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2008/07/04

名作落語大全集#395

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   名作落語大全集#395    発行者:越智月久
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発行日:2008年7月4日(金) 

      「まぐまぐ」寄席に2236名様、
      「メルマ」演芸場に842名様
     合計3078名様にご来場いただいております。

 ご来場ありがとうございます。このところ、メールの調子が悪いのか、通信
がうまく行かず、発行のアクシデントが続きまして、誠に申し訳ありません。
 前回遅れて発行しました391号の「擬宝珠」で、立川志の輔師匠の文章を
引用しましたが、緑青の毒性について、認識が変わっているというご指摘を受
けました。
 緑青(ろくしょう)は銅が酸化して青緑のサビが出るもので、10円玉の色が
変わったり、鎌倉の大仏が緑色に見えるのもその影響です。古来有毒と考えら
れていましたが、戦後水道などの銅管、1975年頃からは銅の調理器具に人気が
出て、この毒問題の研究が進みました。1984年8月7日、厚生省が研究結果を
発表、緑青そのものは大量に接種しない限り体に影響はないとされました。毒
だと考えられたのは、技術が未熟だった時代にヒ素などの毒物が混入したもの
だというのが現在の定説のようです。ただ、体にいいことはないようで、銅の
食器に緑青が出るのは、家事の怠慢だからいましめるようにということでした。
 以上の通り訂正させていただきます。さて、本日はこの噺。

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16 伽羅の下駄(きゃらのげた)

【粗筋】
 豆腐屋の六さんが吉原通いを始めて朝寝坊になり、仕事に差し支える。家主
に異見をされ、珍しく早起きして豆をひいていると、侍が来て水を一杯飲ませ
てくれと頼む。飲ませると、礼に下駄を脱いで与え、有り合わせの草履を履い
て帰った。
  六さん夫婦が朝食を食べていると、いい匂いがするので、見ると、さっきの
下駄がかまどの火にあぶられて芳香を立てている。家主に見せると、
「これは伽羅だ。すると、その侍というのは近頃吉原へ通っていると評判の、
仙台のお殿様に違いない。この下駄なら、片方でも百両はするぞ」
  これを女房に話すのだが、興奮していて、
「ほら、あれよ……そう、きゃらきゃら……」
  女房も喜んで、
「げた、げた、げた…」

【成立】
 林家正蔵(8)の記録が残るとされているが、私は三遊亭萬窓が演じたのを
聞いたことがある。

【蘊蓄】
 伊達政宗が吉原の遊女、三浦屋の高尾に通っている時に、浮世渡平というな
らず者に襲われ、近くの豆腐屋に逃げ込んで難を逃れた。この時に履いていた
伽羅の下駄を礼に与えたという話が残っている。
  真鍮の包丁で下駄を削って見(柳多留111)
  豆腐包丁で削ってくべてみる(川傍柳1)
 いずれも高価な伽羅を豆腐屋の包丁で削るおかしみである。
 豆腐の値段は、元文の頃1丁28文、100年後の嘉永年間には50〜60文とあ
るが、大きさは現在のものの4倍もあった。現代の大きさのものは江戸末期に
現れ、1丁15文程度で商いされた。

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 さて、寄席や落語の言葉を紹介する『落語大事典』、今回から「ほ」で始ま
る言葉になります。

ほうこう【奉公】 下働きのこと。泊まり込みで勤めるのが普通。
 「一季半季の奉公人」:一季は三月の節句から翌年までの一年間。半季だと
桃の節句から九月一日までか、九月一日から三月三日まで。この台詞で呼ばれ
る連中は、主人に対する忠誠心などは持っていないということ。

ぼうずのたかしまだ【坊主の高島田】 「言うに言われぬ(結うに結われぬ)」、
「言いにくい(結いにくい)」という洒落。桂文治(10)は「やかん」の中で、
「縮れっ毛(ちぢれっけ)の高島田」と言っていた。

ほうばい【朋輩】 同じ主人に仕える仲間のこと。武家、町家ともに使う。
 「犬も朋輩、鷹も朋輩」:身分がいかに違っても同じ主人に仕える仲間であ
るということ。

ぼうびき【棒引き】 帳面に棒を引いて消し、無かったことにすること。「借
金を棒引きにする」などと使う。きちんと支払ったというより、無いことにし
てもらった場合に多く用いているようだ。

ご意見ご希望はこちらまで mailto:meisakurakugo@yahoo.co.jp 
HP「名作落語大全集」はこちら。http://esaki-ochi.hp.infoseek.co.jp

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