2005/08/21
【国見弥一の銀嶺便り】 (04/08/21 vol.363)
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国見弥一の銀嶺便り
http://homepage2.nifty.com/kunimi-yaichi/ 04/08/21 vol.363
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皆さん、こんにちは。残暑、厳しいですね。猛暑が…もうしょっと続きそうです。
秋めいてからが長ーい残暑かな
★動物生態学者の中村方子氏とミミズの研究
金曜日はタクシーの営業の日。まだお盆気分が抜けないのか、仕事のほうは今一つ、
パッとしない。となると、楽しみなのはラジオと読書である。
車中に持ち込む本は、読みやすい本、活字の大き目の本、本としては嵩張らないも
のという選択基準があって、金曜日は前日に図書館で借りてきた、池田 晶子著の『オ
ン!―埴谷雄高との形而上対話』(講談社刊)である:
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062077159
念のため、出版社側のレビューだけ転記しておくと、「埴谷を興奮させた50歳下の
若き女性哲学者ハニヤユタカ、イケダアキコ、それぞれの固有名で扮装した「よく似
た意識」が遭遇して9年。思想史上のエポックともいうべき86年と92年の対話、流浪
の処女論考「埴谷論」の決定稿、ほか、この1冊が、埴谷雄高を「難解」から解き放つ。
いざ、スイッチ・オン!」だとか。
本書については後日、採り上げることがあるかもしれない。
ラジオでは音楽とニュース番組を主に聴いている(勿論、お客様が乗られている間
は、ボリュームを下げるかオフにする)。
金曜日もあれこれ音楽を聴いたり、話を聴くことができたが、そんな中、小生には
初耳の名前だが、動物生態学者である中村方子氏の話を聴けたので、せっかくなので
メモ書きしておきたい。
話は、NHK関西発ラジオ深夜便[インタビューシリーズ「私の戦後60年」アンコ
ール(5)]でのこと。アンコール(5)とあるが、小生が聞いたのは、昨夜が最初
で今のところ最後である。
何故、敢えてメモする気になったかというと、枯葉剤(ダイオキシン)を是認する
研究を拒否したため、研究室の教授によって干され、全く研究できないまま15年、
耐え続けたという根性に感動したからである。
企業や社会の要請があってこその研究であり、研究費の助成がある。少々の社会へ
の負の影響があっても目を瞑ってこそ、研究が続けられるという現実がある。
そんな中にあって、信念とはいえ、是は是、否は否としていたら、学者などやって
いられない…。でも、彼女は、教授の指導する枯葉剤(ダイオキシン)を是認する研
究に対し、否という姿勢を貫いてしまった。15年も。
ダイオキシンもそうだが、水俣病でも、一部の研究者には早くから当該企業の垂れ
流す有機水銀の環境や魚介類、人体への悪影響は認識されていたが、国や自治体、企
業、一部の住民の利益や利害を優先したために、十年以上も対策が遅れてしまったと
いう現実がある。
悲しい現実である。あるいはアスベストの被害も、行政側や企業側(産業界)など
の都合が優先された結果、一部の研究者が仮に認識していても、早い段階の対策に繋
がらなかったのかもしれない。
ラジオで聞きかじった話によると、研究室で久しく燻っていて、後に続く若手から、
彼女が研究室から去ることを期待されながらも(彼女がいなくなることで助手のポス
トが空く!)頑張ってきた彼女を救ったのは、海外の大学(研究機関)だったという。
新天地で彼女は研究する喜びに出会ったのだし、今日の彼女(の研究)に繋がるわ
けである。
全く、日本という国の内向きなこと!
