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2009/09/14

航空事情

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◇◆◇   航空事情 2009年09月14日号   ◇◆◇
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【目次】

★航空会社★
アメリカン航空 日本航空、資本・業務提携を巡り東京で交渉中
日本航空 NHK報道、デルタ航空と資本提携・筆頭株主に
サウスウエスト航空 新たな手数料収入、片道10ドルで優先搭乗
スカンジナビア航空 旅客輸送、8月は距離単位で17.1%減少

★航空行政・協定交渉・統計★
米国航空市場 供給座席、戦後最大の減少幅・6.9%減少
米国航空会社 7月の定時到着率、前年比・前月比で改善

★事故・安全★
FAA エアバス機、速度センサーの交換を命令・EASAより先行

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【航空会社】

アメリカン航空 日本航空、資本・業務提携を巡り東京で交渉中
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アメリカン航空の持ち株会社エイ・エム・アール(AMR)社の広報は12
日、「日本航空と日本で、重役レベルで交渉中。」であることを明らかにし
た。交渉の詳細に付いては言及を避けた。日本航空とアメリカン航空との交
渉は、ここ4週間で深まり、東京とテキサス州で繰り返し持たれている。

デルタ航空との交渉が報じられた11日、アメリカン航空の重役は東京で、
日本航空との交渉に臨んでいた。重役は引き続き東京に残り、週明けから交
渉を続ける。

関係者によるとデルタ航空との交渉はまだ初期段階で、アメリカン航空との
交渉が先行していて、アメリカン航空は日本と米国が、オープン・スカイ
(自由航空協定)を含む、新たな航空協定で合意する前に、日本航空との資
本・業務提携を深めたい意向としている。

日米の航空協定を巡る交渉は、先週交渉が持たれたが、10月にも交渉が予
定され、お互いに年内の合意を期待している。まだ初期段階でしかないデル
タ航空と日本航空の交渉は、最終合意に至るのは11月になると見られてい
る。

アメリカン航空は日本航空と業務提携し、独占禁止当局の了承を得た上で、
世界中で運航スケジュールや運賃を共同で決めたいとしている。関係者によ
ると、アメリカン航空は日本航空に出資する意向だが、株式を取得するのか、
株式に転換可能な債券を取得するのか、出資方法や出資額はまだ決まってい
ない。

デルタ航空との交渉が報じられたのを受け、日本航空の広報は12日、様々
な提携を幅広い相手先と交渉しているが、何も結論は出ていないと述べてい
た。日本航空は6月までの四半期で過去最悪となる990億円の損失を出し、
3月末までの通期でも630億円の損失を見込んでいる。

日本航空がデルタ航空と業務提携を結ぶ場合、デルタ航空傘下のノースウエ
スト航空が、外国航空会社としては最も多くの発着枠を成田空港に持ってい
ることから、枠の一部売却等を独占禁止当局から求められることが想定され
る。また、アメリカン航空よりデルタ航空の方が財務的には良好だが、加盟
するアライアンスも違うので、同じワンワールドのアメリカン航空との提携
が理想的と考えられる。

日本航空 NHK報道、デルタ航空と資本提携・筆頭株主に
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日本航空はデルタ航空と資本提携し、数百億円規模の出資を受ける方向で、
本格的な交渉に入ったと、NHKが11日報じた。デルタ航空が日本航空の
筆頭株主となる方向で、本格的な交渉に入ったとしている。

デルタ航空は昨年10月、ノースウエスト航空と合併し、旅客数で世界最大
となっている。NHKによると、日本航空は財務体質を強化するとともに、
国際線の共同運航などでも提携し、経営の再建を図りたいとしている。

サウスウエスト航空 新たな手数料収入、片道10ドルで優先搭乗
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サウスウエスト航空は9日、アーリーバード・チェックインと称した、片道
10ドルで優先搭乗できる制度を導入した。事前に座席を割り振らないサウ
スウエスト航空では、頻繁に利用する一部の乗客を除き、空港に到着した順
で機内に搭乗する順番が決められ、空いている好きな座席に座ることが出来
る。

9日からは片道10ドルを払えば、優先搭乗が出来るようになり、窓側や通
路側と、優先的に空いている好きな座席から選べる。サウスウエスト航空は
6月までの6ヶ月間で、3,700万ドルの赤字を出し、通年でも1970
年代前半以来始めて赤字に転落すると見られている。

