2009/09/22
航空事情 2009年09月21日号
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担保にしていない20億ドル相当の資産が残るとしている。 同社の株価は17日、8.80ドルと前日比1.45ドル(19.73%) 急騰して取引を終えている。第3四半期末の手元流動性資金残高は約37億 ドルに増えるが、第2四半期末には140億ドルだった債務残高がどれだけ 増えるのかは明らかでない。2010年には13億ドルの債務償還が予定さ れている。 アメリカン航空はシティグループにマイレージ10億ドル分を前倒し販売し た。シティグループはアメリカン航空のマイレージをカード利用者などに特 典として付与する。マイレージの前倒し販売分は融資として取り扱われ、金 利を支払うことになる。いずれも資金難にあるデルタ航空やユナイテッド航 空は、同様にマイレージの前倒し販売を既に行っている。 またアメリカン航空は、GECAS社と運航機材をセール・アンド・リース バックし16億ドルを調達、他に運航機材を担保にGECAS社から2億8, 000万ドルの融資を受ける。 デルタ航空 元米運輸次官補見解、日本航空との提携は困難 ------------------------------------------------------ 米国の法律事務所ジョーンズ・デイ(ワシントンD.C.)のパートナーで 元運輸次官補のアンドリュー・ステインバーグ氏は、デルタ航空と日本航空 がそれぞれ日米の最大手であることから、提携の承認を独占禁止当局等から 得るのは、非常に困難だろうとの見方を明らかにしている。 またスタインバーグ氏は、デルタ航空が日米の航空交渉(オープンスカイ) の進展を遅らせようとしている可能性があるとも述べている。スタインバー グ氏は更に、航空交渉が行われている間は、当局がデルタ航空と日本航空の 提携を条件付きで承認することはないだろうとしている。 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙(電子版)は13日付けで、 アメリカン航空が日本航空との提携強化を巡り、米国当局の承認を得るため の非公式な協議を行っていると報じている。アメリカン航空は、当局の反応 は「励みになるものだった」と述べ、実現に自信を示したとしている。 WSJ紙によると、アメリカン航空は6月に提携強化を日本航空に打診して いた。路線や運航スケジュールを共同で決める事業統合が柱で、その後テキ サス州にあるアメリカン航空本社で協議が続けられ、先週は東京で詳細を詰 める作業が行われたとしている。 ******************************************************************* 【メーカー・技術開発】 エアバス社 次世代狭胴機、開発時期が更に後退・2024年頃に ------------------------------------------------------------ エアバス社の最高執行責任者ジョン・リーヒー氏は17日、A320型シ リーズの後継となる次世代ナロー・ボディー(狭胴)機の開発が、2024 年頃になるだろうと述べている。リーヒー氏は昨年、次世代狭胴機の開発は 2018年頃と述べていたが、更に後退したことになる。 ボーイング社も次世代狭胴機の開発は2020年頃としている。エアバス社 もボーイング社も、既存エンジンの改良ではなく、全く新たな技術を用いた エンジンの開発が求められるとし、ボーイング社は次世代狭胴機開発の手綱 を引くのは、機体メーカーではなくエンジン・メーカーだと述べている。 GE社は2種類のエンジンを開発する予定だが、1つは2016年に、あと 1つは2020年に開発するとしている。またロールス・ロイス社は3種類 開発する予定だが、GE社と同じ開発時期を予定している。 しかし、原油相場が不安定な環境下、航空各社は燃費効率の高い新たな機体 の開発を切望している。エール・フランスKLMは、25%燃料効率の高い 機体が2012年に開発されるなら、150機発注したいとしている。 ボンバルディア社は130座席のCシリーズの開発を進めている。エンブラ エル社は114座席までの機体しかないが、大型となる新たな機体を開発す る意向を示している。また中国は168座席の、C919型を2016年に 開発することを発表している。 エアバス社とボーイング社が次世代狭胴機の開発時期を後退させる中、これ まで両社が独占していた150座席クラスの市場に、その間隙を縫ってボン バルディア社やエンブラエル社、それに中国などの新興国が参入できるか注 目される。 ******************************************************************* 【航空行政・協定交渉・統計】 AA・BA・IBの免除申請 下院司法委員会、突然の公聴会延期 ------------------------------------------------------------ アメリカン航空(AA)、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)、イベリ ア・スペイン航空(IB)の3社が、大西洋路線での事業統合を目指し、米 国運輸省(DOT)に出している反トラスト法免除申請を審理する為、16 日に開催が予定されていた下院司法委員会(競争政策)が突然延期された。 関係者によると、16日の審理に欠かせない法案通過がある為とし、新たな 日程は今週中に決められるとしている。免除が認められると、独占禁止法が 適用されなくなる。 これまでにアメリカン航空とブリティッシュ・エアウェイズは、反トラスト 法免除申請を2度行っているが、今回は10月末までにDOTが結論を出す ことを期待している。3社は事業統合により運航スケジュールの調整や収入 の配分を行いたいとしている。3社による同様の申請は欧州連合(EU)に も出されていて、別途審理が進められている。米国とEUは自由航空(オー プン・スカイ)協定を締結し、既に発効している。 ******************************************************************* 【編集後記】 ■ワンワールド・メンバーとして日本航空とアメリカン航空は、オープン・ スカイ後をにらんだ提携内容を交渉していた。そこへデルタ航空が、ワン ワールドからの離脱とスカイチームへの加盟、それに伴う莫大な費用を融通 する提案を出してきた。デルタ航空は提案の事実をメディアに流すことで、 アメリカン航空をけん制する。 □内情は火の車とも知らず、世界一の航空会社が日本航空に出資を提案と、 メディアは騒いだ。デルタ航空は自らも安泰ではないことを指摘される前に、 同じアライアンスのエール・フランスKLMや大韓航空まで引っ張り出した。 アメリカン航空も対抗上、出資の意向を示し、ブリティッシュ・エアウェイ ズやカンタス・オーストラリア航空まで動員した。 □外国航空会社から日本航空への出資を巡る報道の、背景にある事実はこん なところではないだろうか。日本航空が抱える、ファースト・クラスやビジ ネス・クラスを利用する、優良顧客を取り込みたい、アライアンス間の争い だ。手厚い利益の分配でもない限り、日本航空がスカイチームに乗り換える メリットは見出しにくい。 □海外から戻る時、日本の航空会社に搭乗すると、乗務員は「お帰りなさ い。」とドアで迎えてくれる。何気ないことだが、ほっとする一瞬だ。アメ リカン航空が運航する、日本航空との共同運航便のどこが悪いわけではない。 しかし、選べる乗客は全日空の自社運航便を利用するだろう。提携による路 線の縮小など、日本航空の体力を衰えさせるだけだ。 ■エアバス社とボーイング社の間隙を縫って、日本のMRJにも150座席 クラスに参入して貰いたい。 ■日本航空の再建、金融機関からはオリンピック航空やアリタリア航空、米 国の自動車メーカーの再建でも使われた、旧会社から新会社への優良資産の みの事業譲渡といった手法が求められている。組合潰しがその意図なのだろ うが、支援策や合理化の内容を固めずには片手落ちになる。まずは、赤字路 線から自由に撤退させることが最優先課題な筈だ。 □国内線は静岡、松本、丘珠など、主に旧JASから引き継いだ不の遺産か らの撤退、国際線は関空、中部など行政指導で乗り入れている空港から撤退 し、成田と羽田に集約すべきだ。需要の見込めない路線からは可及的速やか に撤退、需要があっても採算が取れない路線は子会社に移管し、グループと して不可欠な路線網は維持されなくてはならない。 □「現在の再建策が問題の先送りにすぎない。」との見方もあるようだが、 もはや航空会社の経営で、この先安泰だと保証できる処方箋はない。戦争、 テロ、感染症、原油相場、金融市場の混乱と、不安定にさせる要因はその対 処方法も含めて予測不能だ。行政としては、参入・撤退、増減便、共同運航、 運賃の改定といった、経営の機動性を高める施策が必要だ。 □日本航空の経営難は、羽田の発着枠など利益が期待できる権益の代償とし て、関空など不採算な空港への乗り入れを強いてきた、行政の失策でもある。 ---------------------------------------------------------------- 新マイレージの超達人 (JAL&ワンワールド編) 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