2009/05/19
[MM日本国の研究547]「国交省が“マネーロンダリング”?」
2009年05月19日発行 第0547号 特別 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■ 日本国の研究 ■■■ 不安との訣別/再生のカルテ ■■■ 編集長 猪瀬直樹 ********************************************************************** http://www.inose.gr.jp/mailmaga/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 先週5月16日(土)朝日新聞朝刊17面(オピニオン面)に、猪瀬直樹のイン タビュー「霞が関の解体法」が掲載されました。 「このまま官僚主権が続けば、日本は滅びる。だけど、そんな夏目漱石の『三 四郎』の先生のような言い方は無責任でしょう。滅びないためにどうするかを 考えるべきなのです」 この言葉のとおり、猪瀬は一貫して霞が関の既得権益やむだ遣いに対してす るどいメスをふるいつづけてきました。そのきっかけととなった10代のころの 発見や、霞が関と戦うための猪瀬流の戦法などインタビュー内容は多岐にわた るものです。まだほんの3日前ですので、朝日新聞がお手元にある方は16日土 曜日朝刊の紙面をめくってみてください。 * 新型インフルエンザの感染が広がるなか、舛添要一厚労相が18日月曜日、水 際対策の縮小と国内対策への切り替えを表明しました。これに先立って開かれ た同日の知事会で猪瀬直樹は舛添厚労相に「現場の声」を伝えています。 本日19日火曜日付けの東京新聞朝刊は「水際対策 転換を要請」との見出し で以下のように報じました。 「新型インフルエンザの問題で、18日に都内で開かれた全国知事会議で、猪瀬 直樹副知事は『国は水際対策を転換してほしい』と述べ、舛添要一厚生労働相 に、国内の対策にシフトするよう求めた。 猪瀬副知事は、米国やメキシコなど新型インフルまん延国から帰国した健康 観察の対象者が、都内で約1万人いることに言及。『保健所は連絡のために、 非常に時間を取られている。このままでは(都内患者の発生時に)戦力を集中 できない』と訴えた」 * この日の知事会のもうひとつのテーマは、直轄負担金の見直しです。地方分 権改革推進委員でもある猪瀬直樹は、国交省から4月30日に示された国直轄事 業について「国交省は負担金を“マネーロンダリング”しているのではない か」と述べ、情報がきちんと開示されなければ「負担金の支払いをストップせ ざるをえない」と表明、橋下大阪府知事も「一緒に行動を起こします」と応じ ました。きょうのメルマガはその発言を詳報します。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「国交省が“マネーロンダリング”? 透明化なければ支払ストップも」 ●猪瀬○ お手元の東京都の袋を開けていただきたいのですが、(国土交通省 から4月30日に直轄事業負担金についての資料が送付されたあと) 5月13日水曜日に、国交省から東京都に対して、平成21年度の直轄事業負担金 に関する説明がありました。これは、各都道府県もだいたい同じ時期にそうい う説明が来ていると思います。 今回の資料はコチラ↓ http://www.inose.gr.jp/mailmaga/mailshousai/zuhyou/090519/1.pdf その説明は、毎年行われている直轄事業負担金にかかる予定額通知の話とほ とんど変わらないので、疑問点が全く解決されていない、事業計画の説明と変 わらないということなので、我われは、これだと負担金の支払をストップせざ るを得ないと、こういうことになります。 とくに、東京都は、維持管理にかかる負担金については廃止をして、工事に かかる負担金は内訳明細を明らかにした上で、適正な額について支払う用意が あるのですが、しかし、示された負担金は、工事にかかる部分と、維持管理に かかる部分とが明確に区分されていないのです。これは誠に遺憾です。 具体的に言えば、2ページに別紙資料を付けていますが、分からないところ だらけ。 例えば、人件費では、(直轄負担金プロジェクトチームの)二井さん(山口 県知事)のご指摘もありましたように、本来、雇用主が支払うべき国の職員の 退職金まで、なぜ地方が負担しなければならないのか。 また、事業と直接関係のない、本局の一部や関東技術事務所、国土技術政策 総合研究所の職員の人件費までを、なぜ地方が支払う必要があるのか。 また、宿舎、営繕宿舎費というのがあるが、宿舎や事務所の経費を負担する とされているが、例えば、ダム工事など山奥での作業に必要な仮設の宿舎なら まだしも理解できるが、なぜ、職員宿舎まで地方が負担するのか。また、事業 所については、先日の説明で、関東地方整備局の企画部長が「直轄事業では地 方に負担させ、補助事業では、仮設的なものだけで、土木事務所などは対象外 としていることはアンバランスだ」と自ら認めていました。 さらに、業務取扱費の中の「諸謝金」というのがあるが、誰に対する、どの ような謝金なのか全く分からない。 付け加えて言わせていただくと、国土交通省の説明にも、相変わらず都道府 県の土木担当の部署だけが出席しているのではないか思うので、地方分権を担 当する部署が一緒になって聞かないと、国土交通省の思うままになってしまう のではないか。 他の都道府県の方々も地方分権の担当と土木の担当と一緒に対応するように したらどうかと思うのですが、いずれにしろ、どの県もたった1回の説明会で は、説明不足だと感じていると思う。地方が住民に対する説明責任を果たせる まで国土交通省は説明を行うよう、知事会としても、重ねて強く申し入れるべ きではないか。 ○国交省の“偽装”● つぎに、東京都におけるシンボリック的な例示として、「建替え」の案件を 一つだけ示したい。3ページですけれども、写真がありますけど、東京都に示 された資料の中に「金杉橋出張所の建替えについて」という記載がありました。 ところが、この建物については、3月31日に国土交通省が発表した「地方公 共団体への営繕費の説明状況に関する点検結果」では、建替等の理由としては 「老朽化による建替」とされていました。 