遠山清彦のメールマガジン[T-mode]No.566 裁判員制度の課題
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■■■ T−mode 〜参議院議員・遠山清彦のメールマガジン〜 ■■■
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【No.566】 2008年(平成20年)7月19日発行
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裁判員制度の課題
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遠山清彦です。昨日までの2日間、私が委員長を務める参院法務委員会として
東京地裁で実施された『模擬裁判』を視察・見学しました。弁護士ではない私
としては、裁判所に2日間連続で朝から夕方までいること自体初体験で、立法
府である国会と異なる点が多く、大変興味深い体験でした。
ご承知の方も多いかと思いますが、来年5月21日から一般国民も参加する『裁
判員制度』が本格実施されます。模擬裁判は、それに向けた準備作業の一環で
す。裁判員制度がスタートすると、対象となる刑事事件の裁判に一般国民6名
が裁判員として選任され、3名のプロの裁判官と一緒に裁判の審理に臨み、有
罪・無罪の決定および量刑判断(刑期の長さを決めること)にも加わります。
ちなみに、法律等で定められた理由があれば裁判員になることを辞退できます
が、原則として裁判員になることは「国民の義務」となります。
国民の皆さんの中には、「法律知識のない私が刑事裁判に参加して正しい判断
をくだせるかしら?」と不安に思っている人も多いといわれています。しかし、
本番さながらの審理をした模擬裁判の一部始終を見学した私の意見は、「大丈
夫!」というものです。より国民に近い司法をめざす司法改革の柱が裁判員制
度の導入だったわけですが、現在司法当局は一般国民によりわかりやすい司法
現場を整えるために様々な努力をしています。
まず、法律専門家しかわからないような用語を平易にしたり、複雑な手続きを
公判前整理などで簡素化したりしています。また、裁判の法廷内でも、ハイビ
ジョン画面があちこち設置されており、検察や弁護側のプレゼンテーションも
パワーポイントを駆使し、画像やチャートで説明するなど、「わかりやすさ」
を心がけていることが、今回の視察でよく理解できました。証人尋問の際には、
法廷内で「犯行時のアクションの再現」まであり、「なるほどなあー」と感銘
を受けました。
昨日は、判決が決まった直後に、模擬裁判に裁判員として参加した3名の市民
の方と法務委員会メンバーで懇談の機会も持ちました。昨日は朝から判決を決
めるための「評議」というミーティングを何時間も開催しており、少々お疲れ
のようでしたが、3名とも「参加してよかった」「本格実施され選任されたら、
またやりたい」という感想を言っておりました。(裁判所関係者によると、大
多数の模擬裁判参加者が積極的な感想を述べているようです。)
ただし、課題の指摘もありました。一つは、この3名のうち1名が聴覚障害者
の方で法廷審理や評議でもずっと手話通訳が入っていたのですが、こういう方
々へもっと配慮をする余地があります。それから、懲役などの刑期を決める量
刑判断について、一般国民は「プロの法律家のような知識と経験に基づいた判
断基準が無く、裁判長に『あなたは何年が適切だと思うか』と聞かれても、答
えにくい」との指摘もありました。これらの諸課題については、是非来年5月
までに司法当局内で対応や改善策を検討してもらいたいと思います。
国民の皆さんにはまだ不安や疑問はあるでしょうし、本当の刑事犯罪を裁くと
なれば、模擬裁判とは比較にならない緊迫感や想定外の問題が生じるかもしれ
ません。しかし、それでも、私は裁判員制度の導入は良いことだと思っていま
す。それは、一般国民が参加することで、裁判官、弁護士、検察官、などの専
門家の資質が国民目線で問われ、従来とは違った意味での向上が図られると感
じたからです。三権分立の国家権力区分の中で、司法は行政(政府)・立法(国
会)以上に専門性と密室性が高く、国民との距離が遠かったように思います。
裁判員制度の導入を契機に、国民の司法に対する親近感と信頼度が増すように、
立法府としても努力していかねばならないと決意しています。
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遠山清彦(とおやま きよひこ)参議院議員、
平和学博士(Ph.D in Peace Studies, University of Bradford,UK,1998)
参議院:法務委員会委員長
公明党:国際局長、東京都本部副代表
沖縄県本部・山梨県本部・静岡県本部・神奈川県本部顧問
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発行部数:4,714部(2008年7月19日現在)
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