2009/01/18
★食中毒2001★
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ メールマガジン ★ 食中毒2001 ★ ●「食の安全と安心」をどう守るか 第1,第3日曜日発行 VOL.184 2009年1月18日 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 先日、JICA(国際協力機構)の食品保健行政の研修が始まりました。アフ ガニスタン、アルバニア、ベリーズ、チリ、コートジボアール、エクアド ル、イラクからの研修生による「ジョブレポート発表会」に参加しました。 それぞれの国の食品衛生の状況を自分の仕事を通して説明していただきま した。まだ内乱状態の国では、検査設備はもちろん屠場、ゴミ処分などの インフラが不十分な国では感染症の危険も高く、食糧不足から栄養失調で 亡くなる子供がいる国があり、最低限の食の安全が求められています。ま た、豊な農地や海を持つ国は食品を欧米、日本に輸出するためにグローバ ルスタンダードであるISO22000やHACCPに取り組んでいます。 私は来月HACCPの研修を行いますが、国の基幹産業である農業や水産業に 生かしてもらうべく頑張ります。 それにしても、日本の過剰な食の安心期待の影響で多量のまだ食べられ る食品が廃棄されている現状をどう思うでしょうか。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「衛生教育マニュアル」現場力を伸ばす、従業員教育 年会費5000円+送料340円 平成20年度会員を募集中です。1週間毎のテーマを決めて朝礼や掲示板 で食品衛生の知識を伝えます。日常教育に最適です。 H20年度「衛生教育マニュアル」申し込み書 (会費後納) http://www32.ocn.ne.jp/~abcq/faxtsuusin/hajime.htm 食品衛生コンサルタント 西村雅宏 FAX 093−571−6930 Email ni-masa@jt9.so-net.ne.jp ■次回配信は2月1日です。 ================================================================== ●「食の安全と安心」をどう守るか 「食の安全と安心」という1フレーズで語られますが、最近は安全と安 心は離れてきています。安全は科学的に見る見方で、健康被害の有無や検 査結果で判断します。安心は精神的、心理的な状態でテレビの映像や言葉 によるイメージが大きな影響を与えます。 私は、日本の食の安全は、全体的にみて非常に高い水準にあると思いま す。食品添加物や残留農薬、動物医薬品等の化学物質の人体への危害は消 費者が心配しているより少なく安全です。しかし、大きく報道されません が病原性微生物による危険性は依然として高い状態です。食中毒事件は多 く発生しています。特に冬場のノロウイルス、春から秋にかけてのキャン ピロバクター食中毒です。 また、大きな意味での「食の安全」では、将来の食糧確保が可能なのかど うかです。経済危機で輸出企業が大きなダメージを受けています。工業製 品を輸出して食糧を輸入するという構図が将来も守られるのか、やがて、 日本の食糧輸入にも影響が出てくるでしょう。日本の食糧自給率を上げて いく政策も重要ですが、食べ物を大切に食べ物の寿命を延ばす工夫は必要 です。日本はまだ食べられる食料の廃棄量が異様に多く、このままでは食 の安全を脅かす事態になるかもしれません。食に対する不安による過剰反 応から廃棄量が増えているとも言えます。 農水省の「食品ロスの削減に向けた検討会」は10日、まだ食べられるの に捨てられている「食品ロス」を削減するため、食品の製造、流通、外食 などの関連業者や消費者に具体的な行動を示した提言を取りまとめました。 提言では、必要以上に短く設定した賞味期限や販売期限の改善、接客時に 量や好みを尋ねる工夫の推奨、消費者には期限表示を正しく理解してもら うことなどを呼び掛けています。 昨年来の一連の食品偽装事件の反省から、国は消費者行政を統一的、一 元的に推進するための、強い権限を持つ新組織として消費者庁の設置を検 討しており、食品表示についても1元的に行うため賞味期限と消費期限が、 消費者にも分かりやすくするため「消費期限」に統一されるようです。 これは消費者をバカにした改正だと私は思います。消費者はどうせ「賞 味期限」の意味を理解しないのだから、消費期限と一緒にして期限がきた ら廃棄してしまえと国が決めることを意味します。これは、マスコミが 「賞味期限」の意味をよく理解せずに、「賞味期限」が切れた食品を食べ たら食中毒になるかのように報道した影響です。 「食品ロスの削減に向けた検討会」で提言されたように、期限表示が短い ため廃棄量が増えているのです。必ずしも全ての食品が科学的根拠により 算定された期限でなく安全率を多くみた短い賞味期限が多くの食品があり ます。報道の影響もあり賞味期限を長く出来ない空気にしています。 