2009/06/29
催眠療法・最前線』第63号 2009年6月29日
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ 『催眠療法・最前線』 第63号 2009年6月29日 http://hypnoforest.at.infoseek.co.jp/ ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ ■ 催眠療法(ヒプノセラピ−)についての様々なこと(3) 〜胎内退行の効用について〜 催眠療法(ヒプノセラピ−)について、知ってほしいことを書いていきたいと 思います。 今回は、胎内退行をとりあげたいと思います。 胎内退行とは、文字通り、お母さんのおなかの中にいたときに戻る体験です。 胎内退行は、年齢退行をしていて自然に体験する場合が多いです。 いろいろなケ−スがあり、そのセッションの流れは決まったものではないです。 最初に出てきた場面から、丁寧にご本人の希望を加味しながら進めていきます。 人の中には、すべてを思い出せる無限の記憶の源があると言われています。 胎内を臨月までを何回か→受胎の瞬間→誕生直前→誕生の瞬間といったように、 ひとつの流れとして、体験していくことが可能です。 (他の催眠療法と同様、どのような体験をするかはかなり個人差があります。) 実感するのはむつかしいかもしれませんが、人は胎内にいるとき、すでに意識 的です。 もちろん成人した大人のような意識とは異なりますが、明確に何かを感じるこ とができています。 まだ身長数ミリのときから、意識があります。受胎の瞬間から意識があるよう です。 おなかの中で、母親のことを感じています。父親のことも感じています。母親 や父親が「どういう人なのか」も感じています。母親と父親の関係性について も感じ取っています。 また、母親が自分のことをどう思っているのか、父親が自分のことをどう思っ ているのかも、感じています。どういう気持ちが自分に向けられているのか? に、非常に敏感なことが多いです。 人の人格形成は、「生まれてから」ではなく、「生まれる前」、胎内からすで に始まっています。 胎内退行は、一般的には、胎内にいたときに精神的あるいは身体的なストレス が強かった人以外はあまり重要ではないとされています。おこなう必要性が低 いということです。 ですが、逆にいうと、胎内にいたときに精神的あるいは身体的なストレスが強 かった人にとっては、非常に重要な意味を持ってきます。 トラウマ(精神的外傷)は、年齢が低ければ低いほど、その影響が大きくなる 可能性が高いからです。 例えば、同じことが、胎内であったのと、3歳であったのとでは、胎内であっ たときの方が、影響が大きくなる可能性が高いです。胎内であったトラウマを 踏まえて、その影響を抱えながら成長していくからです。 胎内でトラウマとなるようなことがあった場合には、初期トラウマとなり、そ の後の人格形成に影響していく可能性も高くなります。 胎内での精神的あるいは身体的ストレスとはどのようなものがあるのかについ て、私が今までセラピ−としてさせていただいた中で、いくつかに分けて具体 的にお伝えしたいと思います。 ほとんどの方が自覚できていない場合が多いので、読んですぐにご自身の参考 になるようなことはむつかしいかとは思いますが、何か少しでもご自身を理解 するための助けになればと思います。 (1)両親に、望まれていたか、歓迎されていたか。 自分の存在が、両親に、喜ばれていたかどうか、望まれていたかどうかは、と ても大切です。 特に、「母親にどう思われているのか」が、重要です。 母親に、自分という存在が受け入れられているかどうかは、その人の最初のア イデンティティになると言われています。胎内退行では、最重要のポイントで す。 人が自己肯定的であるためには、まずは、自分という存在が両親に、特に母親 に、まるごと受け入れられていると「感じられる」ことが土台となります。 「親」イコ−ル「世界」というところがあるので、母親に、両親に歓迎されて いるかどうかは、この世の中に歓迎されているかどうか、になります。 何らかの理由で、喜ばれていない場合、望まれていない場合には、精神的なス トレスを感じている可能性が高いです。 自分自身を価値ある存在と思えているかどうか、自己価値観に影響している可 能性があります。 例えば、自分という存在について、いていいのか?