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編集長猪瀬直樹。混迷する現代の諸問題への処方箋を経済を中心に提示します。コンセプトはジャーナリズムと歴史的視点の新しい融合。30歳代の現場人間による寄稿、座談会、書評等で構成しています。

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2009/05/14

[MM日本国の研究546]「高速無料化より『2兆円国道』の地方移管を急げ」

                  2009年05月14日発行 第0546号 特別
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 ■■■    日本国の研究           
 ■■■    不安との訣別/再生のカルテ
 ■■■                       編集長 猪瀬直樹
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              http://www.inose.gr.jp/mailmaga/index.html

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 昨日13日水曜日、財政再建中の北海道夕張市から上京した中学生17人が都庁
の「全国観光PRコーナー」を訪れ、「夕張メロンPR大作戦」と題して夕張の特
産品が詰まった「夕張に福よ来い福袋」や夕張メロンの販売予約など地元特産
品のPRを行ないました。

 今回訪れたのは夕張市立緑陽中学の3年生。猪瀬直樹の発案で職員2人を夕
張市に派遣している東京都の招きで都庁にやってきました。猪瀬直樹も彼らの
もとを訪れ、「夕張がオンリーワンだと全国のみなさんにアピールしよう」と
激励しました。

 13日水曜日の東京新聞夕刊は以下のように報じています。

「財政破綻した北海道夕張市の中学生17人が13日、東京・西新宿の都庁で、夕
張メロンなど地元特産品のPRを行なった。

 訪れたのは夕張市立緑陽中学中の3年生全員。地域を元気にしようと、特産
品販売の手伝いなどを続けている。夕張市に職員2人を派遣するなど支援して
いる都の招きで訪れた。
 
 猪瀬直樹副知事の激励を受けた中学生たちは『私たちの夕張市をこれから盛
り上げていきたい』とあいさつ。PR会場で夕張市の銘菓などが入った福袋を販
売したり、夕張メロンの予約販売を受け付けたりした。
 
 中学生の1人、工藤凌司君(14)は『(市には)お金がないらしいけど、お
いしいものがいっぱいある夕張をPRして、たくさんの人に来てもらえれば』と
話した」

 また、昨日13日水曜日の「報道ステーション」のラテ欄に「破たん夕張助け
たい 廃校目前中学の生徒が上京して……」とありましたが、岡田克也副代表
の出演がきまり、予定されていた内容は、明日15日金曜日に放映されることの
ようです。
 
                *  

 今週のメールマガジンは『週刊ポスト』4月17日号掲載「高速無料化より
『2兆円国道』の地方移管を急げ」をお送りします。

 この中で猪瀬が指摘している通り、高速道路を利用するのはドライバーの10
人のうち1人程度にすぎません。高速道路無料化は本当に国民の便益にかなっ
ているのでしょうか?今週のメールマガジンを読んでいただければ、それがわ
かります。

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「高速無料化より『2兆円国道』の地方移管を急げ」

 去る3月25日に民主党がまとめた「高速道路政策大綱」、いわゆる高速無料
化プランを見て呆れ返った。無料化に際しては、現在、独立行政法人「日本高
速道路保有・債務返済機構」が抱える35兆円の債務を新たな国民負担で、60年
かけて償還するというのである。
 
 2001年、僕が道路公団の民営化を提案した際、公団の累積債務は約38兆円あ
った。この額は、国鉄が抱えていた債務(約37兆円)とほぼ同じ。国鉄は、87
年に民営化されたが、11年後に借金の約3分の2が税金で肩代わりされ、国民
の批判を浴びた。
 
 国鉄の際は元本が年間4000億円ずつ60年間、さらに金利は年間6600億円ずつ
の返済である。今回の民主党案では、財務負担は元本5600億円、利息支払い70
00億円ずつの年1兆2600億円となっている。国民にツケを回した国鉄の債務処
理と同じ狡猾なやり方だ。
 
 道路公団民営化とは、「予算の世界から決算の世界へ変える」ことを意味す
る。
 
 公団ファミリー企業への丸投げ談合体質を徹底的に見直し、年間6000億円の
管理費を約4000億円まで減らした。一方、今後の投資(道路建設)は第2東名
の3車線計画を2車線に変更させるなど費用対効果の見直しで、20兆円から10
兆円以下に半減させた。

 つまり、「予算をどうやって使い切るか」という“官の体質”を、「決算で
どれだけの業績を上げるか」という“民の常識”に変えたのである。こうした
取り組みの成果が平均2割の料金値下げであり、旧公団系3社(※1)は年間
2兆円の収入を得て、うち1兆5000億円で債務を返済し、税金を投入せずとも
45年間で完済するスキームである。キャッシュフローがあるからできるのだ。
 
 無料化とは、返済計画の原資を失うことを意味する。受益者負担の原則にも
反する。高速道路を利用するのはドライバーの10人のうち1人程度だ。しかし、
無料化となれば、高速の利用者以外、さらにはドライバー以外にも税金の負担
が及ぶ。わかりやすくいえば、高級レストランで食事をしてきたら「タダで結
構です」といわれた。喜んで帰ったら、近隣の9軒にも請求書が送られていた
―という、誤魔化しである。
 
