2009/08/20
[MM日本国の研究560]「高速道路の無料化は民営化否定のごまかしだ」
2009年08月20日発行 第0560号 特別 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■ 日本国の研究 ■■■ 不安との訣別/再生のカルテ ■■■ 編集長 猪瀬直樹 ********************************************************************** http://www.inose.gr.jp/mailmaga/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 8月17日月曜日、猪瀬直樹は「報道ステーション」(テレビ朝日)に出演し、 民主党が政権公約で打ち出した高速道路料金無料化はいかに生煮えの政策か、 もう一度考えるように提言しました。 今週のメールマガジン配信はお休みすると告知しましたが、「報道ステーシ ョン」での説明の補足として、産経新聞8月14日金曜日に掲載されたインタビ ューを配信します。 8月10日発売「文藝春秋」9月号に「『高速道路無料化』最後に笑うのは役 人だ」というタイトルでより詳しく論じています。まだ店頭にありますので、 どうぞ。 「道路の権力」「道路の決着」(いずれも文春文庫)もぜひこの機会に手に とってください。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「高速道路の無料化は民営化否定のごまかしだ」 ■受益者負担に反する --高速道路は無料化できるか 高速道路を利用する車は10台に1台。利用者1人のためにほかの9人まで税 の負担を求められるのは、使った人が払う受益者負担の原則に反する。東日本、 中日本、西日本の3社で年2兆円の料金収入がある。 維持管理費4000億円、残り1・6兆円が借金返済に充てられ、あと41年で計 40兆円を返すことになっている。この借金をどうするのか。国債に付け替える のか。民主党がやろうとしているのはごまかしで、60年償還の赤字国債の発行 だ。年間1・3兆円を一般会計に流し込ませる。そのうえ国営になれば、元の 道路公団よりひどい。 --民営化の否定になる 政権交代しても、霞が関はそう簡単にコントロールできない。株式会社にし て決算の世界に変えるか、地方分権にするかだ。そうしてコストを下げ、無駄 を排除し、二重行政をなくしていく。 談合やファミリー企業の増殖で借金を増やし、さらに3000億円の税金を入れ てもらっていた旧道路公団は、定期的に料金を上げ、利用者にツケを回してき た。しかし民営化により、予算を使い切る世界から利益を出す決算の世界に変 わった。納税もしている。 ■経済効果にも疑問 --民営化は利用者にメリットがあったか 民営化後、通勤時間帯や夜間の割引で料金は平均20%下がった。また、サー ビスエリアなどにスマートインターという出入り口を作って便利にした。3車 線の計画を2車線にするなどで、今後の投資も10兆円減らした。 それぞれの会社が自らいろいろな試みができるようになり、外環道延伸事業 には東日本、中日本、首都高の高速3社が名乗りをあげ、発注を競っている。 今まではありえなかったことだ。民営化によって現状から改革してきたわけで、 ただこういう絵を描きましたというなら誰でも言える。 --無料化は経済効果を生むといわれているが それは疑問だ。政府が緊急経済対策として土日の通行料を1000円にしたら、 ものすごい渋滞が発生している。高速は時間短縮のために料金を払っている部 分がある。 無料化にしたことで、365日渋滞をするようになったら、時間短縮効果は なくなる。物流コストが削減されて、宅配便の料金が少し安くなっても、翌日 着かないということになる。環境面から見ても、政府は2020(平成32)年まで に、二酸化炭素(CO2)を2005年比15パーセント削減としているのに対し、 東京都は2000年比25パーセント削減を実施している。 民主党の1990年比25パーセント削減は空想的。こんな排ガスを増やす政策を やっていたらとても無理だ。 (産経新聞8月14日金曜日掲載) * メールマガジンの感想をお待ちしております。 「日本国の研究」事務局 info@inose.gr.jp 猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■掲載情報 ・8月10日(月)発売「文藝春秋」9月号に論考「『高速無料化』最後に笑う のは役人だ」が掲載されました。 ・日経BPネットの好評連載「猪瀬直樹の『眼からウロコ』」最新号がアップ されました。「地方分権改革への本気度を各党に問う 地方分権委員会の審 議を踏まえ、すみやかに実行すべきだ」はこちら。 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090811/173802/ ・東京都公式ホームページに、財政再建中の北海道夕張市に派遣された東京都 職員のレポートが公開されました。ぜひご覧ください。 http://www.soumu.metro.tokyo.jp/03jinji/yuubari/index.htm ――――――――――――――――――――――――――――――――――― □□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□ 猪瀬直樹新番組・放映開始! ■□■ 『東京からはじめよう』(MXテレビ) ■□■ 次回放送:9月5日(土)21:00-21:55(毎月第1土曜日) 第5回(8/1) ゲスト 渡辺喜美・衆議院議員 第4回(7/4) ゲスト 竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長 第3回(6/6) ゲスト 増田寛也・安心社会実現会議事務局長 第2回(5/2) ゲスト 河野一郎・東京オリンピック招致委員会事務総長 第1回(4/4) ゲスト 丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長 ■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■ ◆◇◆◇◆◇ 猪瀬直樹最新刊 ◇◆◇◆◇◆ ◆◇◆◇ 『霞が関「解体」戦争』 ◇◆◇◆ ◆◇◆ (草思社) ◆◇◆ 日本の権力構造のド真ん中に猪瀬直樹が切り込んだ! 地方分権改革推進委員会を舞台に繰り広げられた 官僚とのバトルを大公開。 何を、どう変えれば日本は再生するのか? この国を覆う閉塞感に風穴をあける痛快な書! 草思社の民事再生第一号です。乞う、応援。 http://www.amazon.co.jp/dp/4794216815 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ バックナンバーはこちら。 http://www.inose.gr.jp/mailmaga/index.html ご意見・ご感想はメールでどうぞ。 info@inose.gr.jp 配信解除の方はこちら。 http://www.inose.gr.jp/mailmaga/index.html まぐまぐの配信解除は http://www.mag2.com/m/0000064584.html 猪瀬直樹の公式ホームページはこちら。 http://www.inose.gr.jp/ ○発行 猪瀬直樹事務所 ○編集 猪瀬直樹 ○Copyright (C) 猪瀬直樹事務所 2001-2009 ○リンクはご自由におはりください。ただしこのページは一定期間を過ぎると 削除されることをあらかじめご了解ください。記事、発言等の転載について は事務局までご連絡くださいますよう、お願いします。