生きていていいのか?と感 じていることもあります。 (2)母親の精神状態はどうだったか。 特筆すべきこととしては、胎児は、胎内にいるので、母親の感情と同化して しまう傾向があります。自分独自の感情を感じにくいところがあります。 いわば、自分の感情と母親の感情が混ざってしまって、分けられず、わかり にくくなっていたりします。感情的に、混乱している状態です。 ですから、 母親が楽しければ、自分も楽しい。 母親が嬉しければ、自分も嬉しい。 母親が悲しければ、自分も悲しい。 母親がイライラしていれば、自分もイライラする。 母親が怒っていれば、自分も怒る。 となりやすいです。 母親が日常的な喜怒哀楽を越えて、精神的に特につらい状態だった場合には、 あたかも自分自身も同じ様に精神的につらい状態を体験している可能性があ ります。 多いのは、母親が妊娠中体調がすぐれずに、出産について不安を持っている 場合です。 また、育てていけるのか?と育児について強い不安感を持っていることもあ ります。 胎内退行で、母親の感情と同化してしまっている場合には、感情を分けると いうことをします。 母親の感情は母親の感情、自分の感情は自分の感情として分け、自分自身の 感情を感じ取れるようにしていきます。感情的な線引きをしていきます。 この「感情を分ける」のは、胎内退行の重要ポイントとされています。 (3)両親の仲はどうだったか。 理解しにくいかもしれませんが、両親の仲をとても気にしていることが多い です。 子供にとっては、両親の仲は、自分が育っていく環境そのものだからかもし れません。いわば、理解しておいた方がサバイバルとして役立つからかもし れないと思います。 母親の感情も、父親の感情も、感じ取っています。 また、母親の父親に対する感情も、父親の母親に対する感情も、敏感に感じ 取っています。 どちらかがどちらかに不信感を持っていたり、母親と父親の仲が険悪であっ た場合には、その影響を受けている可能性があります。 多少のことであればまだしも、日常的に言い争いをしていたり、どちらかの 暴力があったり、お互いの信頼関係がなかったり、愛情がなかったりした場 合には、影響を受けている可能性があります。 例えば、両親の喧嘩の種が自分のことであったりした場合、自分がいなくな りさえすればいいのだと、感じていることもあります。 子供は、自分の周囲で起きたことを自分の責任と感じてしまう傾向がありま すが、胎内から始まっているのだと驚きを感じます。 例えば、自分が、両親の仲をとりもてないこと、仲良くさせることに役立て ないと無力感を感じている場合もあります。 例えば、父親が母親に日常的に暴力をふるうのを、おなかの中で、母親を守 りたいと強く感じていることもあります。 胎内にいる頃から、子供としての苦労が始まっていると感じることもありま す。 また、(2)でもお伝えしましたように、母親の感情と同化しやすい傾向が あります。 母親が父親に向けている感情を、自分自身もそう感じていると思い込んでし まっていることがあります。 例えば、母親が父親に対して怒っていれば、あたかも、自分自身も父親に怒 りを感じているかのように、思い込んでいたり、します。 例えば、母親が父親に対して不安感を持っていれば、あたかも、自分も父親 に不安感を感じていると思い込んでいたり、します。 そういう場面が出てきた場合には、感情を分けます。 母親の感情は母親の感情で、自分の感情とは別のものと、切り離します。 例えば、父親に対して、自分ではわけのわからない怒りを持っていた場合に、 胎内退行でそのような場面が出てきたことがあります。母親の感情と混同し ていた場合です。 (4)身体的ストレスはどうだったか。 胎内で、あるいは、誕生時に身体的ストレスが強い場合です。 例えば、胎内で、へその緒が首に巻きついていて苦しかったり、胎内での体 の位置がわるくてとても居心地がわるかったりする場合です。流産しそうに なっている場合も強いストレスを感じています。 例えば、誕生時では、逆子でうまく生れることができなくて苦しいとか、鉗 子(かんし)で強く引っ張られていて痛かったり、医師や看護士に乱暴で扱 われて不快感を感じている場合です。 ここでは、わかりやすく身体的ストレスと書きましたが、身体的ストレスが 強いときには精神的ストレスも強くなりますので、心身に負担がかかってい たと考えた方がいいと思います。 (5)自分の性別が、両親の期待と異なる場合。 