さて、中村方子氏のことは初耳である。また、彼女の著書は全く未知であり、当然
ながら未読である。
ただ、今後のため、どんな本があるか、調べておくことにする。機会があれば、読
むこともあるだろう。
まずは、『ミミズに魅せられて半世紀』(新日本出版社)で、出版社側のレビュー
によると、「荒れ地を変え、土壌をつくるミミズの役割を論じたダーウィンの著書に
ふれて、ミミズ博士になった女性科学者の半生。枯葉剤を是認する研究を拒否し、女
性差別に屈せず、ガラパゴスやギアナ高地などを駆けめぐる博士の奮戦記。」とか:
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4406028366/250-1311980-6997869
順番が違うかもしれないが、このサイトには著者略歴が載っているので、転載して
おくと、「1930年東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部動物学科卒。理学博士。東
京都立大学理学部助手を経て、現・中央大学経済学部名誉教授(生命科学担当) 」とか。
ほかに、『ヒトとミミズの生活誌』(吉川弘文館、歴史文化ライブラリー)があり、
同じくレビューによると、「四億年以上地球上に生きつづけてきたミミズとヒトは、
どんな係わりをもってきたのだろうか。その考察のうえにミミズが生態系にいかに重
要な生物であるかを示し、今日の環境破壊に警鐘を鳴らす。」とある:
http://www.bk1.co.jp/product/01548655
さらに、『ミミズのいる地球 大陸移動の生き証人』(中公新書)があって、レビ
ューでは、「地球上に登場して四億年の歴史を有するミミズは、その分布から大陸移
動の根拠を与えてくれる。また、ダーウィンの晩年の書物『ミミズと土』にあるよう
に、ミミズは生態系の一端を担っている。著者はポーランドでの生態学調査を皮切り
に、ケニア、ハワイ、モンゴル、ガラパゴス等々へ、シャベル持参で採集調査に出か
けて、思いがけぬ発見をする。オーストラリアへは巨大ミミズの見学に訪れる。小さ
なミミズが大きく見える異色の本。」となっている:
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121012984
最後の『ミミズのいる地球』へのレビューにもあるように、中村方子氏は、ダーウ
ィンによるミミズの研究を(気持ちの上で)受け継ぐ形で研究している。
このことは、「ダーウィンが始めたミミズ研究」という対談などでも、彼女の話と
して伺うことが出来る:
http://www.athome.co.jp/academy/zoology/zoo02.html
彼女の動物への興味は、「生き物に対してはっきりとした興味を持つようになった
のは、4歳の夏です。小さい頃は、夏になると毎日セミを追いかけていましたが、あ
る朝、真っ白なアブラゼミを見つけたんです。いつも見ているセミと違うなと不思議
に思ってじっと見ていると、その真っ白な羽の中にスッ、スッと体液が流れていく、
そしてだんだん見慣れているセミの姿に変わっていったんです。それはすごく感動的
でした。」とあるように、筋金入りである。
偏見かもしれないが、今はともかく(恐らく今でも)彼女がお子さんの頃は、女の
子のくせになどと言われたのではないかと思ったが、さにあらず、「私は小さい頃か
ら「女の子だからそんなことをしてはいけません」とか「女の子だからこうしなさい」
といったようなことは一度も言われずに育ちましたので、そのまんま、動物学科に進
んでしまったんです」だって。
彼女がミミズ(の研究)に関心を抱いたのは、「大学3年生の夏休みに、チャールズ・
ダーウィンの晩年の著書「ミミズと土」(1881年)を読んだんです。それがたいへん
面白くて、そこからミミズに対する興味が湧いたんです」という。
進化論で有名なダーウィンだが、彼は終生、ミミズの研究に関心を抱き続けていた
ことは知られている。
小生も、デヴィッド・W・ウォルフ著『地中生命の驚異』(長野敬+赤松眞紀訳、
青土社刊)の感想文の中で、この件について多少、触れている:
http://atky.cocolog-nifty.com/manyo/2004/12/post_2.html
なんたって、「本書の帯には、大きな文字で、「ダーウィンはなぜ、ミミズに熱中
したのか?」」とあったりするのだ!
とにかく、対談の中にあるように、ゴキブリと比べてもミミズは地味な存在である。
目立たない。だから日本でも研究が遅れて来たのだと中村氏は語っている。「だけど、
恐いのは、ミミズが住めなくなった土地というのは、結構大きな問題だということに、
あまり皆さん気づいていないということです」という中村氏の指摘は、以って銘すべ
きだろうし、近年は、ミミズの住めない土壌(土地)は危ないのだということなどは、
少しずつ理解されつつあるのではなかろうか。
○ 著者の日々の執筆は↓:
「無精庵徒然草」
http://atky.cocolog-nifty.com/
○ 著者の本宅は:
「国見弥一の部屋へようこそ」
http://homepage2.nifty.com/kunimi-yaichi/
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http://www.mag2.com/m/0000063087.htm


