2009/04/03
名作落語大全集#434
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名作落語大全集#434 発行者:越智月久
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発行日:2009年4月3日(金)
「まぐまぐ」寄席に2234名様、
「メルマ」演芸場に708名様
合計2942名様にご来場いただいております。
ご来場ありがとうございます。
1911(明治44)年の今日、日本橋が木の橋から石橋に架け替えられました。
橋の文字は徳川慶喜の筆です。日本橋は慶長8(1603)年に初めてかけられ、
その時から日本の道路交通の起点とされています。橋の中央に「日本国道路元
標」がありますが、昭和42年に柱からプレートに改められたもので、時の総理
佐藤栄作の文字です。平成11年、国の重要文化財に指定されていますが、昔は
東京見物といえば必ず訪れていた場所なのに、上に高速道路が走ると誰も寄り
つかなくなってしまったのです。「三越前駅」側に魚河岸跡の碑も残り、当時
の中心となっていたことが分かります。という訳で今日のお勧め落語はもちろ
ん東海道への出発をイメージして、「三人旅」「大山詣り」などはいかがでしょ
う。
本日の出し物は源平の合戦を扱った2席をお届けします。
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14−1 熊谷陣屋(くまがいじんや)
【粗筋】
源氏の武者・熊谷次郎直実、平家の敦盛と戦い討ち取るのだが、こともあろ
うに討つ前に美少年敦盛のお尻を犯してしまう。くやしく思った敦盛が、夜毎
熊谷陣屋に化けて出て、直実を苦しめる。
須磨寺の住職が見かねて、陣屋の表門にお札を張ったので、敦盛の幽霊は入
ることができない。家来の亡霊が、
「御札が張ってあるのは表門だけ。裏から入ったらよろしゅうございましょう」
と言うと、
「いや、裏門はもうこりごりじゃ」
【成立】
『平家物語』を素材に、男色を扱ったバレ噺。
【蘊蓄】
『一谷嫩軍記』の3段目が「熊谷陣屋」。ここでは熊谷直実が、敦盛を救う
ために我が子小次郎の首を打つ。この物語では敦盛が実は白川院の子供である
とする。姓は埼玉県の熊谷出身なのでついたもの。地名も「くまがい」が正し
いが、駅名が間違って「くまがや」としたのが一般化して町の名も「くまがや」
になってしまった。
『平家物語』では、我が子と同じ年頃の敦盛を討ったため出家を決意すると
いうことになっているが、実際に出家するのが8年も経ってからなので、政治
的な問題、親類関係など、様々な説がある。法然上人の弟子となり、美作(岡
山県久米郡)の法然上人の生誕の地に誕生寺を建立するなど、多くの寺を開基
している。また、京から関東へ戻る時に、仏のいる西方に背を向けられないと、
馬に後ろ向きに乗ったという逸話も残る。自分の生まれた所に熊谷寺を建立し、
そこで亡くなっている。
14−2 熊坂(くまさか)
【粗筋】
常盤御前が、幼い子供の命乞いに清盛の妾になった。救われた子供は牛若と
して成長、奥州へ下り、美濃青墓の宿に泊まる。その夜、熊坂長範一味が押し
入った。この男、名前が「長範(丁半)」だから博奕の元祖らしい。
牛若と渡り合って薙刀を斬り落とされる。倒れたところを牛若がぐっと踏み
つけると、血が出ないで餡が出た。こいつ、熊坂でなく今坂だったらしい。つ
ぶしたら出たから、つぶし餡でございます。
【成立】
面白いとは思えない地噺。
『太平喜餅酒多多買(たいへいきもちさけたたかい)』という歌川広重の絵
(味の素食の文化センター所蔵)があり、餅菓子と酒が戦っている。その中に
今坂餅というのが描かれている。大福に近いものらしい。「熊坂長範」とも。
【一言】
(熊坂は)どういう素性の者かわらない。登場するなり牛若にやられてしま
うくせに、いつの間にか石川五右衛門の大先輩、日本大泥棒の開祖に成長した
のは、ふしぎというほかはない。国文学の先生方が熊坂の素性詮議にやっきと
なっているが、謡曲以前にはどこの馬の骨か、いまだにわかっていないのであ
る。(宇井無愁)
【蘊蓄】
『義経記』の巻二「鏡の宿吉次宿に強盗の入る事」で、義経が、金売金次の
黄金を狙って押し入った強盗を斬り殺す話が元祖。押し入った賊は由利太郎と
藤沢入道となっているが、謡曲『熊坂』で、場所が美濃赤坂の宿に、賊が熊坂
長範に変わる。更に謡曲『烏帽子折』では直前に鏡の宿での牛若元服が描かれ
るようになる。
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さて、噺家さんのご紹介です。
桂米丸(4):大正14年4月6日生まれ。本名須川勇(いさむ)。昭和21年
に古今亭今輔に入門したが、最初から新作で行くよう師匠に勧められる。古典
を学ばなかった最初の噺家だが、実は古典のネタも持っている。戦後の噺家不
足もあり、翌年には二ツ目、「バスガール」で人気になると入門3年目での真
打昇進となった。私も子供時代から聞いているが、同じネタがほとんど出てこ
ない。毎年2席聞いたとしても7,80席。3回以上聞いたのは「ジョーズのキャ
ー」「お風呂風景」「目覚まし時計」「乗り物アラカルト」、このくらいしか
ないのだ。学生時代には子供のような声で若々しかった、最近お年を召、足が
良くないようで、階段を上る上野広小路亭には出られなくなったが、若々しい
高座は健在。
これから誕生日の芸人さん(現役のみ)。
4月3日:橘家圓蔵・橘家圓十郎・林家今丸(紙切り)
4月5日:翁家喜楽(太神楽)
4月6日:春風亭昇乃進
4月7日:橘家圓平・林家すい平・昔昔亭笑海
4月8日:三遊亭歌之介
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