2009/10/15
[MM日本国の研究568]「言葉のアルバム・貪婪な探究慾」
2009年10月15日発行 第0568号 特別 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■ 日本国の研究 ■■■ 不安との訣別/再生のカルテ ■■■ 編集長 猪瀬直樹 ********************************************************************** http://www.inose.gr.jp/mailmaga/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 10月12日月曜日、前原誠司国土交通相は橋下徹大阪府知事と会談し、「羽田 空港の24時間化を目指したい」として、国際的なハブ空港として優先整備する 考えを明らかにしました。 その際、前原国交相が引合いに出したのは同じアジアの韓国・仁川空港です。 仁川空港は国家主導でハブ空港化をすすめており、24時間運用や安い空港使用 料などで成田空港をリード、国際線の就航都市数や貨物取り扱い量も大きく上 回っています。 成田は都心からの利便性の低さに加えて、騒音問題などで発着枠の制限や夜 間離着陸制限があり、思うようにハブ化を進めることができません。やはり都 心に近く、国内線との乗り継ぎも便利な羽田空港の国際化が望まれます。 * 08年1月より、東京都は羽田空港の国際化を進めるため国土交通省航空局と 交渉をつづけています。猪瀬直樹はその席で「成田は国際、羽田は国内という 古いスタイルでは国際社会から取り残されてしまう。首都圏に2つの空港があ って使い分けていくことが重要。羽田を国際化し、成田と協調しながら国際需 要に応えていく必要がある」と訴えてきました。 来年2010年10月、羽田空港の第4滑走路が供用開始され、発着枠は現在の年 30万回から年41万回に増える予定です。 増加分11万回のうち、交渉の結果、年間約3万回が国際線の枠として確保さ れたほか、さらに深夜早朝時間帯(午後11時~午前6時)に欧米向けとして年 間3万回を設定するところまで国交省に認めさせました。 しかし、羽田空港がハブ空港として機能するためには、これだけではとても 足りません。昼夜それぞれ3万回という枠をさらに引き上げる必要があるでし ょう。 * 前原国交相の発言を受けて、猪瀬直樹は昨日10月14日水曜日の読売新聞朝刊 にコメントを寄せました。 「羽田の国際化は国家戦略として極めて重要。韓国の仁川国際空港を利用して いる日本の渡航客が、羽田のハブ空港化が実現すれば戻ってくる。羽田と成田 は、時間的にも地理的にも補完できるので、ぜひ羽田の国際化を進めてほしい」 (読売新聞10月14日水曜日朝刊) * 今週のメールマガジンは読売新聞9月4日金曜日夕刊に掲載されたインタビ ュー「言葉のアルバム・貪婪な探求慾」をお届けします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「言葉のアルバム・貪婪な探究慾」 今年の夏は、久しぶりにまとまった休みを取り、東京都内の個人事務所にこ もって、書き下ろし作品の執筆に明け暮れた。「本職は作家だからね」。紫煙 をくゆらせる時の笑みを、都庁内で見せることはまずない。 「この事業はなぜ必要なのか」「なぜこんなに費用がかかるのか」。副知事室 や、政府の地方分権改革推進委員会で、問題意識をむき出しにする日々。都庁 の職員に煙たがられようが、霞が関の官僚に嫌がられようが、「自分が税金で 雇われているのは、前例踏襲の役所体質を改めるためだから」と気にしない。 物書きとしてもまた、「なぜ」にこだわってきた。 西武グループのホテルは、なぜ「プリンス」と名付けられたのか。太宰治が 井伏鱒二のことを「悪人です」と紙片に書き残して自殺したのはなぜか--。 素朴な疑問を入り口に、取材を尽くして、答えに迫るストーリーを展開し、本 に仕上げてきた。 「いつも、あらゆることになぜだろう、どうしてだろう、と思うたちなんだ。 貪婪(どんらん)なんだね、探究慾(よく)が。下に『心』が付くほどの慾だ よ。それほど、強い気持ちなんだよ」 飽くことのない、非常に深い欲を指す「貪婪」。そのように自分を感じたの は、19歳の時だった。 東京・港区の「虎の門病院」。3歳で父を失い、女手一つで育ててくれた母 が、脳腫瘍を患い、手術を受けることに。長い待ち時間、病院の屋上に出ると、 目についたのは、無機質な雑居ビルの集まりだった。 