「消費期限」「賞味期限」の表示は日本農林規格(JAS)と食品衛生法で定 義が定められています。簡単に説明すると「消費期限」は品質が劣化しや すいもの、例えばお弁当や惣菜などで「早く消費しないと食べられなくな っちゃうよ」という意味です。微生物による腐敗や変敗、食中毒の危険が あり、期限は厳格に守る必要があります。 一方「賞味期限」は品質が比較的劣化しにくいもの、缶詰めやレトルト食 品などが該当します。こちらは「これを過ぎると美味しくなくなっちゃう よ、味は保証しないよ」という意味で、「消費期限」の場合と異なり、期 限を過ぎればすぐに「食べたら駄目よ」とはなりません。 製造者、販売者は消費者に渡すまでに消費期限はもちろん、賞味期限をき ちんと守らなければいけませんが、消費者は、消費期限は守り、賞味期限 については美味しく食べられる期間ですので大きく期限が過ぎてない限り、 味見して美味しくなけば廃棄し大丈夫なら食べれば良いのです。自己判断 で決める事ができます。食品の表示は、1995年3月までは「製造年月日」 でした。その頃は食べるかどうかの判断は自己判断で行っていました。そ れでは危険ということで、商品知識のある製造者が付ける期限表示に変え たのです。期限をしっかり守る消費期限と保証期間というか美味しく食べ られる目安としての賞味期限に別けたのです。今まで人類は古代からずっ と食べ物を食べるかどうか自己判断をしてきました。賞味期限と消費期限 を「消費期限」に統一する意味は期限が来たら廃棄しなさいと国が命令す ることです。科学的根拠も薄弱のまま缶詰やレトルト食品の廃棄の時期を 消費者庁が安全性を無視して命令するのですか。無用な改正です。賞味期 限の意味を正しく理解してもらい自己判断にまかせるべきです。あるデパ ートの惣菜売り場で通常は5日以内ですが1週間の長い消費期限の惣菜を売 り出したところ良く売れているそうです。長い消費期限を付けるためには しっかりした衛生管理と正確な保存試験が必要です。これこそ「安全・安 心な食べ物」と言えますし消費者に受け入れられていることは非常に良い 方向だと思います。 食品偽装の問題については、消費者をだました行為は許される事ではあり ませんが、違う角度からみると消費者のブランド嗜好やマスコミが流すワ ンフレーズの言葉のイメージがもたらすマイナス効果で産地や名前で価格 差が大きいことが食品偽装の温床となっています。服でもバッグ、時計で もあるブランドが有名になり高値で取引されるようになると、偽物、コピ ー商品が作られるようになります。食品だけの問題ではないのです。 食品の場合は、産地とか表示の偽装です。業者は中国産と国産を比較して 安全性も品質、味も変わらないのを知っています。バレナイと思っていま す。ほとんどが内部告発で見つかっています。昨年のうなぎの偽装問題が 出た頃、中国産は国産価格の3/1でした。私は日本に輸入されている中 国産の食品と日本産の安全性も品質も差がなく、日本の商社やメーカが指 導に入っている工場の製品は中国製の方が優れています。正当に評価して 価格差が少なくなれば、偽装も減るのではないでしょうか。 食の安全は原材料と食品工場の衛生管理が大きく影響します。適正農業規 範(GAP)、適正養殖規範(GAP)とHACCPによる衛生管理がしっかり出来てい れば安全です。中国は過去の反省からこの方面に力を入れていて、CIQマ ークをつけて日本に輸出しています。日本はイメージ戦略で生産者の写真 をつけています。その生産者がきちんとしたという何の科学的根拠ははあ りませんし、購入者も自分の舌にも自信が無いようです。 参考 http://www32.ocn.ne.jp/~abcq/jyouhou.htm ● 食の安全確保には危害分析思考が有効 ● 何かが変 ● マスコミが作る非科学的な感情論 ● 冷凍食品は安全です (食品衛生コンサルタント 西村雅宏) ーーーーーーー おすすめ マガジン ーーーーーーーーーーーーーーーー ★☆★ FoodScience ★☆★ 〜食の機能と安全についての情報を毎週提供〜 日経BP社 バイオセンター FoodScience ◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆ ◆メールマガジン : ★ 食中毒2001 ★ ◆発行者 : 西村雅宏 ◇ご意見は : ni-masa@jt9.so-net.ne.jp ◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆ このメールマガジンの配信システムは まぐまぐ http://www.mag2.com/ を使用しています。 購読変更・解除はこちらからどうぞ。 http://www32.ocn.ne.jp/~abcq/magajin-touroku.htm 『まぐまぐ』ご利用の方は ID 0000066818 http://www.mag2.com/m/0000066818.htm 『Melma』ご利用の方は ID m00084185 http://www.melma.com/ お問い合わせ先 ni-masa@jt9.so-net.ne.jp


