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2008/07/26

名作落語大全集#398

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   名作落語大全集#398    発行者:越智月久
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発行日:2008年7月25日(金) 

      「まぐまぐ」寄席に2356名様、
      「メルマ」演芸場に844名様
     合計3200名様にご来場いただいております。

 ご来場ありがとうございます。最近、若手の勉強会などが人気です。上野鈴
本の早朝寄席など、私が通い始めた頃、このメルマガを発行し始めた時期には
多くても20人前後、1桁なんてこともざらだったのですが、今は常に100人以
上が入っています。うれしいことではありますが、心配なのは本当に落語が好
きなのか……詰まらないくすぐりや下ネタでも大笑いしてくれる、ほろっとさ
せる場面に洒落た台詞があると、その洒落に大笑いして話を切ってしまうお客
さん……一方いい演者が出るのに、値段が高いと空席が目立つ場合もあるとい
う現状……落語ブームといいながら、本物が求められていないような、ちょっ
と複雑な気持ちを感じることがあります。こんなことを書くと、落語って一部
のマニアのものになってしまいそうで……それも怖いですねえ……色々悩んで
いる今日このごろです。

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19 狂歌合わせ(きょうかあわせ)

【粗筋】
 豊臣秀吉が、「大きな狂歌」を詠んだ者に賞金を出すといったので、片桐且
元、福島正則、加藤清正が次々に歌を詠む。続いて登場した曽呂利新左衛門が、
「天地を丸めて呑み込む」という歌を詠み、これが勝ちかと思われた。ところ
が、細川幽斎が、
    天と地を団子に丸め呑む人をくさめの風で吹き飛ばしけり
  と詠み、みごとに勝ちを納めた。秀吉は、新左衛門が遺恨に思うことに配慮
して、今度は「小さい狂歌」の詠み手に印籠を取らせると言い出す。しかし、
またも幽斎が、
    蚊のこぼす涙の海の浮島に砂子拾ふて千々砕くなり
  と詠んで勝ってしまう。
  くやしがる新左衛門の申し出で、狂歌合わせが始まった。幽斎相手に謎の句
を出すが、みなうまく付けられる。そのうちに刻限が来て秀吉が退出しようと
すると、新左衛門がブイと放屁した。秀吉が新左衛門の頭を打つと、また一つ
ブイ。
「新左衛門、即吟申せ」
「おならして国二ヵ国を得たりけり頭播磨(張りま)で尻が備中」
「その方に播磨と備中のうち二千石を取らせるであろう」
  おならをして二千石もらったという、新左あやまちの功名。

【成立】
 講釈種。現在演り手はない。

【蘊蓄】
 狂歌合わせの「謎の句」とは、それだけでは意味不明の七七に、五七五を付
けて筋の通ったものにするもの。例えば、
    切りたくもあり切りたくもなし
  に付けられた句として、
    美しき月を隠せる梅の枝
    盗人を捕らえてみればわが子なり
    餅一つ惜しがる親のそっ首を
  などが上げられる。

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 さて、寄席や落語の言葉を紹介する『落語大事典』、今日からは「ま」で始
まる言葉でございます。

まおとこ【間男】 亭主の留守をねらって女房と関係をする男。亭主に捕まる
と殺されても仕方がないが、十両を出すと命を救われた。これを両替すると手
数料を取られて七両二分しにしかならないため、「間男代金七両二分」という
ことになった。天明年間には賠償金が下落し、たった五両になったという。

まくら【枕・マクラ】 落語の本題、筋書きに入る前に、噺家が自由に話す部
分。年季が入っている人程、このマクラが面白い。挨拶があって、最近の自分
の周辺、社会の状況、その日演じるネタに沿った小噺、ネタの歴史や蘊蓄まで
飛び出す。本来はここで客の反応を見てその日の出し物を決めたのだという。
余計なことを考えさせないようにと、マクラを一切やらないという会も行われ
ているが、噺に引き込んで行くのに重要な部分で、やはりないのは寂しい。
 三遊亭円生(6)の「円生百席」は、こうしたマクラに至るまで、ネタやく
すぐりを整理して重複しないように録音した。彼の枕は現代人に分からなくな
った言葉や風習の説明が実にみごとである。一方古今亭志ん生(5)は自由自
在で、本筋と全く関係のない小噺でも平気でやる。あちこち回ってやっとこの
ネタとつかむこともあったようだ。
 戸板康二の『ちょっといい話』にある、一竜斎貞丈が言った台詞。
「近ごろの落語は、マクラがあって、フトンがありませんな」
 三遊亭円窓が立川談志の居眠り訴訟について語った台詞。
「落語で寝るのは当たり前ですよ。マクラがあるんですから」

ご意見ご希望はこちらまで mailto:meisakurakugo@yahoo.co.jp 
HP「名作落語大全集」はこちら。http://esaki-ochi.hp.infoseek.co.jp

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