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古典の名作や新作はもちろん、連続もの、艶笑噺、現在演じられないものまで、落語の全て紹介。粗筋・成立(原作や歴史)・一言(芸談や識者の感想)・薀蓄という4項目を毎週配信。

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2008/06/27

名作落語大全集#391

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6月6日に発行予定だったメルマガが配信されていませんでした。
読者の方々にお詫びします。
遅ればせながら、以下にお送りします。
                      発行担当 川崎
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   名作落語大全集#391    発行者:越智月久
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発行日:2008年6月6日(金) 

      「まぐまぐ」寄席に2237名様、
      「メルマ」演芸場に843名様
     合計3080名様にご来場いただいております。

 ご贔屓様で、お礼申し上げます。
 今日は芸事の日。昔、6歳の6月6日からお稽古を始めると上達するといわ
れ、それにあやかって、今日は「おけいこの日」「邦楽の日」「楽器の日」「い
けばなの日」などが制定されています。落語も芸だと感じるのは、同じ人が同
じ噺を演じても、その都度違うということ。この間と同じ噺だよ……という感
想が出るとしたら、落語そのものが今に残っていないということですね。さて、
今回は珍しい噺を2席ご紹介します。

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12−1 奇抜心中(きばつしんじゅう)

【粗筋】
 心中を決意した二人、どうせなら今までに例のない型でやろうと考えたのが
自転車心中。二人で自転車に乗って川へ飛び込もうというのだ。
  さて、実行してみるが、見事に失敗して二人とも助かってしまった。ずぶ濡
れの二人がぼやいていると、別の人の自転車が、二人の上を飛び越えて川へは
まった。
「ううん……上手いもんやなあ」

【成立】
明治40年(1907)前後の「三友落語集」にある。自転車が目新しかった時代の
作品。

【蘊蓄】
「奇抜」は思いもよらぬほど風変わりなこと。自転車と同様明治40年頃の流行
語で、夏目漱石らが盛んに用いている。
 自転車については、明治21(1888)年1月26日、帝国自転車製造所が創設さ
れ、和製自転車の製造が始まった。



12−2 擬宝珠(ぎぼし)

【粗筋】
 若旦那が病気になった。医者は何か思い詰めての病気というので、幇間の桜
川長光が聞き出すと、浅草寺の五重塔のてっぺんの擬宝珠の青いところをなめ
てみたいと言う。さっそく住職に願い出ると、
「唐土の莫耶(ばくや)という人が鉄の気を含んで名剣を鍛えたという例があ
るから、まんざらない話でもあるまい」
  と承知。さっそく足場を組んで若旦那が登っていった。
  そこへ、心配して両親が駆けつけて話を始めたが、実は両親にも同じ趣味が
あり、父は橋の擬宝珠がそれぞれ味が違うのが面白いと言い、母はニコライ堂
が一番おいしかったと言う。そこへ下りてきた若旦那、満足気な様子で、両親
や関係者に礼を述べる。
「それで、あの擬宝珠の味はどうだった」
「はい、沢庵の味がしました」
「塩っ気が強かったのか。沢庵の塩ならどのくらいだ、4升か5升か」
「いえ6升(緑青)の味がしました」

【成立】
 1703年(元禄16)の『軽口御前男』にある「鼻自慢」は匂いを嗅ぐのが好き
な男の話。現行に近いのは1773年(安永2)の『聞上手』にある「かなもの」
や、同年『千里の翅』の「浅草五重の塔」。落ちは「そこらのと違って塩味が
薄かった」というものもある。手垢がついていないので、味が違うというので
ある。現代ではこちらの方が分かりやすいかも知れない。マクラとして簡略化
されたものは、現在でも演じられることがある。

【一言】
 鉄なら、あるいはミネラル不足のため、体が無意識に要求することはありう
るかも知れないが、銅に空気中の水分と二酸化炭素が付着して生じる「緑青」
は明らかに猛毒のはず。毒と知って「逆療法」として用いたか、または、醤油
の飲み比べなども行われた幕末の「デカダン」の名残とも思える。(立川志の
輔)

【蘊蓄】
  莫耶は、呉の刀工干将(うしょう)の妻。呉王(一説に楚王)の妃が鉄の精
を宿して産んだ鉄塊を、夫婦協力して名剣に鍛えたという故事から「干将軍莫
耶の剣」という。
 擬宝珠は、ネギの花の別名。欄干の柱につける飾りの形が似ているのでこう
呼んだ。

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 さて、寄席の言葉を紹介する『落語大事典』、今日は「ふ」で始まる言葉の
続きでございます。

ふたつめ【二つ目】 前座で3、4年勤めると、二つ目に昇進する。一人前の
噺家として認められることになるので、この時が一番うれしいと振り返る噺家
が多い。しかし、これまでは前座として寄席に行けば給料が出たのに、これか
らは出演依頼がなければ収入がないということになる。昔は入場料を出演者で
分けていたが、現在は協会が配分し、客が少なくても一定額がもらえるように
なっている。もちろん、出番がなければそれもない訳で、何とか売れっ子にな
りたいという時期である。

ふちょう【符丁】 「符帳」あるいは「符牒」とも。仲間内だけで通じる言葉、
印や合い言葉をいう。
 「金(ちゃん)」=客 「タロウ」=お金・ギャラ 「ロセン」=男、また
は男のモノ 「タレ」=女、または…… 「シャダレ」=芸者 「ハク(い)」
=良い 「セコ(い)」=悪い 「ドサ」=田舎 などなど
 二つ組み合わせることも多い。「セコ金」「ドサキン」「ハクタレ」「セコタレ」
など……意味は自分で考えてね。
 数字も符丁で使うのが常識。
1=「ヘイ」 2=「ビキ」 3=「ヤマ」 4=「ササキ」 5=「カタコ」
6=「サナダ」 7=「タヌマ」 8=「ヤワタ」 9=「キワ」
 なるほどと思うのもあるし、よく分からないものもある。実際に使う場合は、
「忘年会の会費ヤマでいこう」と言えば、まさか3百円や3万円の訳はないし、
3千円のことだなと分かる。10の「つ離れ」は「一つ」「二つ」と数えていっ
て、「とお」で初めて「つ」が出なくなる。要するに二桁入らなければ「つ離
れしない」ということで、客が少ない時に用いられる。てあるので参照のこと。

ご意見ご希望はこちらまで mailto:meisakurakugo@yahoo.co.jp 
HP「名作落語大全集」はこちら。http://esaki-ochi.hp.infoseek.co.jp

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