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2008/06/09

なんでも読書 NO.2622 佐野洋「白い刑事」

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                 2008.06.09
                    Vol.2622                   

        
               『白い刑事』
                
                   



               
               
               佐野 洋(さの よう)
               出版:光文社文庫 2007年
               定価:600円(税込)
               ISBN978-4-334-74308-6
           
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     変な例え方ですが、ミステリー界の「星新一」みたい
     な印象の佐野洋。あくの強い登場人物は出てこないの
     に、ストーリー展開が面白いし凝っているので、つい
     つい読まされてしまいます。八篇の短篇集。   

     ホテルの部屋に「テレビが壊れてるので相撲を見せて
     くれ」とやってきた見ず知らずの女に睡眠薬を飲まさ
     れて金を奪われたという男。証言を元に緑川という女
     性が逮捕された・・・・・

                     「相撲好きの女」

     小学校の教師が幼女に対する痴漢容疑で拘留された。
     目撃者は市議会議員選挙に出ようとしている元警察署
     長。新聞記者の根本が疑って・・・・・

                      「有力者の夢」

     ホテルで女性が殺された。部屋に残されたルームサー
     ビスのコーヒーカップには、彼女と同日に宿泊した結
     婚詐欺の前科のある男の指紋が残されていた・・・・

                      「不利な痕跡」

     性格の優しい大学生が、とある女性の子供の子守を時
     々引き受けていたが、子供を返しに行って彼女が殺さ
     れているのを発見したという事件。捜査途中で大学生
     は犯行を自供した・・・・・

                      「優しい後輩」

     だいたい40ページくらいですので、一篇読んでは休
     みという調子でも、半日もあれば気楽に読み終えます。
     その点、時間つぶしにはもってこい。もとよりエンタ
     テインメントなのですが、全篇を通じて、「冤罪」と
     いうテーマが貫かれているのが特徴。

     題名の「白い刑事」というのは、作中人物の女性弁護
     士が、一人の若い刑事につけたあだ名。この相良刑事
     は、逮捕された容疑者の無実を晴らすという役目を果
     たしてくれるところから、「白くする」刑事。もっと
     も、この小説にははっきりとした主人公がおりません。
     東谷弁護士がチームリーダーで、刑事や新聞記者、弁
     護士などを仲間に、冤罪を晴らす構成。

     「弁護士生活は三十年近くになるが、こんな形で現職
     刑事から事件の模様を聞くのは初めてだった」

     『告訴を出すように、警察に頼み込まれたというよう
     なことも言っていました』

     「警察の取調べが厳しいために、弱気になって自白し
     たという事例はたしかにある」

     『実は、あの白い刑事さんに、頼みたいことがあるん
     ですが』

     もちろん殺人事件もありますが、中には事件性の低い
     ものもあり、さらには事件にもならなかったものもあ
     る。キッタハッタのアクションに目を奪われがちです
     が、われわれの現実の事件ってのは、こういうもので
     すよ、と作者が教えてくれている。

     それでも、この作家のミステリー短篇にしてはわりと
     殺人事件が多いほうでしょう。読者サービス? 日本
     の警察での、冤罪が起こり得る可能性をいろんな事例
     を挙げて、小説化しています。上手いもんです。

     2時間10分
     

        今ごろは顔なんてどうにでもなりまっせ


                    評価  ★★★


  

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                ☆..。
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   評価について

   ☆☆☆☆☆・・・・・何が何でも読みましょう
   ★★★★★・・・・・めったに読めない逸品       
   ★★★★・・・・・・なん読お薦め本      
   ★★★・・・・・・・好み次第だけど、平均点以上     
   ★★・・・・・・・・他に本がなければ         
   ★・・・・・・・・・時間のムダを覚悟するなら           
                                                 
                              
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