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編集長猪瀬直樹。混迷する現代の諸問題への処方箋を経済を中心に提示します。コンセプトはジャーナリズムと歴史的視点の新しい融合。30歳代の現場人間による寄稿、座談会、書評等で構成しています。

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2009/09/03

[MM日本国の研究562]「失業率5.7%。民主の雇用政策は?」

                  2009年09月03日発行 第0562号 特別
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 ■■■    不安との訣別/再生のカルテ
 ■■■                       編集長 猪瀬直樹
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           猪瀬直樹トーク番組
     
    ■□■ 『東京からはじめよう』(MXテレビ) ■□■  

    次回放送:9月5日(土)21:00-21:55(毎月第1土曜日)
    ゲスト:田原総一朗・ジャーナリスト

 今月は田原総一朗さんをゲストに迎え、民主党が308議席獲得という歴史
的な大勝をおさめた総選挙と今後の展望について語り合います。ジャーナリス
トとして与野党問わず政治の中枢に切り込んできた田原氏と、副知事として、
地方分権委員として霞が関と戦う猪瀬直樹。2人ならではの冴え渡るトークを
お楽しみに。

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 8月30日日曜日、猪瀬直樹はテレビ東京の総選挙特番「ニッポン戦略会議~
あすへの提言~」(総合キャスター:小谷真生子・池上彰、解説:田勢康弘)
に出演しました。
 
 共演者は竹中平蔵、姜尚中、ロバート・A・フェルドマン、北川正恭、榊原
英資、塩川正十郎、田中均、伊藤元重(敬称略)。各分野の専門家がせいぞろ
いし、民主党が打ち出した政策について、専門的な視点からひとつひとつ話し
合いました。

  各局の選挙報道はいかに早く「当確」を示すかに重点が置かれていましたが、
“中小企業”のテレビ東京はそこで勝負せずに少し趣向を変えて持ち味を出そ
うとしたようです。これもひとつのあり方でしょう。
 
 今週のメールマガジンは、4時間に渡る報道の中で、民主党の雇用政策につ
いて話し合った部分の抄録をお送りします。

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「失業率5.7%。民主の雇用政策は?」

【出演者】
●総合キャスター 小谷真生子(WBSキャスター ) /池上彰(フリージャ
 ーナリスト)
●解説 田勢康弘(早稲田大学大学院教授・日経新聞客員コラムニスト)
●会議メンバー (五十音順)
伊藤元重(東京大学大学院教授)/猪瀬直樹(作家・東京都副知事)/姜尚中
(東京大学大学院教授)/北川正恭(早稲田大学大学院教授)/榊原英資
(早稲田大学教授)/塩川正十郎(東洋大学総長)/竹中平蔵(慶應義塾大学
教授)/田中均(日本国際交流センター・シニア・フェロー)/ロバート・A
・フェルドマン(モルガン・スタンレー証券・経済調査部長)


●小谷真生子○ 失業率が過去最悪の5.7%ということを28日金曜日のWB
        Sでお伝えしたんですが、いま若者たちは失業=恐怖である
と捉えていて身動きがとれない状態です。彼らが元気であれば、結婚もすれば
子供も生み、少子高齢化社会に歯止めがかかる。現役世代を元気にしないとい
けないと思います。

 そのために、どういう政策で雇用を確保できるか。また、どういった受け皿
をつくれば、政策を後押しすれば若者が職について安心した生活を送ることが
できるのでしょうか。
 
 まず民主党の雇用政策を見てみましょう。

・職業訓練期間中に月最大10万円
・2カ月以下の派遣契約を禁止
・最低賃金の全国平均1000円

 どれを見ても、雇用の流動化とはいえません。たとえば、職業訓練のあとに
どう仕事につなげるかということが抜けています。「2カ月以下の派遣契約禁
止」については逆に失業者が増えるんじゃないかという方もいます。それから
最低賃金1000円についても、企業サイドからすると人の頭数を減らす方向に向
うのではないかという意見があります。
 
 新たな雇用ではなく、いま雇用されている人の保護にまわっているんじゃ
ないかという声もあります。

●猪瀬直樹○ この問題は抽象的な話にするべきでありません。ハローワーク
       は国でやっているわけですが、地方自治体に渡すべきです。

 たとえば、生活保護というものがありますが、“生活保護漬け”になるのを
恐れて自治体は給付を渋るわけです。だけどやはり困っている人にはすぐ生活
保護を出さなければいけない。
 
 生活保護受給者をすぐ就労につなげるようなかたちにできれば、生活保護か
ら就労へ、地方自治体が一貫生産システムでやればよい。そのためにはハロー
ワークを地方自治体に移して、仕事を見つけやすくするというかたちにもって
いくのがいちばんいいんです。
 
