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「良いジャズを分かりやすく!」。全国コミュニティFMと衛星ラジオ・ミュージックバードにて好評放送中のジャズ番組「快楽ジャズ通信」のパーソナリティ・高野雲が、「ジャズの楽しさ・聴きどころ・アルバムの紹介」など、ジャズにまつわる「役立ち情報」をお届けします。初心者からマニアの方まで、お気軽にどうぞ!

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2009/06/08

【Jazz Magazine】 vol.1038

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 ♪ジミー・スミスが亡くなる10年前(1995年)に吹きこんだ
  ファンキーナンバーを中心に演奏した、
  ノリノリ名盤の紹介です。
 


━▼本日のアルバム━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━♪

『ダム!』(ヴァーヴ)

 ジミー・スミス

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ジミー・スミスが1995年にニューヨークのパワーステーションでレコー
ディングをした本作『ダム!』は、ジェームス・ブラウンのゴキゲンな
ナンバー《パパ・ゴット・ア・ブランド・ニュー・バッグ》で始まる。

いきなりファンキーなノリ全開の演奏で、グッと耳を引きつけられるが、
次曲はホレス・シルヴァー作曲の、これまたファンキー名曲の3本指に
はいる《シスター・セディ》と容赦ないファンキー攻撃。

さらに、ハービー・ハンコックの《ウォーター・メロンマン》に、
ボビー・ティモンズの《ジス・ヒア》、
ランディ・ウェストンの《ハイ・フライ》……。

よくぞまぁ、これだけキャッチーでファンキーなヒットナンバーを集め
てくれましたと言わんばかりの選曲だ。


もうこれはジャズ好きのみならず、むしろソウル、R&B、ファンク好きが
垂涎の内容なのではないか?


ジミー・スミスのオルガンプレイは言うまでもなく、全編に渡って柔軟
なリズムを刻むマーク・ホイットフィールドのリズムギターに、手堅い
音圧で底辺を支えるクリスチャン・マクブライドのベースワークと、一
貫して安定したグルーヴを提供しつづけるリズム隊のサポートも素晴ら
しい。


ホーン時は、まるで、彼の過去の代表作『ザ・キャット』を彷彿とさせ
る華麗さ。


トランペットにニコラス・ペイトンとロイ・ハーグローブ、サックスに
はロン・ブレイク、マーク・ターナーなどのベテラン陣を配し、ゴージ
ャスで勢いのある演奏が展開される。


しかし、苛烈にグルーヴしまくり、コテコテに超真っ黒な演奏なのかと
いうと、じつはそうでもなく、演奏のボルテージをほんの少しアッサリ
目に調整されているように感じることも確か。


これはおそらく、あまりにコテコテ&ファンキー過ぎると、選曲が選曲
ゆえ、リスナーが数曲でお腹いっぱいになってしまうことを配慮してい
るのではないか?


私の場合は、ノリノリな演奏が続くにもかかわらず、このアルバムを1
枚、まるごとぶっ通しで聴いてもまったく疲れないのだ。昨日は4回も
通し聴きをしたが、心地よい疲労感を感じるものの、グッタリした疲れ
はまったく感じなかった。


そのへんのファンキー温度の湯加減は、さすがに引き際をも心得た大人
な演奏なのかもしれない。


冒頭では、ファンキーナンバーばかりを紹介したが、それ以外にも《ウ
ディン・ユー》や、《スクラップル・フロム・ジ・アップル》のような
バップナンバーも演奏されている。


もちろん、演奏姿勢は、ファンキーナンバーと変わることなく「ファン
キー! ファンキー!」の一言に尽きることは言うまでもない。


特に私は、《スクラップル・フロム・ジ・アップル》のテーマのサビの
オルガンが好きだ。


このバップナンバーは、テーマのサビの8小節は、管楽器やピアノなど、
スポットを当てたい楽器がアドリブを展開する「見せ場」として機能す
る箇所でもある。


だから、リスナーとしては、「この8小節、(大人数編成の場合は)誰
がソロを取るのだろう?」という興味と、「この8小節にどんな自己主
張が込められるのだろう?」という期待感がある。


演奏者もこの8小節のスペースを使い、せいいっぱいの自己アピールを
することが多い。


では、ジミー・スミスはこの8小節のスペースをどう利用したのかとい
うと……。 


♪びゃぁ〜、びゃぁ〜とコードの和音を押さえっぱなしの地味なアプロ
ーチなのだ。
しかし、これは手抜きではないと思う。
その前後が管楽器のアンサンブルでサウンドのボルテージが高いゆえ、
流れにメリハリをつけるために、あえてハイテンションの中に“窪み”
を設けたのではないか?


この8小節をあえて低空飛行なアプローチをすることで、逆にオルガ
ンの存在を効果的に主張しているのだ。


なにがなんでもシャカリキになる必要はないんだよ、と彼の余裕たっ
ぷりの笑顔が浮かんできそうな、さり気なくも心憎いアプローチだと
思う。


このような、ジミー・スミス、大人の余裕たっぷりのファンキーアル
バムが『ダム!』なのだ。


イヤなことがあったとき、疲れたときにこれをかければ、
軽やかに心のモードチェンジが可能なはず。


┏▼アルバムジャケットは、
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 http://cafemontmartre.jp/jazz/S/damn.html

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『DAMN!』 (Verve)
 Jimmy Smith

   1. Papa's Got A Brand New Bag
   2. Sister Sadie
   3. Woody 'N' You
   4. One Before This
   5. Watermelon Man
   6. This Here
   7. Scrapple From The Apple
   8. Hi-Fly
   9. Mode


  Jimmy Smith (org)
  Roy Hargrove (tp) #1,3,5,6,7
  Nicholas Payton (tp) #1,3,5,7,8
  Abraham Burton (as) #2,9
  Ron Blake (ts) #4,5,9
  Mark Turner (ts) #4,6,7
  Tim Warfield (ts) #2,4,5,9
  Mark Whitfield (g)
  Christian McBride (b)
  Bernard Purdie (ds) #1,5
  Arthur Taylor (ds) #2,3,4,6,7,8,9

  1995/1/24&25


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