「ただ一人の親が大変な時で、自分もすごく不安だった。それなのに、この辺 りに雑居ビルが多いのはなぜだろう、と気になったんだ」。 手術は無事成功し、作家となってから再び、虎ノ門を訪れた。 「ビル群には結局、特殊法人など官僚の天下り団体が、多くテナントとして入 居していた。あの景色は、今も忘れられないね」。 趣味のドライブ中にも「なぜ電柱はこんなに多いのか」などと考えてしまう。 道路公団の民営化にこだわったのも、きっかけの一つは、「なぜ高速道路の食 堂はメニューが少ないのか」という疑問だった。 平日は事務所で寝泊まりし、家族と過ごすのは週末だけという多忙な生活。 作家と副知事という二足のわらじが務まるのは、「貪婪」のなせる技か。「な ぜ、どうしてを突き詰めることしか、自分には武器がないからね」 (読売新聞夕刊9月4日金曜日掲載) * メールマガジンの感想をお待ちしております。 「日本国の研究」事務局 info@inose.gr.jp 猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■掲載情報 ・日経BPネットの好評連載「猪瀬直樹の『眼からウロコ』」最新号がアップ されました。「見直した予算は地方に回してほしい 見当ちがいの予算が組 まれている国の緊急人材育成支援事業」はこちら。 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091014/188413/ ・東京都公式ホームページに、財政再建中の北海道夕張市に派遣された東京都 職員のレポートが公開されました。ぜひご覧ください。 http://www.soumu.metro.tokyo.jp/03jinji/yuubari/index.htm ――――――――――――――――――――――――――――――――――― □□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□ 猪瀬直樹新番組・放映開始! ■□■ 『東京からはじめよう』(MXテレビ) ■□■ 次回放送:11月7日(土)21:00-21:55(毎月第1土曜日) 第7回(10/3) ゲスト 藤原庸介・東京五輪招致委員会企画/広報担当委員 第6回(9/5) ゲスト 田原総一朗・ジャーナリスト 第5回(8/1) ゲスト 渡辺喜美・衆議院議員 第4回(7/4) ゲスト 竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長 第3回(6/6) ゲスト 増田寛也・安心社会実現会議事務局長 第2回(5/2) ゲスト 河野一郎・東京オリンピック招致委員会事務総長 第1回(4/4) ゲスト 丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長 ■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■ ◆◇◆◇◆◇ 猪瀬直樹最新刊 ◇◆◇◆◇◆ ◆◇◆◇ 『霞が関「解体」戦争』 ◇◆◇◆ ◆◇◆ (草思社) ◆◇◆ 日本の権力構造のド真ん中に猪瀬直樹が切り込んだ! 地方分権改革推進委員会を舞台に繰り広げられた 官僚とのバトルを大公開。 何を、どう変えれば日本は再生するのか? この国を覆う閉塞感に風穴をあける痛快な書! 草思社の民事再生第一号です。乞う、応援。 http://www.amazon.co.jp/dp/4794216815 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ バックナンバーはこちら。 http://www.inose.gr.jp/mailmaga/index.html ご意見・ご感想はメールでどうぞ。 info@inose.gr.jp 配信解除の方はこちら。 http://www.inose.gr.jp/mailmaga.html まぐまぐの配信解除は http://www.mag2.com/m/0000064584.html 猪瀬直樹の公式ホームページはこちら。 http://www.inose.gr.jp/ ○発行 猪瀬直樹事務所 ○編集 猪瀬直樹 ○Copyright (C) 猪瀬直樹事務所 2001-2009 ○リンクはご自由におはりください。ただしこのページは一定期間を過ぎると 削除されることをあらかじめご了解ください。記事、発言等の転載について は事務局までご連絡くださいますよう、お願いします。


