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2008/03/10

【Jazz Magazine】 vol.882

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【Jazz Magazine】《ジャズのメールマガジン》

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───────────────[2008/03/10配信:発行部数:3,079]──

▼本日のアルバム

『アイアン・マン』(ダグラス)

 エリック・ドルフィー

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上級者向けのドルフィーアルバム。

……って書くと、音楽に上級も中級もあるのかよ! と怒られそうだが、
少なくともドルフィーを聴いたことがない人に最初の1枚として勧めるに
は躊躇する。

というのも、ドルフィーのエッジの立った部分をさらに磨きをかけるよう
な、フォーマットとサウンドだからだ。

つまり、もっともドルフィーらしさが抽出されている編成、アレンジなの
だが、その反面、サウンドのエッジがザクザクと尖っているがために、ド
ルフィー初耳のリスナーが「こりゃキツいわ」と毛嫌いされてしまうと、
あまりにも勿体ないと思うのデス。

ピアノはなし。
たたみかけるような、J.C.モーゼスのソリッドなドラムに、艶やかに攻撃
的なハッチャーソンのヴァイブ。

ウディ・ショウのトランペットも、クリフォード・ジョーダンのテナーも、
ドルフィーとの相性はバッチリ。いや、ドルフィーの影となって、より濃
くドルフィーの音を浮かび上がらせることに貢献しているのだ。

曲によっては、ベースとのデュオもあったりと、ドルフィーの音楽の精髄
が露わになっている。

美女を眺めるのは多くの男性は嫌いではないと思う(笑)。
しかし、それは、外見でしょ? 表面でしょ? つまり外側のカタチの部
分でしょ?

まさか、その美女の内臓までを拝みたいほど大好き、骨までしゃぶりたい
ほど愛してるぅーん、と猟奇的なまでにのめり込むのはよっぽどのマニア
か変質者だ(笑)。

で、このアルバムのサウンドは、ドルフィーという美女(笑)の美しい顔
でも、抜群なプロポーションも見せてくれない。

解体され、露わになった、ドルフィーという音の存在の源(みなもと)が、
グロテスクなまでに美しく並べられているのが『アイアン・マン』という
アルバムなのだ。

おまけに、ここでのドルフィーのプレイは、いつもの流暢さは影を潜め、
短いフレーズがいつもに増して多い。音の量よりも、一音の質量にこだわ
っているかのごとく、重い音を一音一音、空間に捻じ込んでいる。

この時期になると、ドルフィーのプレイスタイルは、バップ的な時間の横
軸に対してウネウネと高低する要素が影をひそめ、いよいよドルフィーな
らではのワン・アンド・オンリーな世界に没入してゆく。

そして、おそらく、このフォーマット、この吹奏スタイルで得た確かな手
ごたえが、ブルーノートでの『アウト・トゥ・ランチ』に結実してゆくの
だろう。

手術台の美女、いやドルフィーをたっぷりと味わえるこのアルバムは、ド
ルフィーを知らぬ者は目を、いや耳をそむけるだろうが、ドルフィーをよ
く知り、ドルフィーへの偏愛に満ちたマニアからすれば、背筋がゾクゾク
するほどの美しさに満ち満ちている。

なので、遠回りになってしまうかもしれないが、『アウトワード・バウン
ド』や『ラスト・デイト』のような、ピアノ、ベース、ドラムがリズムセ
クションというオーソドックスなフォーマットのものからドルフィーの魅
力を味わい、ぞっこんに惚れ込んだ上で、このアルバムに臨んで欲しい。

なぁに、音源は逃げないし、腐らないのだから、慌てなくても大丈夫。

タイトル曲といい、次曲の《マンドレイク》といい、ドルフィーとハッチ
ャーソンの音色のブレンドは、鈍い光を放つ硬い鉱物のよう。
ピアノ無しの柔らかさを配したゴツゴツとしたサウンドが、より一層、ド
ルフィーの攻撃性と豊かな叙情性をむき出しにしている。

このアルバム中、リチャード・デイヴィスとのベースとのデュオは2曲あ
って、バスクラとアルコ奏法で弾かれるベースの音色が美しい《カム・サ
ンデイ》と、柔らかく中空を舞うドルフィーのフルートを堅実に支える
《オード・トゥ・チャーリー・パーカー》。

とくに、リチャード・デイヴィスのアルコは深く美しい。こ
の演奏が気に入った人は、是非、同日録音の『メモリアル・アルバム』の
《アローン・トゥゲザー》にも耳を傾けて欲しいと思う。

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『IRON MAN』 (Douglas)  
 Eric Dolphy  

 1.Iron Man 
 2.Mandrake 
 3.Come Sunday 
 4.Burning Spear 
 5.Ode To C.P. 

  Eric Dolphy(as, bcl, fl)
  Woody Shaw Jr.(tp)
  Clifford Jordan(ss)
  Huey Simmons(as)
  Prince Lasha(fl)
  Bobby Hutcherson(vib)
  Richard Davis(b)
  Eddie Khan(b)
  J. C. Moses(ds)

  1963年5〜6月

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[ワタクシゴト]

これから沖縄行ってきます。
週末戻ります。

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【音聴き会】のお知らせ

久々の「音聴き会」は、3月21日の午後7時から。
場所は、沖縄のコザです。

新しくオープンする『スコット・ラファロ』というジャズ喫茶(カフェ)
にて、プレオープンの2日目の夜に2時間ほど講演させていただきます。

テーマは、「映像で愉しむジャズ入門!」。

沖縄在住の読者の方、あるいは、その時期に沖縄旅行を入れている方は、
是非、お立ちよりください。

あるいは、これにあわせて沖縄旅行を計画していただけると、なお一層
ありがたいです(笑)。

オーナーのtommy氏がジャズ喫茶をオープンさせるまでの過程をブログで
綴っていますので、是非チェックしてみてください。

▼「Tommy's Jazz Caf'e」
http://ameblo.jp/tommy-tdo/


【音聴き会】in 沖縄

日時:2008年3月21日(金)19:00〜21:00(予定)
店:『Scott LaFaro』
住所:沖縄県沖縄市胡屋(ゴヤ)1-3-3 2F

※コザ(沖縄市)のメイン通り国道330号線に面した場所にあります。
左隣は普久原(ふくはら)楽器店、右隣が書店ですので、そこを目印にし
てください。


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 ●配信者 雲 kumo.takano@gmail.com 

 ▼雲・個人ページ「カフェ・モンマルトル」
 http://cafemontmartre.jp/

 ▼バックナンバーはこちらでご覧になれます。
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 ▼ブログ 高野 雲の「快楽ジャズ人生」
 http://ameblo.jp/jazzy-life/

 ▼もうひとつのブログ「趣味?ジャズと子育てです」
 http://ameblo.jp/okiraku-papa/

 ▼配信内容を加筆修正した内容はこちらでご覧になれます(レビューのみ)
 http://cafemontmartre.jp/jazz/index.html

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