 自民党にも民主党にもハローワークの地方への移管がない。地方分権委員会
の勧告では、出先機関を地方に渡せというなかに、ハローワークの地方への移
管が項目として入っているんですけどね。本当はそういうことが民主党の中か
らも出てきてほしい。そこが大切。
 
「地方分権」が抽象的に聞こえていてはいけない。具体的に身近なものをきち
んと自治体にやらせるように国の権限をよこせということです。

(中略)

●伊藤元重○ (地方だけではなく)大都市も失業率が高いんです。世界全体
       の失業率が高い。今回のマニフェストは「いまどうするか」と
いうことに引きずられていますが、この先にどうやって雇用を生み出していく
かと言うと、やはり経済を元気にしないといけないと思う。やっぱり産業活性
化策が抜けているんですよ。それをこれから出していかないと雇用は増えない。

●ロバート・フェルドマン○ その点で農業委員会の廃止が凄く大切だと思い
              ます。これはプロセスの問題ですが、あれが残
っている限りは土地が自由に使えないし、全体から構造を変えないといけませ
ん。農業委員会の廃止が非常に大切です。

●竹中平蔵○ この1年間で失業者100万人増えているわけです。すごいこ
       とです。それは外的な要因もあったけれど、結局成長戦略を麻
生内閣は全部放棄してしまって経済成長しなくなったから。

 小泉内閣の5年間というのは2%以上の成長をしていたが、じつはそのうち
内需が7割なんですよ。改革して自由にやっていくことによって内需型の成長
はできるということを証明しているんだけれども、結局そういう政策を取るか
どうかということです。

(中略)

 各国が当たり前に取っている政策で日本がやっていないことがあるわけです。
あえて二つ言えば、ひとつは法人税の引き下げなんです。もうひとつは資源を
効率的に配分しないと経済成長しませんから、やっぱり規制緩和なんですね。
 
 各党のマニフェストの中に規制緩和はまったくない。ここを進めない限り、
経済成長はありえません。
 
●榊原英資○ 医療とか教育とか農業の規制緩和は非常に重要です。いま、社
       会主義的な産業になっていますからね。ただ民主党のマニフェ
ストにはそれは入っていなかったね。

(中略)

●竹中平蔵○ 新産業創造のために、日本はすでにアメリカの2倍くらいの予
       算をつかっている。それは霞が関がつかったんですよ。そこは
民主党が言っているように脱官僚にして、ちゃんとつかってもらわないといけ
ない。

(中略)
 
●姜尚中○ この10年間、年間3万人以上が自殺している。小泉改革の時だっ
      て全然下がっていない。三重県津市の人口にあたる人数が10年間
で亡くなったわけです。

 問題は雇用を確保すること。それと同時に経済活力もないといけない。その
ために、九州であれば東アジアと結びついているので、九州は九州連合でいい
んです。ところが全部県単位でやっている。こんなかたちでやっていて規制を
して色々やっている限りはだめですよ。規制緩和の必要な部分と、そしてきち
っとフォローしなければいけない部分とのメリハリがついていない。

 ブレーキばっかり踏んでもダメだけれど、同時にアクセルも踏まないといけ
ない。小泉改革のときにこういうことをやりました、ああいうことをやりまし
たと言っているけれど、実際に青森には(経済活力が)なかったわけで、そう
でなければどうして3万人以上も自殺しているのか。OECDの中でダントツ
なんです。日本と韓国が10万人あたり20数人死んでいる。いちばんひどい。
 
●猪瀬直樹○ いまは地方がかたまってなんとかするって話ではなくて、霞が
       関からできるだけ権限をもってこなければ雇用の問題は解決し
ないという話なのです。

 たとえば雇用能力開発機構が「私の仕事館」だの「スパウザ小田原」だのい
っぱいつくったでしょう。職業訓練はやらせないといけない。しかし職業訓練
は国がさまざまな資格や試験の販売業として官営でたくさんやっている。虎ノ
門にたくさんあるんです。そういうものをひとつひとつ地方にもっていかない
といけない。国の商売みたいなものを地方に渡しなさいよ、と言っているので
す。

 ただ地域がかたまってどうするかという話ではない。霞が関をどうやって分
権化して減らしていって全体の官僚機構を小さくして、地方に自由度を持たせ
るか。地方自治体がひとつの経営体として税源も財源も持つ。そういうところ
に活力が生まれるんです。抽象的に活力が生まれるのではないのです。

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 国民が“誇り”や“志”を持てる政治を」はこちら。
 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090901/177901/
 
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