自分の性別が「男」であるのに、「女」を期待されている場合。 自分の性別が「女」であるのに、「男」を期待されている場合。 どちらのケ−スもあります。 女になれるものならなりたいけど、期待に応えたいけど、どうにもできない。 男になれるものならなりたいけど、期待に応えたいけど、どうにもできない。 この、自分ではどうにもできない思いを感じていることがあります。 基本的に、親の期待にはなんとかして応えたいと思っていることが多いので、 期待に沿えないことは苦しみとなる可能性があります。 自分自身の自然な男性性を、あるいは、自分自身の自然な女性性を否定する ことが、ここから、始まっていることもあります。 両親ではなくて、近い関係の、年かさの誰か(おそらくどちらかの祖父母と 思われる)が、強く「男を」と、あるいは、「女を」と期待していると、感 じていることもあります。 例えば、男であることを期待されていた女の赤ちゃんは、成長していく過程で、 過度に男の子のようにふるまったり、男の子のような服装や髪形を好んだりし ていく場合もあります。 胎内退行をおこなうといい場合について、お伝え致しました。 私自身も、何回か胎内退行をしたことがあります。そのときどきいろいろな 体験がありました。興味深いものでした。 胎内退行は、セラピ−として考えた場合、心身のストレスが強くなかった人 は特に必要ないとされています。 でも、私自身の体験からは、関心がある人は体験してみてもいいのでは?と 感じるところがあります。胎内でのプラスの体験をするのもとても役立つと 個人的に感じます。 ほんとうかどうかは別にして、胎内の体験は、特別な体験と感じるからです。 母親のおなかの中の体験は、他のことでは代わりにならない特別なものと感 じます。あたたかくて、つつまれていて、安心している感じでした。ぬくぬ くしていました。おなかの中から両親のことを感じるのは不思議な体験でも ありました。 自分の存在の始まりを感じることができました。今までの連綿と続く時間を 感じることもできました。非常に有意義だったと思います。 当たり前のように、大人になっていますが、最初はこんなに小さかったのだ とも感じました。 私のところでも、胎内退行でプラスの体験をする方もいらっしゃいます。 例えば、受胎の瞬間に、何かと何かが出会って、光がスパ−クしたかのよう な体験をされた方もいます。 例えば、誕生の瞬間に、自分がこの人生で何をしにきたのかを明確に感じた 方もいます。 例えば、誕生直後に、母親の胸にしっかりと抱かれて、これ以上はない安心 感をゆっくりと感じた方もいます。 胎内退行は、自分の存在と、人生の意味を再確認できる可能性のあるセッシ ョンだと感じます。心の糧となれるかもしれません。 胎内での、プラスの体験をすることも、もっと評価されていいのではないか、 もっと見直されていいのではないか、と私自身は思っています。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ 『催眠療法・最前線』 第63号 2009年6月29日 岸僚子 登録・解除・バックナンバ− http://www.mag2.com/m/0000056664.htm 感想・質問・問合せ jhs★r.from.tv となりました。 (★を@に変えてください) ホ−ムペ−ジ 催眠療法専門サイト『ヒプノフォレスト』 http://hypnoforest.at.infoseek.co.jp/ 筆者のメルマガ 『面白くためになる催眠療法講座』 http://www.mag2.com/m/0000087747.htm ほびっと村学校 http://www.nabra.co.jp/hobbit/ ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ ●無断転載・プリントアウトの配布などはご遠慮ください。 ●転載・掲載・引用の際は必ず事前にご連絡ください。 ●すべてのコンテンツの著作権は、岸僚子に帰属します。 -------------------------------------------------------------- このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 を利用して 発行しています。http://www.mag2.com/ (マガジンID: 0000056664)



