2009/06/10
カエルニュース 344号
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社民党衆議院議員・小児科医・阿部知子のメールマガジン
\^o^/「カエルニュース」 344号 2009/6/10 \^o^/
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★☆6月9日(火)衆議院本会議で「臓器移植法改正案」の☆★
★☆C案の提案理由説明を行いました☆★
臓器の移植の関する法律の一部を改正する
法律案(金田案)提案理由説明
社会民主党・市民連合 阿部知子
1967年、南アフリカで心臓外科医バーナードによって行われ
た世界で第1例目の心臓移植は、アパルトヘイトに囲われた黒
人女性をドナーとして、支配階級に属する白人男性へと移植さ
れたものです。
当時、この女性の存在はlike a human food(人間のような
もの)と称されていたことは、今日まで殆ど知られていません。
また、その2年後の1969年、我が国で初の心臓移植が札幌医大
の和田教授によって行われたとき、当初はその成功が華々しく
報じられたものの、83時間後には18歳のレシピエントの青年が
死亡、ドナーの脳死判定にも疑義が持たれて、医療の名の下に
ドナー・レシピエント双方の生存権、人権が侵害されたことに
対して、国民の中には根深い不信感が残りました。
以来、我が国での臓器移植は約30年近くの長い論議を経て、
1997年に現行法が成立し、これまで12年の歳月が流れました。
二人の生命にかかわるきわめて特殊な医療である臓器移植が、
その全般にわたって見直されるとすれば、今何が必要なのかを
明確にしたのが、私どもの提案するC案です。
今日のグローバル化した経済の下で、予定されるWHOの指針
改定では臓器や組織の商業的取引や、生きている人からの搾取
が横行していることに対して、適切な規制と、移植関連機関の
技術的監視や透明性を確保することが求められています。
そこでC案では、まず第一に法の目的の中に明確に「人間の
尊厳の保持、及び人権の保障」を掲げ、脳死からの移植にあっ
ては、脳死に至るまでの治療の十分な担保、そして生体移植や
骨、皮膚、弁などの人体組織摘出に関してはそのルールを法制
化致しました。
とりわけ、生体移植に依存する度合いが高い我が国では、
ドナーとなりうる条件を2親等以内とし、加えてドナーとレシ
ピエント双方の安全や長期的健康管理のために、倫理委員会の
設置をはじめ移植を実施できる機関の条件を定め、さらにドナ
ーとレシピエント登録制度の創設など、国による検証体制の確
立を図ることと致します。
また、脳死移植に関しては、現行の脳死判定の竹内基準は2
5年前に定められたもので、当時は判定後、数日で心停止に至
るとされていました。ところが2000年の厚生省研究班でもその
存在が明らかとなった長期脳死例や、全身麻酔を用いた臓器の
摘出などの実態は、国民にはほとんど知らされておりません。
それゆえC案では、改めて「脳死」についても、その定義を脳
全体の機能の喪失と定めた上で、判定基準の厳格化を求めてい
ます。
加えて、これまで現行法の下で行われた81例についての検証
は、わずか34例が公開されているにすぎないこと、脳死後の検
視体制の不備などについても、検討を加える必要があると考え
ています。
今回の法改正にあたって、とりわけ要望の強い15歳未満の小
児からの臓器提供問題については、第二次脳死臨調を提案しま
す。ドナーの救命の場となる救急医療体制が格段に立ち遅れて
いることをはじめ、虐待を受けた子どもからの臓器の摘出を防
止するための有効なしくみも全く未確立です。そうした実態を
含めて、小児にあっては「子どもの権利」という観点に基づい
て、1,子どもの自己決定権、2,小児脳死判定基準、3,親権の及
ぶ範囲などが検討されるべきと考えます。
安易で拙速な採決は、医療現場はもちろんのこと、日本の社
会や未来である子どもたちにも禍根を残します。
とりわけ本人意思の不明な場合、家族の意思に委ねるという
A案にあっては、医療における自己決定の流れを大きく逆行させ
かねません。また、現行法6条2項の条文から「移植術に使用
されるための臓器を摘出される者」という一文を削ることによっ
て、臓器提供場面以外にも「脳死を人の死とする」ことが広が
るなど、人権上も大きな問題があります。 そもそも「人の死」
を法律で定めることは、国会議員として国民から受けた信託の
域を越えています。まずは生命の主権者である国民に、脳死・
臓器移植の現状とその問題点を知らせ、国民的論議とする必要
があると考えます。
そのためにも広く議員各位の真剣で慎重な御論議を期待して、
C案の提案と致します。
阿部知子
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