2009/10/05
航空事情 2009年10月05日号
---------------------------------------------------------------- http://www.amazon.co.jp/gp/product/4479391754?ie=UTF8&tag=as777com-22 国産旅客機MRJ飛翔 前間 孝則 ---------------------------------------------------------------- ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ◇◆◇ 航空事情 2009年10月05日号 ◇◆◇ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ---------------------------------------------------------------- http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000GIWM16?ie=UTF8&tag=as777com-22 ディスカバリーチャンネル 巨大空港の舞台裏 シカゴ・オヘア空港 [DVD] ---------------------------------------------------------------- 【目次】 ★航空会社★ デルタ航空 JAL争奪戦、攻めの経営・どちらに転んでも勝ち組に デルタ航空 マイレージ、スカイマイルに統合・会員7千万人に コンチネンタル航空 9月の旅客輸送、増加も収益率低下 デルタ航空 21億ドル調達、15億ドルを再契約・6億ドルを増枠 BA ロンドン・シティ空港、JFKに全席ビジネス・クラス便運航開始へ デルタ航空 5億ドル調達、アメリカン航空にユー・エス・エアも調達 ★メーカー・技術開発★ エアバス社 A380型、2009年は13機に・2010年は予定維持 ******************************************************************* 【航空会社】 デルタ航空 JAL争奪戦、攻めの経営・どちらに転んでも勝ち組に -------------------------------------------------------------- 日本航空をスカイ・チームに呼び込む為、デルタ航空は日本航空に出資を提 案しているとされている。同じアライアンスに呼び込むことで、日本航空を 利用するビジネス旅客を取り込むことが出来るのは大きいが、日々手元流動 性資金が減少している現在の環境下、アナリストの多くが自らの財務力を落 としてでも出資するだけの価値があるのか疑問視している。 デルタ航空は昨年10月、成田空港をハブ空港とする太平洋路線を持つノー スウエスト航空と合併し、太平洋横断10路線を含むアジア・太平洋の24 路線を獲得している。合併後には、西海岸での乗り継ぎを強化する為、シア トルを拠点とするアラスカ航空と業務提携している。しかし、路線が重複し 独占禁止法に抵触する恐れのある、日本航空との業務提携は、どれだけの投 資効果が期待できるか疑問となる。 一方、日本航空と同じワン・ワールドに加盟するアメリカン航空も、日本航 空に残留して貰う為、出資を迫られる状況にある。米国の3大航空会社で、 デルタ航空とユナイテッド航空は成田空港を太平洋路線のハブ空港としてい るが、唯一アメリカン航空だけは、日本航空との業務提携に伴う路線に頼っ ている。アメリカン航空は自らの財務基盤を損ねてでも、他2社との競合上、 日本航空に残留して貰わなくてはならない状況にある。 オフィシャル・エアライン・ガイド(OAG)によると9月時点で、デルタ 航空は週298便の提供座席数87,252席をアジア・太平洋路線で運航 している。ユナイテッド航空は週224便・68,482席、コンチネンタ ル航空は週268便・56,912席だが、アメリカン航空は週92便・2 7,724席に留まっている。 デルタ航空は日本航空をスカイ・チームに呼び込めなくとも、アメリカン航 空が財務状態の悪化した日本航空への出資を迫られることで、財務上優位に なることができ、どちらに転んでも勝ち組になれると分析できる。アメリカ ン航空は日米がオープン・スカイ(自由航空協定)で合意する前に、デルタ 航空が仕掛けたわなに、完全にはまってしまっている。 日米がオープン・スカイで合意すると、日米航空会社間の業務提携は一層強 固なものとなる。ユナイテッド航空はスター・アライアンスで全日空と、ア メリカン航空はワン・ワールドで日本航空と提携しているが、デルタ航空が 所属するスカイ・チームに日本の航空会社は加盟していない。 嘗てのデルタ航空は、良好な労使関係と非常に安定した財務体質を誇り、温 厚な経営だった。ノースウエスト航空との合併では、最高経営責任者(CE O)を含めた多くの主要な役職をノースウエスト航空から受け入れている。 しかもそれらノースウエスト航空から受け入れた役員らは、攻めの経営者達 とされている。事実上、ノースウエスト航空がデルタ航空を合併した内容だ が、デルタ航空を存続会社とすることで、全く新たな航空会社になったとも 見られる。 デルタ航空はニューヨークの市場で、国際線ではケネディー空港を拠点に供 給量で最大だが、国内線ではニューアーク空港を拠点に市場の37%を占め るコンチネンタル航空に次ぐ2位に留まっている。