スカンジナビア航空 旅客輸送、8月は距離単位で17.1%減少
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スカンジナビア航空は7日、8月の旅客輸送が乗客一人を輸送した距離(キ
ロ)単位で、前年同月比17.1%の減少だったことを明らかにした。7月
の利益率は前年同月比3.2%の落ち込みだったが、8月は更に落ち込んだ
と見ている。供給を削減した為、座席稼働率は3.1ポイント上昇の76.
1%だったが、値下げにより利益率を犠牲にした結果だとしている。

スカンジナビア航空は8月、追加となる経費と人員の削減を発表し、組合と
の交渉を始めている。低コスト航空会社との厳しい競争や近い将来に解消さ
れることが期待できない供給過剰の下、需要が減少し、利益率が上がる余地
はないとし、市場は引き続き予見不能で、回復する時期はかなり不確実だと
している。 

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【航空行政・協定交渉・統計】

米国航空市場 供給座席、戦後最大の減少幅・6.9%減少
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OAG(オフィシャル・エアライン・ガイド)によると、米国の大手航空6
社は、年末までの供給座席を前年比で6.8%減らしている。この減少規模
は、第6位のユー・エス・エアウェイズの国内線供給座席全てがなくなった
に相当するとしている。また米国航空協会(ATA)は、加盟する航空会社
の国内線は、2009年に前年比で6.9%減少するとしている。

ATAによると6.9%の減少は、米国が第二次世界大戦に参戦した翌年
(1942年)に12%減少して以来となり、67年前に比べて米国の航空
業界は供給座席で約450倍の規模に成長している。9・11のテロ攻撃の
翌年となる2002年には3.9%、石油危機後の1974年ですら4.4
%の減少だった。

コンチネンタル航空は大手で唯一、毎月の業績を発表しているが、8月の利
益率は前年同月比18%の下げで、8ヶ月連続の下げになったとしている。
米国の大手航空会社は2007年には17回、2008年には15回、横並
びで運賃を引き上げているが、2009年は3回に留まり、この先も年内の
引き上げは期待できないと見られている。

米国航空会社 7月の定時到着率、前年比・前月比で改善
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運航便数が減少し空港の混雑が緩和されていることから、米国航空会社の定
時到着率が改善している。運輸省(DOT)の発表によると、全体で7月の
定時到着率は77.6%で、前年同月の75.7%、6月の76.1%から
いずれも改善している。

大手ではサウスウエスト航空が最も良く80.7%、ユー・エス・エアウェ
イズが80.6%、ユナイテッド航空が79.6%と続き、アメリカン航空
が最も悪く77.7%だった。定時到着便はDOTの基準で、時刻表に掲載
された到着時間から、15分以内に到着した便が含められる。

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【事故・安全】

FAA エアバス機、速度センサーの交換を命令・EASAより先行
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連邦航空局(FAA)は3日、エアバス社のA330型、及びA340型に
装備されているフランス・タレス社製の速度センサーを、米国グッドリッチ
社製に交換することを指示する、耐空性改善命令(AD)を出すことを官報
に掲載した。ADは9月8日に発効し、120日以内の交換を命じている。
命令に対する意見は、10月5日まで受け付けるとしている。

6月1日に大西洋上で墜落したエール・フランス447便は、速度センサー
の異常が事故の要因とされている。FAAは、最近報告された速度センサー
の異常を検証した結果、安全上の問題があると判断したとしている。欧州航
空安全委員会(EASA)も7月31日、FAAが出すADと同様の命令を
出す意向を明らかにしている。

対象となるのはデルタ航空傘下のノースウエスト航空、及びユー・エス・エ
アウェイズが運航する43機のA330型で、米国の航空会社はA340型
を運航していない。法的な強制力が及ばない、米国に乗り入れている航空会
社への勧告として、FAAは米国の航空会社が運航していない機種に付いて
もADを出す。

ユー・エス・エアウェイズは、これまでに速度センサーの異常は経験してい
ないが、運航するA330-300型9機の速度センサーの交換を完了し、
今年引き渡されたA330-200型2機に付いては、エアバス社からの引
き渡し時から、グッドリッチ社製の速度センサーを装備しているとしている。

デルタ航空は、ノースウエスト航空が運航するA330型32機の速度セン
サーの交換に着手済みで、FAAが求める期限までに完了する予定としてい
る。FAAは、交換部品の供給には限界があるので、4ヶ月間の猶予期間を
設けたとしている。