普通に考えれば、同じ場所での建替えと考えるはずですが、しかし、国土交 通省のホームページで検索して、「入札公告」で確認すると、「金杉橋出張所 “他”建築工事」という名前がついていて、実は、現建物から直線で約4キロ 南の品川区八潮1丁目で、別の建物の新設工事であることが判明した。 もし移転するならば、現在の「金杉橋出張所」の跡地はどうするのか。売却 ならば、売却代金は新設の庁舎の建設財源になるのか。転用ならば、老朽化が 進んでいるので何に活用するのか。あるいは、両方とも使用するつもりなのか、 全く説明がない。 この土地は「港区芝」という都心の一等地で、国道15号に面した角地である ことを考えると、仮にこの土地を売却した場合、相当の額、まあ、公示地価だ と6億円位になるが、国土交通省に聞いたところ、その売却収入は道路特別会 計という国庫に入るという説明だった。これは、いわば直轄事業負担金の“マ ネーロンダリング”じゃないか。 こんなことがこれからドンドン続けば、国は必要でなくなった土地、地方か ら負担金で取得した土地をバンバン売って、国だけが儲かることになる。国に はメリットがあって、地方には何のメリットもない、恩恵もない、不公平な、 不条理な話になるわけだ。ですから、皆さんの場所にも同じものが、こういう 例があると思うので、具体的に探していただけると、わかりやすいのではない かと思います。 つぎの4ページ、資料3ですが、これは、4月30日に示された資料をひとつ ひとつ見て確認したら、色々問題点があって、こういう質問をぶつけています。 これ、ほとんど同じフォーマットで各都道府県に来ていますから、参考にして もらえればと思います。 未だにこれだけ疑問点を挙げても、回答が無い。まだまだ、これからもどん どん疑問が出てきます。 細かく見て、よく見ていって頂いて、各地方整備局に、たたみ掛けるように 説明を求めないと、「もうこれで説明したからいいだろう」というふうになっ て、逃げられてしまう可能性があるので、できるだけ、説明責任を果たすため にも、しつこく、しつこく、こういうことを確認していってもらいたいと思い ます。 それからつぎ、5ページ、資料4ですが、これは、5月14日の政府の地方分 権改革推進委員会で作成したもので、国土交通省に要求したものです。 すでにご承知だと思いますが、最初の「直轄工事負担金関連」では、国土交 通省が、地方自治体に提出した、あるいは提出予定の負担金の根拠となる詳細 な資料すべて、委員会として提出するように求めています。 もう一つは、国の出先機関の合同庁舎建設関連ですが、合同庁舎の建設にあ たっては、委員会として建設凍結を要請してきたにもかかわらず、いつの間に か凍結が解除され、建設が始まっている。このことについては、分権委員会と しては、今までの過去の建設実績、将来の予定について詳細なデータを要求し ているところです。 もう一つ、最後ですが、平成20年度の開示情報ですが、基本的に求めている のは、実績、決算のほうですから、平成20年度の情報開示が未だに無いわけで、 これどうなっていると。先ほどの予定の平成21年度のやつを8月まで待ってい るということではなくて、やっぱり平成20年度のやつをすぐ出してくれと、こ う言うしかないですね。 それで、とにかく、先ほどの金杉橋の例のように、まさにマネーロンダリン グのようなことをやっているところが全国絶対あるんです。これをもっと積み 重ねていって、二井さんのところでもう一度、再まとめしていただいて、それ で各都道府県にもう1回戻して、共通事例を共有していきたいということでお 願いしたいと思います。よろしくお願いします。 (参考) 直轄負担金の情報開示については、日経BPネットの連載コラム「目からウロ コ」でも紹介しています。 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090512/151712/ * メールマガジンの感想をお待ちしております。 「日本国の研究」事務局 info@inose.gr.jp 猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■掲載情報 ・5月16日(土)朝日新聞朝刊17面(オピニオン面)に大型インタビュー「霞 が関の解体法」が掲載されました! ・日経BPネットの好評連載「猪瀬直樹の『眼からウロコ』」最新号がアップ されました。「夕張の中学生17人、都庁で地元特産品をPR 汗をかきながら 『夕張』を訴えた子どもたちは希望の光だ」はこちら。 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090519/153552/ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― □□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□ 猪瀬直樹新番組・放映開始! ■□■ 『東京からはじめよう』(MXテレビ) ■□■ 次回放送:6月6日(土)21:00−21:55(毎月第1土曜日) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 猪瀬直樹がホストをつとめ、毎回多彩なゲスト迎えて「東京のいま」を語る トーク番組がはじまりました! 07年6月の東京都副知事就任時、猪瀬は「東京は世界との経済戦争に勝って いかなければならない任務を帯びている。日本という国の全体のためにも東京 の力が必要だろうと思っています」と語りました。 新番組『東京からはじめよう』では、日本全体を牽引する役割を担う東京都 の現状と問題点、さらにはその解決策を各分野のスペシャリストを招いて探り ます。 第2回(5/2) ゲスト 河野一郎・東京オリンピック招致委員会事務総長 第1回(4/4) ゲスト 丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長 ■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■ ◆◇◆◇◆◇ 猪瀬直樹最新刊 ◇◆◇◆◇◆ ◆◇◆◇ 『霞が関「解体」戦争』 ◇◆◇◆ ◆◇◆ (草思社) ◆◇◆ 日本の権力構造のド真ん中に猪瀬直樹が切り込んだ! 地方分権改革推進委員会を舞台に繰り広げられた 官僚とのバトルを大公開。 何を、どう変えれば日本は再生するのか? 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