました。こちらはデモとは違い、いつも真剣勝負となるの
ですが、たまたま担当副参事が4月に替わったばかりでもあり、現状認識の確認程度
で、あまり突っ込んだ話しとはならず消化不良の感は否めませんでした。
いずれにせよ、路上の声はまだまだ都庁には届いていないのかも知れません。
4)かさいの雑感(その14)――――――――――――――――――――――――
Mさんが病院で亡くなり、メーデーの翌日、縁のある者が集まり都内の葬祭場で
荼毘に付した。
Mさんが階段から転げたのは昨年の夏頃であった。新宿駅で転んだのだそうだが、
わざわざタクシーに乗り、事務所近くまで必死に来、事務所前の道路で再び転び、
たまたま悲鳴が聞こえたので皆で行ってみるとMさんが足を押さえ痛みを堪えてい
た。
そのまま救急車で入院。骨折が判り、手術をして補強のため金属を入れた。リハ
ビリを含め数ヶ月入院し、年齢も高齢のため新宿の宿泊所で生活保護を受けた。と
ころが、その宿泊所で仲間同士のちょっとしたトラブルがあり、ふと居なくなる。
元居た中央公園には戻らず、歌舞伎町近辺に居たようだが、手術後に無理をしたか
再び倒れ、捜索中の福祉事務所に見つかり、板橋にある宿泊所に入所。今度こそは
大丈夫だろうと安心していた今年の春、施設内で転倒。外傷性のくも膜下出血で意
識不明のまま新宿の病院に入院。面会に行くも呼びかけにも応えず、けれども苦し
そうでもなく静かに横たわっていた。そのまま意識が戻らず、転院先の病院で一ヶ
月後に息を引き取った。
50代初めに新宿に迷い込み、新宿西口ダンボール村から、中央公園のちろりん村
まで十数年のダンボールやテント暮らし。酒も煙草もやらず、その間、毎日のよう
雑誌を集める日々、そして日曜日の炊き出しには用事がなければ必ず顔を出し、朝
の準備から片付けまでを黙々とやる。親しい仲間にもほとんど自分の事は喋らなか
った。無口な縁の下の力持ち。歯がなくなっても福祉を受けず、仕事を持っている
からと自立支援事業にも行かず、地域生活移行支援事業にも乗らず。松ちゃんが亡
くなっても、おばちゃんが亡くなっても、最後の最後までちろりん村を守り続けた
男。
Mさんは、きっと壮絶な過去を消し去るためのみにこの街に流れついたのだろう。
大学まで行き、幸せな家庭も持っていた。彼には何ひとつ落ち度はなかった。それ
なのにある日、家庭内で起きてしまったある事件。その事で彼の人生は転げてしま
ったのだろう。そして、すべてを自分の内側にしまい込んでしまったのだろう。
決して孤独なタイプではない。仲間の内にいた頃はどこか安心した表情を見せて
いた。そのギャップが今となっては痛々しい。
彼が生涯追わされた地獄絵がどのようなものだったか詳しくは知らない。それを
語らず、断片だけを残して逝ってしまった。
人には他人に言えない事はある。人生の秘め事を内に昇華させる奴は羨ましくも
あり、そして美しい。苦しみから解放されたMさんは、今再びの幸せを感じている
のだろう。
骨上げの時、金属片だけは焼かれず残っていた。どんな思いで彼がこの一年を過
ごしたのだろうかと、思った。
5)ボランティア募集日程表 ――――――――――――――――――――――――
「ボランティアをしたい…」「でも、どんな風に始めればいいの?」「何か出
来ることないかな…」路上支援はいつでも、誰でも始められます。一度どんな
ものかを見学でも構いませんので見に来て下さい。
毎週月曜日 8:30〜 夕方 /新宿区役所福祉付き添い
毎週水曜日 18:00〜19:30/高田馬場地区夜回り
毎月第2第4土曜日 15:00〜18:00/池袋炊き出し
毎月第2日曜日 10:00〜12:00/戸山公園医療相談会
毎月第2日曜日 19:00〜20:00/中央公園医療相談会
毎週日曜日 18:00〜19:30/新宿炊出し
毎週日曜日 19:30〜21:30/新宿駅周辺夜回り
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