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古典の名作や新作はもちろん、連続もの、艶笑噺、現在演じられないものまで、落語の全て紹介。粗筋・成立(原作や歴史)・一言(芸談や識者の感想)・薀蓄という4項目を毎週配信。

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2009/11/27

名作落語大全集#468

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   名作落語大全集#468    発行者:越智月久
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発行日:2009年11月27日(金) 

      「まぐまぐ」寄席に2145名様、
      「メルマ」演芸場に714名様
     合計2859名様にご来場いただいております。

 ご来場ありがとうございます。今日は厚生保護記念日。刑務所から出て来た
人に厚生の道を開こうという日だそうです。そこで今日は落語に出てくる犯罪
者を聞きましょう。吉原などの遊郭を相手にする「付き馬」「突き落とし」「居
残り佐平次」、芸人をだます「鰻の幇間」、狐をだます「王子の狐」……いや、
落語界には悪い奴が多いようで……
 さあ、今日は短いマクラに続いて、おなじみの一席。

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4-1 格子(こうし)

【粗筋】
 天狗が吉原へ行ったが、格子に鼻がつかえてよく見えない。仕方なく格子の
間へ鼻を入れると、
「まあ、馬鹿らしい。ここはお便所ではありんせん」

【成立】
 1776年(安永5)『高笑ひ』の「格子」。要するに鼻を何かと間違えたとい
う「バレ」である。柳家小さん(5)を聞いたことがある。



4-2 強情灸(ごうじょうきゅう)

【粗筋】
 峰の灸を据えて我慢をしたという話を聞いた男、
「てめえなんぞ、なんだ、豆ッ粒みってな灸を据えやがって、こちとらァ男ら
しく、もぐさなんぞ、ほら……こうやって山のようだ」
「アイスクリームだな、まるで。乗せておくだけかい」
「てやんでェ。ほら火をつけるよ」
「煙が出て浅間山みてェ」
「ほら、熱くねえだろう」
「まだ火が回らねえもの。およしよ、熱いよ」
「熱いもんか。八百屋お七は火あぶりになったんだ。石川五右衛門を見ろ、釜
で油が煮えたぎっている中へ飛び込んで歌を詠んでらァ。石川や浜の真砂はつ
きるとも……我泣きぬれて蟹とたわむるってなァ。灸なんてものはこう……う
ム、石川……石川五右衛門は……うム……うッへへへ、うーん、何でェ、石川
……ワッ、ワッ、タァッ、ハッ(腕のもぐさを払い落として)……ああ、冷た
かった」
「強情な奴だな。おい、熱かっただろう」
「いや、俺は熱くはねえが、五右衛門はさぞ熱かっただろう」

【成立】
 動きで見せる「仕方噺」。上方に同じ趣旨の「やいと丁稚」がある。いずれ
にしても、我慢する顔つきの面白さを見せる仕種が生命の落語であるから、こ
んな粗筋を読んで面白い訳がない。御不満の方は寄席へ行くこと。

【一言】
 五街道雲助さんが『強情灸』をやっているのを聞いたことがある。そのとき、
なくなった桂三木助(3)師匠の『強情灸』をおもいだした。ふたりのはなし
が似ているかどうかはわからない。ただ、どちらも片膝をつきだして、袖をま
くったときの、芸人さんの腕のほそさが目についた。(田中小実昌)
●峰の灸は背中に、左右三つずつ、全部で6ヶ所、それも6つずつ、全部で36
所すえるんですから。わたしもすえましたよ。こっちは峰寺へ行って、畳の上
であぐらかいて灸すえてもらったんだ。(橘家圓蔵(7))

【蘊蓄】
 灸は、漢方医学独特の治療法のひとつで、鍼と併用される。「鍼すべくして
鍼すべからざる時に灸を用ふ」と記録されている。つまり鍼がいいのに、それ
が出来ない場合に灸を用いたらしい。
 年中行事で、2月2日には「二日灸」があり、この日に灸を据えるとよく効
くとされていた。上方ではごく一般に家庭でも据えたが、江戸では灸点所(き
ゅうすえじょ)へ行くのが普通だった。娘が灸を据える絵を看板にしたが、こ
れによって隠れ売春の宿となり、こうした店で素人が売春したのが「地獄」と
呼ばれる。

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 芸人さんの紹介です。
柳家喬太郎:1963年11月30日、世田谷区に生まる。本名、小原正也。日大商
学部時代から落研に面白いのがいると評判で、テレビ『欽ドン』にも出演。卒
業後社会人となるが、2年後、89年10月に柳家さん喬に入門。93年二ツ目昇
進と同時に喬太郎を名乗る。各種コンクールで賞を取り、2000年12人抜きで真
打昇進、笑点でお馴染みの林家たい平と二人で興行を行う。
 まず注目されたのは新作。「純情日記」シリーズや「白日の約束」などに描
かれた青春、「夜の慣用句」「喜劇駅前結社」で大人の世界を描くかと思えば、
「ハワイの雪」などでは老人の心情も描写する。若い頃はアイドル的な人気で
「キョンキョン」と呼ばれても似合っていたが、白髪が出ると女の子が引き、
落ち着いた大人のファンが増えた。通の客からは「八人芸」とののしられるこ
ともあったが、それが個性として認められるようになったのは、それだけの実
力を認めざるを得なかったということ。「午後の保健室」は後輩の若手も演じ
ているというだけでなく、古典にも意欲的に取り組んでいる。どこかに喬太郎
らしさが光るのがさすが。

 これから誕生日の芸人さん(現役のみ)。
11月29日:柳家さん福
11月30日:柳家喬太郎・神田紫
12月1日:橘家半蔵・林家正蔵
12月2日:立川左談次
12月3日:三笑亭夢太朗

ご意見ご希望はこちらまで mailto:meisakurakugo@yahoo.co.jp 
HP「名作落語大全集」はこちら。http://esaki-ochi.hp.infoseek.co.jp

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