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管理教育でも自由放任教育でもない、自らの生き方を考えながら主体的に学ぶ探究型学習について、炭谷俊樹(ラーンネット・グローバルスクール代表、ビジネス・ブレークスルー大学院大学教授、知の探究社副社長)が発信します。

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2008/04/08

「第3の教育」第105号

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「第3の教育」メールマガジン               
http://www.l-net.com/tshp/mag/
第105号                        
2008年4月8日発行                         
発行: 炭谷 俊樹
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☆INDEX☆

■ 「学力大不安」の特集記事


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■ 「学力大不安」の特集記事
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 ビジネス週刊誌「週間ダイヤモンド」の4月5日号で、
「学力大不安 教育崩壊からわが子を守れ!」
というタイトルで特集記事が出ていました:
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=20241040508

この手の記事には、「学力低下は文部省のゆとり教育政策が原因だ」
といった短絡的な論調のものが多いのですが、この特集記事は
詳細なリサーチに基づき、学力の問題が多面的・本質的に分析され、
バランスのとれたよい記事だと感じました。本メルマガ読者の皆様
にもお勧めです。以下いくつかポイントと私のコメントを書いて
みたいと思います。

1)学力低下の要因
記事の主張の抜粋:
ゆとり教育で目指した自ら考える力、生きる力の育成は間違いではない。
しかし、実践する現場とのギャップや、エリート的な教育をすべてに
実施しようとするところに無理があった。これが第1の原因。
第2の原因は大学入試の無意味化。高校卒業者数が減少する一方、
大学入学定員は増加し、定員割れしている私立大学は4割に達し、
入学者の半数は推薦やAO入試などいわゆる受験を経ずして入学している
大学は入学後の学習のリメディアル教育に追われている。
そしてもうひとつの要因が教師の質、さらには家庭や地域の教育力の低下、
すなわち大人全体の教育力の低下である。

私のコメント:
 上記のようなさまざまな要因が複合的に作用して起こっているという
観点に賛成。一つ付け加えるとすると、社会全体が成熟化する中で
一生懸命に勉強しなくても働かなくても生きていくことができるように
なったこと、さらには経済重視、効率重視の中で日本古来の倫理観・
価値観があやしくなっていること等も原因としてあげられる。
 あと新しい教育を実施するためには多大の労力とコストがかかる。
個別の対応には人手がかかるし、カリキュラム開発やこれを使いこなす
先生の教育に対する投資も相当のものがかかる。これらを考慮せずに
言葉だけで進めたことにも無理があったと思われる。

2)PISAテストの評価
記事の主張の抜粋:
OECDの学習到達度調査(PISA)の結果に教育界が一喜一憂しているが、
中身をよく見ると、日本が落ちているのは基礎学力というよりも、
複合的な問題に自分の考えを答える記述式問題に弱いこと。
さらに気になるのは科学への興味関心が低いことである。

私のコメント:
基本的に賛成。読み書き算数の基礎のレベルは少し落ちたものの
まだまだ国際的には高いレベル。一方で現実的で複雑な課題を
読み解き、自分で考えて意見を述べる力は弱い。
また受験のための勉強のウェイトが高く、純粋な好奇心にもとづく
学習が少ないので、興味関心が低下してしまうのではないか。


3)専門性か幅広い教養か?
記事の主張の抜粋:
入試科目を減らしたことの弊害が生じている。
例えば経済学部の学生が数学ができないこと。
90年代に入試科目削減の先鞭を切った立命館大学が
2002年度以降は「質の確保」をめざし、入試科目が多いほうが
入学後の成績の伸びがよいことに気づいている。

私のコメント:
ラーンネットでも当初は「出る杭を伸ばす」をモットーに
子どもの得意なことを伸ばすことにもっとも注力した。
それはもちろん意味があったが、続けていく中で、
幅広い興味や知識の重要性も感じるようになった。
とくに小学1年生の1学期から入学した子どもたちが
苦手科目が少なく、幅広い好奇心を持ちながらすくすくと
育つことを実感した。
また「国際バカロレア」のカリキュラムでも偏らない幅広い視野の
重要性が強調されている。


これらの論点以外にもさまざまな学校や私塾的な試みについての
レポートもあり、なかなか興味深い、力のこもった記事でした。


「編集後記」
前号でお知らせした「知の探求」プロジェクトの説明会(3月29日)には、
ご都合の悪い方もいたにもかかわらず、40名もの方が集まりました。
比較的抽象的な問いかけにどのような方が集まるのかと興味津々でしたが
学校現場からビジネスまで、さまざまな経験と強い問題意識をお持ちの
メンバーが集まり、感銘しました。皆様のお力をいただきながらの
今後の発展がますます楽しみです。具体的な進展がありましたら
またこのメルマガでも報告していきたいと思います。





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