 さて、こうしな中で、ETC搭載車を対象とした「今後2年間、土日祝日の
高速1000円乗り放題」が、麻生政権の2次補正予算成立によって実現した。
 
 この値下げによる料金収入減を補填するために、2年間で5000億円の税金が
投入される。ただし、この税金は景気対策を目的として投じられるものであり、
全額が利用者に還元される。公団時代の「無駄な事業で生じた借金の穴埋め」
とは全く別物だ。高速道路会社の割引による減収額イコール税金投入額だから、
経営規律を緩めたわけではなく、債務の自力返済スケジュールも変わらない。
それをあたかも「民営化前に逆行した」とするのはメディアのミスリードであ
る。
 
 また、前号の『週刊ポスト』では、「乗り放題」が“ETC搭載キャンペー
ン”であり、「セットアップ料(※2)や「鍵使用料(※3)」を得る国交省
天下り団体・ORSE(高速道路システム高度化推進機構)の利権拡大だとしてい
るが、それは間違いである。僕が民営化委員をしていた時代に、セットアップ
料のORSEの取り分は事実上廃止(※4)させたことも付け加えておく。
 
 現在、全ドライバーに対するETC普及率は約3割だが、高速道路利用者の
うち、80%がETCを搭載している。前号で登場したETCを批判する織方弘
道氏は、偽造だらけのハイウェイカードを一手に引き受けていた旧公団ファミ
リー企業の社長だったことを忘れてはならない。
 
 むしろ、僕が声を大にしていいたいのは、「もうひとつの2兆円道路=直轄
国道」の改革だ。
 
 現在、国交省出先機関の地方整備局は職員約2万1000人、予算規模8兆円の
組織で、このうち国道事務所には約6000人、予算規模は約2兆円となっている
(他は河川事務所など)。道路公団の民営化が軌道に乗ったいま、この直轄国
道の地方移管こそ「第2の道路改革」の焦点といえる。
 
 昨年末、地方分権改革推進委員会は、国の出先機関職員(全機関で9万6000
人)の36%にあたる3万5000人削減を決議した。その改革の手始めが、直轄道
路の地方移管である。
 
 東京の都心を例に取ると、皇居を囲む内堀通り(環状1号線)には、国道1
号線や20号線などが紛れ込んでおり、3分の1を占める国道部分は国が管理し
ている。そのため都市政策の中心となる環状線にもかかわらず、街路樹の整備
などに統一感が得られない。同様の状態は、地方の県庁所在地の中心部にも見
受けられる。
 
 県境をまたぐバイパスなどを除けば、国道は地方の管理に委ねるのが地方分
権の考え方である。
 
 国の出先機関の無駄遣いの実態は、道路特定財源がマッサージチェアや事務
所長の豪華専用車に消えていたという事実が物語っている。直轄国道の建設に
は都道府県が約3分の1を負担させられている。その明細が示されないため、
無駄遣いが続いているのだ。まるで「ぼったくりバー」(橋下徹・大阪府知
事)である。
 
 一方、地方自治体に任せれば議会を通して住民の監視の目が行き届きやすく、
実際、道路整備のコストは国よりも地方の方がはるかに安い。
 
「有料道路は官から民へ」、そして「無料道路(直轄国道)は国から地方へ」
―。これが道路改革の根幹である。民営化を逆行させる高速無料化より、国道
の地方移管で道路改革をさらに一歩進めるべきなのだ。
 
※1 旧公団系3社/道路公団は6つの高速道路会社に分割された。そのうち
規模の大きい東日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、中日本高速
道路株式会社の3社

※2 セットアップ料/ETC車載器の設置に際し、機器の代金とは別に車種
などの情報を入力する「セットアップ」にかかる代金

※3 鍵使用料/ORSEが開発したETC車載器とETCレーンの間で無線交信
を暗号化したものが「鍵情報」。車載器製造、ETCカード発行、レーン設置
に際してはこの情報を使用する「鍵使用料」が発生する

※4 事実上廃止/04年11月から現在まで、ORSEは「セットアップ料還元キャ
ンペーン」を実施している

                  (週刊ポスト 09年4月17日号掲載)
                  
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猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■テレビ出演

・5月18日(月)21:00〜21:55 テレビ朝日「テレビタックル」に出演しま
 す。テーマは「〜民主党新代表誕生!永田町ガチバトル勃発!!〜」です。

■掲載情報

・5月16日(土)朝日新聞をお楽しみに!

・日経BPネットの好評連載「猪瀬直樹の『眼からウロコ』」最新号がアップ
 されました。「突っ込みどころ満載、負担金の情報公開 国交省は連休直前
 に、直轄負担金の「内訳」を出してきた』では安易すぎる」はこちら。
 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090512/151712/

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         猪瀬直樹新番組・放映開始!
     
    ■□■ 『東京からはじめよう』(MXテレビ) ■□■  

    次回放送:6月6日(土)21:00−21:55(毎月第1土曜日)
          
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 猪瀬直樹がホストをつとめ、毎回多彩なゲスト迎えて「東京のいま」を語る
トーク番組がはじまりました!
 
 07年6月の東京都副知事就任時、猪瀬は「東京は世界との経済戦争に勝って
いかなければならない任務を帯びている。日本という国の全体のためにも東京
の力が必要だろうと思っています」と語りました。
 
 新番組『東京からはじめよう』では、日本全体を牽引する役割を担う東京都
の現状と問題点、さらにはその解決策を各分野のスペシャリストを招いて探り
ます。

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       地方分権改革推進委員会を舞台に繰り広げられた
               官僚とのバトルを大公開。
         何を、どう変えれば日本は再生するのか? 
       この国を覆う閉塞感に風穴をあける痛快な書!
       
       草思社の民事再生第一号です。乞う、応援。

        http://www.amazon.co.jp/dp/4794216815

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