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迫りくる動乱。届かない想い。人間たちはままならぬ運命に翻弄されながら歴史を刻み続けていく──自らの生きる意味を見つけだすために。ポラスニア王国を舞台に語られる異世界ファンタジー。

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2009/10/17

【日刊☆石獣通信】(2009/10/17)

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*  日刊☆石獣通信-Daily Gargoyles News-  Vol.3099  2009/10/17(SAT)発行
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*[1] 指北星戦記 混沌と黎明の横顔 第21章:華火の夢魔 (1124話)
*[2] 編集後記

[1] 指北星戦記 混沌と黎明の横顔 第21章:華火の夢魔 (1124話)

「ねぇ、あなたはどうして花精たちの紡ぐ意識の中に迷い込んだのかしら。夢
魔の力が人界に溢れるほど、わたしの作り上げた結界は弱っていたの?」
 番人の意識が存在していたと知っただけで動揺し、世界の均衡を保つために
張ってあった結界に綻びを生じさせてしまったとしたら、自分の力は随分と弱っ
てしまっていると考えるべきなのだろうか。
「それとも、あなたには結界を突き破るような特別な力が備わっているのかし
ら。潮騒の子らが我ら一族の魔力を弾いたような正反対の力があるとしたら、
あなたが第四の者を抑えている間は世界の均衡は崩れないでしょうに」
 詮無い望みを口にしていると己自身が一番理解していた。魔力を持たぬ人の
子に天秤棒を支える者の手綱を引けなどと、どうして頼めようか。この子にも
大切な者がいように。それらの者を捨ててこちらの世界へ来いとは言えない。
「愚かなことを言ったわ。これでは花精たちの暴挙を叱責できないわね」
 自嘲を呑み込み、アジェンティアは腕の中で熟睡する幼子を頭上に掲げた。
「人よ。愛し子を返しましょう。この者を在るべき場所へ帰しなさい。そして
二度と竜たちの夢に迷い込まぬよう、固き絆を結びなさい」
 心地よい眠りに浸っていた幼子がむずがる。眠りが浅くなっているに違いな
い。急がねば眼を醒ましてしまう。このような場所で眼を醒ませば、ひどく混
乱するだろう。心を乱したままでは本来の器に帰れなくなってしまう。
「いい子ね。あなたの大切な人の側に帰りなさい。わたしと再びまみえること
がないよう祈っているわ。……さぁ、迎えが来たわよ」
 ゴゥンと空気が唸り、アジェンティアの髪を逆立てた。銀の娘(アジェンティ
ア)の由来であるはずの髪が今は蒼い空に溶け込む青銀の輝きを放ち、容赦なく
彼女の白い頬を叩く。
 うねる風が竜巻となり、アジェンティアと幼子を取り込んだ。
「さようなら。あなたの目覚めが少しでも穏やかであることを祈るわ」
 手から柔らかな温もりが消えていく。風に舞う煌めきが幼子を連れ去ったの
を確認すると、彼女は表情を引き締め、飛び出してきた空間の裂け目を振り返っ
た。そこには茫洋とした輝きを放つ世界が広がっている。
「あなたの好きにはさせないわよ、バチン。わたしが番人の力を受け継いだの
は母の敵討ちのためだけではないのだから」
 再び裂け目に飛び込む女には悲壮な覚悟が見て取れた。が、その横顔を見守
る者はどこにも見当たらなかった。

To be continued. 続きが気になる?[ http://tinyurl.com/5rz89 ポチッとな]

[2] 編集後記

毎度ご購読ありがとうございます。
ムーヴィングノベライターの乙羽紗知歩(おとわさちほ)でーす。

今日の編集後記はお休みですー。

では、明日もポラスニア王国でお逢いしましょう。アディオースッ!(^O^)ノ"

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* 発行責任者 : 乙羽紗知歩 -sachiho otowa-
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