しかし、デルタ航空は8 月、ラ・ガーディア空港を拠点としているユー・エス・エアウェイズが供給 を削減したのに伴い、空いた搭乗ゲートを買い取り、同空港では最大になっ ている。全体では供給量を削減する中、デルタ航空は世界最大の旅客市場で あるニューヨークでは供給を増やしている。 デルタ航空 マイレージ、スカイマイルに統合・会員7千万人に ---------------------------------------------------------- デルタ航空は1日、昨年10月に合併したノースウエスト航空のマイレー ジ・サービスだったワールド・パークスを、スカイマイルに統合する作業を 完了したことを明らかにした。統合後のスカイマイル会員数は7千万人を超 えたとしている。10月中に会員への案内を行うとしている。 これまでにノースウエスト航空の機材250機中、138機がデルタ航空の 塗装を施され、2010年中に一部のDC9型など退役を予定している機材 を除き、塗装の変更を完了するとしている。年内には法的な手続きを完了し、 デルタ航空単一での運航資格に切り替えたいとしている。 ノースウエスト航空の本社機能は既にアトランタにあるデルタ航空の本社に 移管されたが、ノースウエスト航空のミネソタ州在住の従業員1万3千人中、 1万人の雇用を2016年までは維持するとしている。またミネアポリス・ セントルイス空港の発着数は一日400便を維持するとしている。 コンチネンタル航空 9月の旅客輸送、増加も収益率低下 ---------------------------------------------------- コンチネンタル航空は1日、9月の旅客輸送が有償旅客マイルで、前年同月 の64億9千マイルから69億5千マイルに、7%の増加だったことを明ら かにしている。7月の3.5%、8月の3.9%のそれぞれ減少から増加に 転じた。供給量は85億3千マイルで、前年同月比0.5%の増加だった。 座席稼働率(ロード・ファクター)は前年同月の76.5%から、記録的な 81.5%だった。需要は増加に転じたものの、ビジネス客の減少や熾烈な 販売競争の影響で、収益率は前年同月比19%の減少で、8月の17.2% より悪化した。 デルタ航空 21億ドル調達、15億ドルを再契約・6億ドルを増枠 -------------------------------------------------------------- デルタ航空は28日、21億ドルの融資に成約したことを明らかにした。合 併したノースウエスト航空が契約していた、太平洋路線における権益を担保 とした銀行融資枠15億ドルを再契約し、新たに6億ドルの増枠で合意した。 実効金利は9.2%としている。調達額は2010年に償還期限となる債務 の約4割に相当するとしている。成約で9月末の手元資金残高は56億ドル になるとしている。 BA ロンドン・シティ空港、JFKに全席ビジネス・クラス便運航開始へ -------------------------------------------------------------------- ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は29日、ロンドン・シティ空港か らのニューヨーク(ケネディー空港)線を開設する。1日2往復の全32座 席がビジネス・クラスの設定で、以前はコンコルド便が使用していたBA0 01からBA004までの便名が付けられる。 機内からのインターネット接続が可能で、携帯電話やパソコンでメールのや り取りが可能になる。ロンドン・シティ空港では出発の15分前まで搭乗手 続きが可能で、給油の為に寄港するシャノン空港(アイルランド)で、乗客 らは米国への入国手続きと税関検査を受けることができる。 デルタ航空 5億ドル調達、アメリカン航空にユー・エス・エアも調達 ---------------------------------------------------------------- デルタ航空は22日、5億ドルの私募債を発行することを明らかにした。資 金使途は一般運転資金とし、償還期限は2015年、路線権や発着枠、搭乗 口のリース権など、太平洋路線における権利の第二抵当権を担保としている。 それらの第一抵当権は既に銀行の(優先)融資枠や最近発行した2014年 償還の優先社債の担保になっている。 アメリカン航空は22日、新株約4,848万株を一株8.25ドルで発行、 2014年償還で6.25%の利付き転換社債4億ドルを発行することを明 らかにしている。前日に発表された発行規模より大きくなり、手数料等を差 し引いた資金調達額は、7億7,050万ドルになるとしている。資金使途 は一般運転資金としている。 また米国第6位のユー・エス・エアウェイズは22日、公募で2,630万 株を発行することを明らかにしている。調達額は明らかにしていないが、最 近の株価からおよそ1億3,800万ドルに相当すると見られている。供給 の削減など合理化が進捗し、景気改善による需要の増加期待から、ユー・エ ス・エアウェイズの株価は最近上げている。 アメリカン航空の新株発行による資金調達を、日本航空への出資に向けたも のかと一部日本のメディアは報じているが、7月以降米国航空会社の株価は 軒並み2倍ほどに上昇し、新たなエクイティー・ファイナンスを実施する環 境が到来していた。しかし、手元資金の減少が止まらない状況は収まらず、 デルタ航空の手元資金残高は6月末には54億ドルだったが、年末には46 億ドルに減少すると見込まれている。 ******************************************************************* 【メーカー・技術開発】 エアバス社 A380型、2009年は13機に・2010年は予定維持 ------------------------------------------------------------------ エアバス社は29日、2009年に14機を予定していたA380型の引き 渡しが、シンガポール航空への年末の引き渡しを予定していた14機目が数 週間遅れることから、13機に留まることを明らかにした。2010年の引 き渡しは、予定の20機以上を維持するとしている。 ******************************************************************* 【編集後記】 ■日本航空の問題では、金融機関からは「現在の再建策が問題の先送りにす ぎない。」との見解が示され、新旧分割案が出された。だが、これまで問題 を先送りにしてきたのは、日本政策投資銀行など金融機関の方だ。自主再建 が不能となった日本エアシステムを、そのまま日本航空に押し付けたのは役 所と金融機関だ。日本エアシステムこそ新旧に分割し、松本空港など不採算 路線を切り離した上で、日本航空に引き受けさせるべきだった。法的整理を していれば、日本航空より高給な乗務員を雇用し続けることも、機材を28 年間の減価償却のまま引き受けることもなかった筈だ。 □日本航空内部に、もしものときは国が助けてくれるといった、親方日の丸 の意識があると指摘されている。一部にそのような意識がまだあることを、 内部の方々も認めている。しかし、着陸料に航空機燃料税など、運賃が自由 化され航空会社の利益が約束されていない現在でも、運賃から固定で巻き上 げた特別会計で、平地の少ない国土に山を切り開いたり、海を埋め立てたり の高コスト空港を造り続け、航空会社に乗り入れを強いた役所に問題がある。 国以外に、誰が始末をつける責任があるのか。また、金融機関の方にこそ、 親方日の丸だとの意識が働き、貸し続けてきたのではないかと指摘したい。 ■「MRJ100機受注」の発表を聞き、改めてそこまで売れないのだと失 望した。プレスリリースには、「米国の大手リージョナル航空会社」、「独 立リージョナル航空として米国2位の規模」とあるが、どんなものさしをお 持ちなのかと伺いたい。間違っても機体設計では、そんなものさしは使って 欲しくない。発注したTSAのサイトですら、個人所有のリージョナル航空 会社として、全米5位との記述がある。また、ウィキぺディアにはリージョ ナル航空としては、全米13位と記述されている。 □TSHは傘下の航空2社が、50座席と66座席の2機種を、合わせて5 0機程運航している。90座席のMRJを100機契約する訳だが、現在使 用している機材を全て退役させても、10年後には供給量が約4倍に増える ことになる。これからの10年間で幾度、航空業界は苦境に立たされるのだ ろうか。成長だけで単純に、4倍の供給を埋めることは出来ないだろう。ま た、大手からの運航委託で、個人企業が大きな契約を獲得することもないだ ろう。そもそも、確定50機分の前金は払えるのだろうか? ■済みませんでした。先週はお休みしました。ご了承下さい。 ---------------------------------------------------------------- http://www.amazon.co.jp/gp/product/4623045587?ie=UTF8&tag=as777com-22 航空の経済学 村上 英樹 (MINERVA TEXT LIBRARY) ---------------------------------------------------------------- 【お知らせ】 ★航空事情は個人的に収集・整理している航空関連の情報を、必要とされる 方に公開・配信しているもので、報道を目的とはしていません。 ★このメールマガジンの内容に関しては万全を期していますが、その内容を 保証するものではありません。記載内容に関していかなる損害、トラブル等 が発生しても、その責任は一切負いません。 ★メールマガジンのアドレスに返信されても、スパム・メールが非常に多い ことから、開封しておりませんのでご注意下さい。発行者へのメールは、下 記URLからお願いします。 ★メールマガジンの購読申し込み、及び解除は、読者の方が直接それぞれの 配信元で手続きされるようお願いします。発行者は一切、購読者のアドレス を管理していません。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ □■メールマガジン航空事情(毎週月曜日発行)■□発行者 航空事情 ---------------------------------------------------------------- 発行者へメール http://www.as777.com/mail/ ホームページ http://www.as777.com/ ---------------------------------------------------------------- まぐまぐ 登録・解除 (http://www.mag2.com/m/0000060717.htm) melma! 登録・解除 (http://www.melma.com/backnumber_31379/) ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


