2008/06/03
「第3の教育」第107号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「第3の教育」メールマガジン http://www.l-net.com/tshp/mag/ 第107号 2008年6月3日発行 発行: 炭谷 俊樹 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 四川大地震の起こる前ですが、5月の初旬、中国・山東省に 行ってきました。その目的はいろいろ取りざたされている 中国産食品の安全性について自分の目で見てくることでした。 ■ 中国産冷凍食品は安全なのか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 中国産冷凍食品は安全なのか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 昨年末の「中国産冷凍ギョーザ事件」以来、中国産食品の安全性に 疑問を投げかける報道が相次ぎ、それに反応して消費者の中国産 冷凍食品(とくにギョーザ)の買い控えも起こっているようです。 では実態はどうなのか、この目で確かめるべく、中国の冷凍食品 メーカーを訪問して来ました。また我々に何が出来るかについても 考えてみたいと思います。 まず感じたことは、一口に「中国」という大きなくくりで分類して しまうことが荒っぽすぎるということです。日本のメーカーでも いろいろあるのと同様に、中国のメーカーにもピンキリあり、 それを一からげに「中国産は信頼できない」といった乱暴な論には 疑問を感じました。 私が訪問したメーカーは話題になった北洋食品と同様、複数の 日本の商社やメーカーに納入している現地メーカー2社でしたが、 とてもしっかりと品質管理をしていて、日本の要求する品質基準を クリアすることに対して最大限の努力をしているということが 感じ取れました。 彼らにとってもビジネスですから、要求水準を満たせば取引を 維持・拡大できるし、そうでなければ注文が止まるということは 当然理解しており、必死に努力しています。とくに2002年に 残留農薬問題が発覚してからは中国政府も日本向け輸出品の 管理基準を厳しく設定しています。私の訪問した山東省では すべての工程をカメラで撮影記録することが義務づけられていて、 万一問題があった場合でもその原因をトレースできるように なっていました。社員を教育・信頼し任せる日本のやり方とは 違い、ある人の作業を必ず別の人がダブルチェックする、 管理するということを徹底したやり方でした。検査の機器に ついても最先端のものが導入されていました。 私は仕事上いろいろな業種の方とおつきあいがありますが、 ほとんどすべての業種で「世界で日本の顧客がもっとも品質に 対して厳しい」と聞きます。食の世界も例外ではありません。 中国人は一般的には農薬の管理も日本ほど厳しくは していないようですが、日本向けはこうしてくれということを きちんと伝えるとそれは守ろうとするのです。農薬だけではなく、 形や見てくれに対する基準も厳しいので、実際私が見た工程 でも、日本の要求品質を満たさないものはねられて捨てられて いました。品質基準を厳しくすると言うことは、当然のこと ながらコストアップにつながります。日本向けの食品は現地の 人にとっては大変高く、まだまだ高嶺の花といえます。 こうしてみると中国メーカーは自分の都合や基準で作った ものを輸出しているのではなく、日本向けの基準を満たすべく、 特別の畑や工場、検査機器、品質管理体制等を整えている ことがわかりました。まだまだ発展途上なので全く問題がない わけではないでしょう。しかしながら、自給率40%といわれ、 多くの食品を海外からの輸入に頼らざるを得ない状況を 作ってしまったのは他ならぬ我々ですし、それを満たすべく、 日本の商社やメーカーの方々が、中国だけでなく様々な国から コストパフォーマンスの良い食品を選んで輸入しているわけです。 さて話題の天洋食品についてですが、現地の方々の見方では 私が訪問したメーカー同様、品質管理がしっかりしている企業との ことです。なぜ事件が起こったかの原因は明らかにされていませんが、 工程の品質管理の問題ではなく、悪意を持った者による 意図的な事件であろうという見方が大勢です。意図的な事件 であれば、冷凍食品だからとかギョーザだから、あるいは 中国だから起こったものであるとは言えないわけです。 今回の訪問によって私が「中国産食品全体が安全である」と 感じたわけでもありません。ただマスコミの報道はあまりに 偏っていると思います。いろいろな企業や人たちが日本向けの 管理をしっかりとやろうと努力している中で、「中国産は 安全でない」といった極論で対応してしまえば、中国政府が 態度を硬化する気持ちもわかるような気がしました。 今必要なこことは責任をなすりつけあうことではなく、 さらにしっかりとした信頼関係を築いていくことだと思います。 では我々消費者には何ができるか?それはわれわれがメーカーや 商社の品質管理の取り組みをしっかりとウオッチし、信頼できる ブランドとそうでないブランドをしっかりと見極めること。 一方でメーカーや商社も品質管理体制についての情報をもっと開示し、 消費者が選択できるようにしていただきたいと思います。 中国のスーパーで印象的だったのは買う人が野菜を手に取り、 においをかぎ、じっくりと眺め回していたことです。彼らなりの リスク管理なのでしょうか。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■「第3の教育」のホームページ http://、ww.l-net.com/cat25/b_4/ メルマガのバックナンバーはこちら http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000065743 ■関連サイト ラーンネット・グローバルスクール http://L-net.com/ 東京コミュニティスクール(ラーンネットの提携校) http://tokyocs.org/ ビジネス・ブレークスルー(経営大学院) http://www.bbt757.com/ ■推薦書のオンラインショッピング:「第3の教育」の書棚 「アマゾン店」 http://www.g-tools.net/14/21521/ 「セブンアンドワイ店(すみ店長)」 http://myshop.7andy.jp/myshop/00001 問い合わせ先: mag@L-net.com 発行: 炭谷 俊樹


