名作落語大全集 RSSを登録する

古典の名作や新作はもちろん、連続もの、艶笑噺、現在演じられないものまで、落語の全て紹介。粗筋・成立(原作や歴史)・一言(芸談や識者の感想)・薀蓄という4項目を毎週配信。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2008/04/11

名作落語大全集#383

この記事を取り寄せる

rakugorakugorakugorakugorakugorakugorakugorakugorakugorakugorakugo
   名作落語大全集#383    発行者:越智月久
rakugorakugorakugorakugorakugorakugorakugorakugorakugorakugorakugo

発行日:2008年4月11日(金) 

  「まぐまぐ」寄席に2272名様、
  「メルマ」演芸場に836名様
 合計3108名様にご来場いただいております。

 落語の数は幾つあるのかって……よく話題になりますが、正直言って分かり
ません。30年前に記録したのが400。これは実際に演じられている古典の数だ
と思います。当時の権威ある書物によれば、演じられなくなったものが同じ数、
新作が同じ数……総計1200とありました。それから色々な情報を集めて記録し
たのですが、最後に紹介しているHPで集めたタイトルは2050。これも皆様の
お陰です。まだまだ埋もれた作品が沢山あることと思います。ぜひこの作品が
落ちているぞ(落語だけに)って教えて下さい。
 さて、本日は全く演じられなくなった作品です。

********************************************************************

5 汽車の白浪(きしゃのしらなみ)

【粗筋】
 大阪船場の小林という商人、支店を出すために両国の宿に泊まり、横浜へ行
った帰り、ステンショから終汽車に乗った。乗客は他に女が一人いるだけ。話
しかけると、夫を日清戦争で失った未亡人で年始の帰りが遅くなったという。
意気投合したところへ入ってきた目つきの悪い男、女をじろじろと見る。品川
で二人で人力車に乗ろうとすると、先の男が追って来て、止める小林を突き飛
ばして女を無理に連れ去ってしまった。
  小林が宿に帰ると、紙幣で二百円入った財布がない。あの男は泥棒だったの
かと、翌日警察に届けることにして寝てしまう。翌朝になると、前日の男が問
題の財布を手に訪ねてきた。実は彼が刑事で、女は黒雲のお波という女賊、隙
をみて財布を奪ったのであった。
「へえ、あれが黒雲……道理で紙幣を巻き上げようとした」

【成立】
 桂文治(6)による、1899年(明治32)の作。
  利用客の少なくなった夜間の車中で、密室を利用した色仕掛けの女スリが出
没したという事実があり、1901年(明治34)には江見水蔭の『汽車の大賊』と
いう小説が出た。その作品中では、女賊が九州の炭鉱主を色仕掛けで誘惑し、
金品を奪う場面がある。
  明治の風俗というだけで、現代の人には意外性もない。「黒雲が巻き上げる」
という落ちもそれだけのこと。文治(6)以降演じ手がないのも当然である。

【蘊蓄】
 盗賊を「白浪」というのは、三国志で名高い黄巾の乱の残党が、白波谷に立
てこもって山賊を働いた故事から。後漢書の「白波賊」が語源。
 鉄道の初めては、よく知られている通り明治5(1872)年5月7日、品川・
横浜間。新橋まで通じたのが9月12日で、太陽暦の10月14日に当たり、この
日が「鉄道記念日」になっている。
 新橋から神戸までの東海道が開通したのは明治22(1889)年、所要時間が20時
間以上であるため、夜行列車だった。寝台車が登場するのは落語の出来た翌年
の明治33(1900)年であった。新橋から神戸まで、現在の新幹線を利用すれば速
いもので3時間20分。3往復出来る。

*******************************************************************

 さて、寄席の言葉を紹介する『落語大事典』、今日も「は」の続きです。

はね【ハネ】 終演のこと。追い出しの太鼓を「ハネ太鼓」ともいう。また、
「ハネる」と、動詞としても使用できる。

はねっかえり【跳ねっ返り】 お転婆のこと。「おきゃん」ともいうが、「はね
っかえり」は男に対しても意見を言い、突っ張る様子が見られ、「おきゃん」
よりも強いイメージ。ただし、美人にしか使わない。

はめもの 落語の間にお囃子さんの三味線や太鼓を効果音として加えること。
上方落語では常識で、
「この連中が出掛けますが、その道中の陽気なこと」
 などと言って、場面転換には鳴り物が入る。東京では本来はめものはなく、
出掛ける場合も、
「じゃあ、出掛けようか……噺は早いや、もう着いた」
 という具合に、会話で示すのが常識。三味線や太鼓が鳴る場合も口三味線、
口太鼓(?)で演ずるのが普通。
 芝居噺などでは鳴り物を用いることもあるが、普段やっていない訳であるか
ら、下座の人との息を合わせるのが大変なはずである。

ご意見ご希望はこちらまで mailto:meisakurakugo@yahoo.co.jp 
HP「名作落語大全集」はこちら。http://esaki-ochi.hp.infoseek.co.jp

----------------------------------------------------------------------
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん
『まぐまぐ』  http://www.mag2.com/ (マガジンID:0000053879) と
『melma!』    http://www.melma.com/ (マガジンID:m00038897)
を利用して発行しています。
----------------------------------------------------------------------

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る