フランスの事故調査当局(BEA)は、速度センサーの異常で事故は起きな
いが、異常が事故に繋がる連鎖の要因になったかも知れないとしている。エ
アバス社のサービス・ブリテンとEASAのAD案(PAD)は、3つある
速度センサーの内2つをグッドリッチ社製に交換することを指示しているが、
FAAのADは3つ全ての交換を命じている。

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【編集後記】

■戦勝国として優位な立場で各国と締結された航空協定の恩恵を受け、米国
のナショナル・フラッグ・キャリアーとして、パンアメリカン航空はその時
代の栄華を極めた。しかし、各国の経済復興が進み、それらのナショナル・
フラッグ・キャリアーが成長してくると、航空協定は恩恵を与えてくれる存
在から、規制を掛ける足かせになってしまう。

□米国の国内線が自由化され、アメリカン航空やユナイテッド航空が収益性
を上げて急成長する一方、航空協定で規制された国際線しか運航していない
パンアメリカン航空は伸び悩む。中堅航空会社の買収で国内線に参入するも、
様々な要因から上手くは行かず、財務体力を喪失し、国際線ネットワークを
分割、売却しなくてはならなくなる。

□日本航空による日本エアシステムとの経営統合は、既に法的な手法以外に
再建不能な状況にまで財務体質を落としていた、日本エアシステムの救済だ
ったが、パンアメリカン航空が企業文化も使用機材も異なるナショナル航空
を買収し、収益性改善も合理化も出来ず、衰退の一途へと転落したことを思
い起こさせる。

□湾岸戦争後、ナショナル・フラッグ・キャリアーを失ってしまった米国は、
大統領府と連邦議会が協調して、「強い競争力ある航空産業を確保する国家
委員会」を設け、1993年8月19日に「チェンジ、チャレンジ、そして
競争」と題した報告書を提出させる。同委員会の最初の会議は5月24日で、
報告書は僅か3ヶ月間足らずでまとめられた。

□衛星を利用した航空管制網の構築により効率性の高い運航環境の整備、各
国とのオープン・スカイ(自由航空協定)の締結促進など、報告書に盛り込
まれた勧告に基づく多くの施策が現在でも進行中だ。オープン・スカイは、
国内線の自由化で航空産業が成長したことに習い、乗り入れ地や便数等で制
限のある航空協定を破棄し、国際線も原則自由化することを意図している。

□日本航空の経営改善のための有識者会議ではなく、全日空や新規参入会社
を含めた日本の航空産業の、長期的な国家戦略の立案を期待したい。

■主翼の素材をプラスティック複合材からアルミ合金に変更し、100座席
クラスも検討するとしているMRJ。あと5回ほど仕様変更を繰り返せば、
150座席クラスになるのだろうか。ボーイング社の顔色を伺うのではなく、
もはや敗戦国ではない日本の国家プロジェクトとしての、勇気ある決断に期
待したい。

■寡占状態にある航空機産業、需要が減っても航空機の価格は下がらないと
言われていた。しかし、この考えには2つのことが欠落していた。航空機の
価格のおよそ半分が製造コストではなく開発コストであること。そして、航
空機メーカーは競争力を維持する為、技術者に新たな仕事(開発)を与えな
くてはならないことだ。投下した開発コストを出来るだけ早期に回収し、次
の航空機を開発し、技術者のスキルを少なくとも維持しなくてはならない。

□9・11のテロ事件後、新たな投資を抑制した大手航空会社に対して、新
規参入の低コスト航空会社は、相次いでこれまでにない規模の大型発注を行
った。メーカーも生産規模を維持し、投下した開発コストの早期回収を図る
為、争ってこれまでにないような値引きをした。低コスト航空会社は、大手
から中古で購入した整備費がかさむ古い機体から、数年は多額の整備費が掛
からない新造機に、安価で乗り換えることが出来た。

□削減しても削減しても、供給過剰が収まらない。保存状態にある航空機は
過去最高の2,900機にまで増え、運航されている航空機に対する比率も
過去最高の13.1%に達している。9・11のテロ事件後ですら、2,1
00機、12.5%だった。現在も150座席クラスの航空機は増産が続い
ているが、新たに参入した低コスト航空会社やリース会社の大量発注が、供
給過剰の一因であることは明らかだ。

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1/500 B707-300 TWA トランスワールド航空 N18709 

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